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初場所の見どころ

2021-01-09 10:00:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 いよいよ2度目の緊急事態宣言発出、大相撲の開催形式はいまだはっきりせず、注意を受けた両横綱もそろって休場。そんな中、年明けはじめてのまらずもうも、いよいよ始まる。
 緊急事態下様々な行動制限が課せられてなお、いつもどおりにできる数少ない競技だけに、今場所に寄せられる期待は大きい。人と接触せず、在宅を基本とするのはいつも通り。観客がいた方が盛り上がる力士も少なくないが無観客でも問題なく成り立つのがこの競技の取柄。事実、昨年の緊急事態宣言下では大相撲が中止される中、通常開催を実現、本場所日程を欠かすことなく、12年目を迎えるまらずもう。幕内3名には、それぞれに勝負がかかる。

 まずは何と言っても大関・金精山の綱獲り。昨年は毛呂乃と優勝を2回ずつと分け合い、このところ2場所連続で14勝。この時点で横綱昇進でもおかしくない星勘定だが、今場所連続優勝で文句なしの昇進がかかる。本人は横綱への興味はなさそうだが、このところ勝ちにこだわる相撲が見られ、冬場の弱さを克服しつつある。新弟子の勧誘にも積極的で内弟子を取るのではといううわさも。先場所、毛呂乃とのし烈な争いを精し、毛呂乃に負けを認めさせたの勢いそのままに、年明け早々、久々におめでたい昇進が見られるか。だが、金精山にとって1月の壁は果てしなく高い。この2年、初場所の成績は5勝10敗と振るわず、「冬場に弱い」という印象を決定づけている。この苦手を克服してこそ、一つ上の地位が見えてくる。

 対する毛呂乃は、初場所に強く、この2年全勝、30連勝中。初場所に滅法強い毛呂乃に、初場所を大の苦手とする金精山。しかし年明けの場所、「今年は違う」という変化も見たいもの。毛呂乃がいかに初場所に強いとはいえ、ここ2場所は優勝を逃しており、金精山の後塵を拝する形に。昨年優勝したのは2回だけ、4場所にわたり優勝できなかった。年間を通じ、優勝できない場所の方が多い、などという年は、復帰・理事長就任後初。3場所続けて優勝できなかったことはこれまでない。もうこれ以上は負けられない。過去の実績関係なしに、毛呂乃のほうが崖っぷちなのだ。しかも緊急事態宣言下での相撲の影響を受けやすそうなのも毛呂乃。人を集めたり接触したり、ということへの自粛風潮はいつもの調子を狂わせかねない。実際に昨年の緊急事態宣言下では、歯車が狂い液状化した毛呂乃を尻目に、優勝をさらったのは金精山だった。鬼門の初場所で横綱を賭ける金精山、優勝間隔を3場所あけるようなことは何としても阻止したい毛呂乃、これは拮抗した土俵になりそうだ。

 場所の展開はおそらく荒れる。両者とも無傷で千秋楽、ということは考えにくく、大相撲の優勝ラインもそう高くはなるまい。1つ2つ負けたところで気持ちを切らさず、自分の相撲を取り続けられるかが勝負。大方の予想では毛呂乃がわずかに優勢か、というところだが、先は読めない。初日から波乱もありそうな雲行きで、目が離せない場所になりそうだ。

 残る一人、古参大関・玉椿も、優勝争いとは別に絶対に負けられない場所となる。昨年奇跡の8度目優勝を成し遂げたものの、年々の老化は明らかで、大相撲を合わせても単独首位、前人未到・15回目のカド番として場所入りすることになる。毎年初場所はカド番で迎えては2桁程度勝ってカド番を脱出して見せる、という流れだが、今年はいよいよ厳しそう。場所前の稽古では全く勝てておらず、勝ち越せる保証はないのでは、という声もちらほら。今年1年大関であり続ければ在位66場所に達し、目標としてきた大相撲・千代大海の在位記録を抜いて単独1位となる。そんな事情もあり、今年いっぱいは大関で、というのが長らく観てきたファンの願いだが、カド番で迎える今場所はいきなりの難関。なにしろ本人にやる気が感じられないのだから困難は増すばかり。これを越えればあと2場所は延命できるのは確実なだけに、なんとか乗り切ってほしいところだ。

 2場所優勝から遠ざかり、理事長としての権威がかかる毛呂乃、大の苦手の場所で横綱昇進を賭ける先場所の覇者・金精山に、いよいよカド番脱出が怪しくなってきた玉椿。それぞれにとって、負けられない場所が、いよいよ明日から始まる。

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