Okanagan's Twilight Days

人生の黄昏を迎え、日々の出来事を徒然のままに綴っています(*^_^*)

軍師官兵衛、第37話“城井谷(きいだに)の悲劇!~前編” 2014年9月14日

2014-09-14 19:46:42 | 日記・エッセイ・コラム

小生この頃、好きな時に外出できない、食欲は恐ろしいほどあり、定期血液検査の数値はすこぶる良好なのだが、愛犬サクラ18歳の足腰が弱ってきてオムツの要る要介護犬となって来た、夜中には、ベッドのある居間と隣の台所を数回、徘徊する事が多くなり、へたばっては助けを呼ぶためワン!と1回弱弱しく鳴く、助けが来ぬ時はワン!ワン!と2,3回鳴く、今では、一緒の居間で寝ている家内が寝不足にならないように、係りつけの動物病院で処方して貰った極少量の睡眠導入剤を寝る前に与えている!・・・

そんな事情で、昼間は、家内と手分けしてサクラの介護に当たるようになった、今日は、家内が2時半ごろ買い物から帰ってきたので、小生はサクラの介護から解放された、今日はカラッと晴れ涼しい風が吹いていたので、3時前から久しぶりに河川敷に出て、大堰をUターンして10.5キロを歩いて来た、昼間での小生の徘徊?は久しぶりだった、来る19日(金)から10月4日(土)まで第17回アジア大会がインチョンで開催されるが、日本人選手の好記録と好成績を期待したい!・・・

   

天正15年(1587年)、秀吉より国替えを命じられた宇都宮鎮房が豊前・城井谷で 反旗を翻(ひるがえ)した!浅はかな長政率いる黒田軍若武者隊がその罠にまんまと引き寄せられ、宇都宮の居城、大平城へ城井川沿いに通ずる城井谷の細い山道で、弓矢を引いて待ち伏せしていた宇都宮軍によって不意を襲われ、狙い撃ちされ、小弁(こべん)を含む多くの黒田の将兵たちが命を失い、壊滅状態だった!太兵衛は自分の手勢を連れて若を助けに行こうとしたが、手遅れだった!これ以上兵を失うわけにはいかぬ!待つしか手はない!と官兵衛は太兵衛を止めた!善助、太兵衛、九郎右衛門は何時でも出陣できるよう用意万端整えて待機した!・・・

運よく生き延びた長政を含む黒田若武者隊の残党5,6人が山中をさまよった、宇都宮等は黒田の子倅(こせがれ)の首をはねよと血眼になって探した、馬ヶ岳城では光、糸、侍女たちが彼等の帰りを祈って手を合わせていた、日がとっぷり暮れてから長政らが命からがら戻って来た、「父上、申し訳ございませぬ!この度の戦さ、それがしの失策!」、ここまでは良かったが、このあとに又しても長政の馬鹿さ加減が全開した、「だが今、敵は勝ちにおごり油断しております!今一度攻めれば、今度こそ!」、あきれ果てた官兵衛が立ち上がり渾身の力を込めてキッツ~~い愛の鉄拳を長政の顔面に喰らわした!『長政!おんどれは何度同じことを繰り返す気か!』官兵衛は怒鳴りつけた!・・・

官兵衛はつづけた『長政、何故負けたのか、頭を冷やし良く考えよ!そして城井谷を攻めるには如何すべきか?お前が策をたてよ!』、官兵衛はそれ以上は言わず立ち去った、官兵衛の“己で策をたてよ!”の言葉を覚えているのか?如何だか知らぬが、長政は悔し涙に泣きぬれた、『糸~~!』光が急ぎ足で糸の部屋へ参じた、そこには落ち着き払って縫物をする糸が居た、『糸~~?』、「これも黒田の妻の役目、倹約は骨が折れます!」、光は糸の前に歩み寄り座って言った『長政は無事です!』、安堵した糸だが「当りまえです!殿がそう容易(たやす)く死ぬものですか!」と恍(とぼ)けた、『そうですね、長政が死ぬはず在りませんね!』、はい・・・

城井谷・大平城では娘の鶴姫が父・鎮房にお酌して宇都宮家臣等が戦勝の祝いの宴(うたげ)を挙げて美酒に酔いしれていた、「見事な勝ち戦さ!父上、おめでとう御座います! 」と宇都宮の嫡男・朝房から祝いの言葉が迸(ほとばし)った、おめでとう御座います!と家臣等も戦勝を祝った!「これで黒田は我等の強さを思い知ったことでしょう!」、「かくも容易く罠にかかるとは!?口ほどにもない奴らだ!」、鶴姫が父に酌をしながら言った「父上、此度、黒田を皆殺しできなかったことは無念で御座います!次こそ憎き黒田を討ち滅ぼしてくださいませ!」、鎮房が答えた『お鶴、お前が男であれば、これ程頼もしいことは無いのう!』、うははははは~~~!・・・

