お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

京都非公開文化財特別公開

2011年11月01日 16時47分48秒 | 京都観光
11月に入りました。朝晩は冷え込みますが、日中は暑いくらいです。木々の色づきも始まってきました。京都御所の一般公開も昨日から始まり周辺道路はこみあっています。毎年この時期に行われるのが「京都非公開文化財特別公開」です。非公開とありますが、実のところ中には毎年この時期公開している常連もかなりあります。その中で9年ぶりというお寺に先日うかがってきました。

うちから自転車で20分くらいにある臨済宗大本山大徳寺。かなり広いお寺ですが観光地からちょっと離れているので訪れる人が少なく、山内の「高桐院」は新緑の頃がお奨めです。山門を通りすぎ境内の一番隅にあるのが「孤篷庵」(こほうあん)です。ここにお茶室でかの有名な「忘筌」(ぼうせん)という一室があります。

入口で拝観料¥800を支払、境内へ。普段はこの門が閉まっているのでここから先は見ることができません。

よく手入れされた延段をすすむとすぐ直角に右折して玄関に入ります。なんだか期待できそうなアプローチです。中に入ると特別公開初日なのかたくさんの靴が下駄箱の中にあります。特別公開のお寺では必ず黒のスーツを着た大学生(たぶん古美術研究会のメンバー)が説明してくれます。初日とあり、たどたどしい説明に拝観者はみな微笑んで聞き入ります。お目当てのお茶室を見てきました。勿論、撮影禁止です。この茶室の特徴である中空に浮いたような障子に見入ります。下方を吹き抜けとし、室内から露地の庭先だけが目に入るように計算されつくされた茶人「小堀遠州」の傑作ですが、生憎狭い書院づくりの部屋には常時15,6人の人で、ゆったりとは眺められませんでした。なぜこのような茶室なのかというかねてからの僕の疑問は、この空間はお茶室の「躙口」(にじりぐち)を表していると、かの学生さんの説明で納得しました。
ここの担当は「立命館大学」だそうです。

帰りに隣にある高校から学生がだらだら帰ってゆきます。でもここがわが息子の母校です。すごいところにある高校へ通ってたものです。でも彼に「孤篷庵」って知ってる?と聞いてみたら「知らん」と答えが返ってきました。学生の頃京都で過ごした方たちが今、京都へ結構来られるのに通じるものですね。

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