雲虎●―○河豚狸
先鋒・玉椿につづいて次鋒・月乃猫ともドロー。取組前のインタビューでは「まさか先鋒、次鋒で引き分けてしまうとは思わなかった。当然2連勝、悪くても1勝1分で見込んでいたので、この苦しい展開は予想外だ。」と胸中を語る雲虎。つぎの対戦相手は、名門・西武学園文理高まらずもう部の先輩にあたる序二段・河豚狸。「次は中堅、河豚狸先輩・・・。 ま、勝てるでしょ。こここそ勝てるでしょう。というより、ここは勝たなきゃ苦しいでしょう。河豚狸先輩には1年前に(剣道で)勝ち逃げされているので、ここで復讐しておきたいところ。竹刀では負けても、まらでは負ける気はしない。自分ひとりの力で朝勃ちしてこそ日本男児。それなのに、配偶者の力を借りての二人三脚?? 日本男児なら、配偶者の力を借りる前にまずこんにゃくの力を借りるべきだろう!! そんな道を踏み外した力士に負けるわけにはいかない。ここはひとつ、ハットトリック宣言をしよう。河豚狸先輩には、3連勝で勝つことをここに宣言する。」と自信たっぷり。たしかに横綱が序二段に相手に苦戦するようなことがあれば、沽券にも関わる。単に勝つだけではなく内容でも圧倒しておきたいところ。
しかし、横綱にとっても勝ち抜き戦のプレッシャーは予想以上に体力の消耗が激しいようだ。けさの取組でも「最初に目覚めたときには確かに勃起していた」と言うのだから、そこで勝ちを決めてしまえばよさそうなものだが、連戦の疲労が抜けないのか、どうしても布団からでられない。だらだらと時間が経過していくうちに、まらの勢いが落ちていくという最悪のパターン。粘ることもできずに2日連続の勃起失敗。
この相撲を土俵下で観戦していた大関・玉椿は「・・・挑戦者側なら3日間だけ無理すればいいだけだからね。すこしくらい睡眠時間を削ったところでたいした問題じゃないんだよ。んでも横綱は15日間連続の土俵だからさ。ここで無理したら後半戦に影響する・・・ってのが脳裏をかすめるだろ。ついつい勝ち味が遅くなっちまって、決め時を逃しちまうんだろうね。ようするに、わしや月乃猫が善戦できたのはその差があるからなんだよね」と分析。
いっぽうの河豚狸。取組前夜には春場所好調の原動力にもなった博多なすを使った麻婆なすを食べて気合も十分。いつもは淡白なまらずもうも目立つのだが、けさは団体戦ということで心の持ちようが違うのか、めったに見せない二度寝を使って勝ちにこだわる姿勢を見せる。横綱の自滅という千載一遇の大チャンスにも、動揺してペースを乱すこともなく、冷静に一本を奪うという大殊勲。観客席からはやんやの喝采をあびていたが、晴がましい舞台に慣れないのか「横綱の引退試合という晴れがましい場で3連敗は避けたかったので安堵しております」と最後まで緊張の表情だった。
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<雲虎 4月7日 ●>
最初に目覚めたときは確かに勃起していた。
が、そのまま再び眠りにつき目覚めると勃起しておらず・・・
昨日のパターンで連敗。
まさかの展開。
勝ち抜き戦で体力がなくなってきたかのような戦況だ。
朝5時、目覚めたときに会社の後輩のヤマンコ君からメールがきていることに気づき、寝ぼけ眼で「朝勃ちがすごいにゃんにゃん」と返信していた。
ゆえに、そのときはものすごい勃起をしていたという記憶もあるし、記録もある。
しかしその後がいけなかった。
会社が休みなので、目覚まし時計を使用せず。
8時に自然と目覚めたときはもうまらも活動をやめてしまっており、沈黙。
十分に寝ているので、二度寝するにもできず。
それでも無理にでも二度寝しようとして少し意識が飛びかかったところでメール着信。
ヤマンコ君から、朝5時のメールへの返信だ。
このメール着信で完全に目覚めてしまった。
それ以上粘る気力も失い、起床。
<河豚狸 4月7日 ○>
本日は白星です。
二度寝による勝利です。
横綱の引退試合という晴れがましい場で3連敗は避けたかったので安堵しております。
前日の夕食は博多なすの麻婆なすを食べました。博多なす様のご利益は凄いです。
横綱にどこまで通用するか分かりませんが、精一杯頑張ります。