馬鹿・長政が独り、縁で何やら思い悩んでいた 、そこへ糸が茶を持ってきた、「殿、如何されました?」と聞いたが長政は答えなかった、「あの日から考え込んでばかり?何時までクヨクヨなさっているのですか!?今の殿の御様子を知れば死んだ小弁はさぞ嘆くことで御座いましょう!」と叱咤(しった)した、『知った風な口をきくな!』と立ち上がり糸から逃げようとした、糸は長政を追って言った「辛い気持ちは分かります!それでも前を向くのが、上に立つ者の定めでは御座いませぬか?」、長政が黙り込んだ、「私も家臣たちも皆、殿とともに戦っているので御座います!」、長政が糸に視線をやると糸が励ますように微笑んだ!・・・

長政がふてくされている頃、官兵衛は隆景と恵瓊(えけい)を招いて何やら作戦会議を開いていた、そこへ官兵衛に呼ばれた長政がやってきて、「小早川様、恵瓊様、お久しゅう御座います!」と二人に挨拶した 、『長政、ご両人にお前の考えた策をご披露致せ!』、バカはポケッとしていた、『策を考えよと申したはず、良い機会じゃ、申してみよ!』、はっ!長政は重い口を開いた「城井谷は山深き天然の要害!道も1本しかありませぬゆえ、力攻めでは落とせませぬ!しかし、その1本道が諸刃の剣!その入り口に付け城を築き、兵糧攻めに致します!」その間、官兵衛の鋭い眼が長政を睨んでいた!「その間に他の地侍を潰し宇都宮が孤立すれば、いずれ根を挙げましょう!」長政は自信なさそに話した!それは長政の前で官兵衛が立てた策をそのまま繰り返しただけのものだった!長政はそれを行わずして敗れたのだ!・・・

隆景が「良き策じゃな、官兵衛?」とお愛想した、『はっ!』と官兵衛も長政の知恵のなさに呆れていた、恵瓊が話を切り替えて言った「されど官兵衛殿、九州を平定したと言うのに官兵衛は一体何をやっとるんじゃい!?肥後の佐々成政に続いて、豊前もこの様(ざま)とは!?官兵衛に伝えよ!今年中に豊前の一揆を鎮めよ!と殿下はお怒りじゃ!あまり時をかけている暇などありませぬ!官兵衛殿と云えども、只(ただ)では済みませぬぞ!とも」・・・

早速動いた黒田・毛利の両軍は一揆を次々と制圧し、敵は宇都宮を残すばかりとなっていた!そうした中、交渉人・安国寺恵瓊が宇都宮に和議を迫るため 大平城を訪れた、「宇都宮殿、数に勝る我等がその気になれば、この城を攻め滅ぼすことなど容易かろう!?されど、これ以上無益な血を流すのは無用に御座る!黒田は和睦を望んでおります!その仲介に我等毛利が入る!如何で御座ろう?これがその申し状で御座る!」と恵瓊が懐から取り出した書状を差し出した、鎮房がそれに目を通して言った、「これは和睦ではない!何故我等が黒田の軍門に下らねばならぬのだ!」と鎮房が声を荒げた!・・・

恵瓊がすかさず言った「ならば豊前を離れ伊予の国行かれるか!?」宇都宮の顔色が曇った!「黒田の家臣となれば、この地に留まる事を許すと、黒田殿は言われておる!これを飲むほか、宇都宮が生き残る道は御座らん!」、宇都宮が観念した、天正15年12月、官兵衛の前で黒田と宇都宮は馬ヶ岳城にて和議を結んだ!恵瓊が伝えた「宇都宮殿には黒田家の家老として、大平城の城代を務めて頂く、また両家和睦の証として、嫡男・朝房(ともふさ)殿には官兵衛殿に、また娘の鶴殿は光殿に、それぞれ仕えることとする!」、「異存御座らぬな?」隆景が念を押した、「御座いませぬ!」と鎮房は従った!『これまでの遺恨も今日限りである!鎮房殿!』、「これよりは黒田家のため、励みまする!」と一件落着した・・・つづく

 

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