お宿&かふぇ 布屋 《主人のひとりごと》

120年経った京町家を改修した民宿『布屋』

改修工事 9

2010年02月21日 11時59分44秒 | 布屋
塗装も前回の作事組メンバーの「イマエ」さん担当です。写真のように床もオモテの出格子に合わせ「古色塗り」で仕上げます。古色塗りと一言でいいますが中々色合わせがムツカシイ。左官屋さんも苦労していましたが塗装屋さんも柱等の既存の部分と同じ色にするのが大変です。塗料も7年前に較べて進化しており、今回使用したのが「オスモ」というメーカーの塗料です。ミセではよくお客様から何が塗ってあるんですかという質問を良く受けます。その都度「古色塗り」ですと中途半端に答えてましたが、今回はちゃんとヒアリングしました。「オスモ」はドイツ製で従来のモノと異なる点が「植物油」を使い安全、安心な塗料だそうです。マホガニーとエボニー等を混ぜて色を決めます。キツイシンナー等の溶剤の匂いがしないので、床全体を塗った翌朝、あまりキツイ匂いが無く塗料の進化に驚きます。塗装も乾くのに時間がかかります。まだオモテの出格子やら二階の天井の洗いやらと完成までまだもう少し時間がかかります。ゆえに「おひるごはん」のスタートが遅れてしまいますが何卒ご了承くださいね。

改修工事 8

2010年02月21日 11時30分39秒 | 布屋
左官屋さんの仕事が終わると次は塗装です。床の養生を撤去します。写真のように土間だったミセの部分に真新しい木の香りが漂います。当初の設計では別の木で床を貼る予定でしたが例の棟梁の「床の木は杉やで」の一言で予定変更。杉の節目がある材(価格が断然安い)で貼ってもらいました。写真に見えている窓枠が今回ミセと通り庭を隔てる建具です。これにガラスを入れてもらい、冬と夏に仕切りをし、暖気や冷気を逃がさないようにします。この建具を作ってもらった建具屋さんが又すごい。大津の坂本にある建具さんです。今回建具はこのミセの仕切りの大きなガラス戸と二階オモテの間の窓を新しく作りました。お泊りの方はご存知かも知れませんが虫籠窓のガラス戸は触ると壊れそうなシロモノでした。冬は隙間から冷気が入り、外を通る車でガラス戸が震えていました。今回の改修で窓枠ごと新調しました。塗るのが勿体無いくらいの出来栄えですが全体のバランスで塗装します。そしてミセとダイドコを仕切る古障子戸をその建具屋さんで修復中です。例の夷川の古建具の井川さんで見つけてきた障子で一度建て合わせを済ませ持って帰り紙を貼って最後に届けてもらいます。エコエコと言うけど町家改修は究極のエコやなと大工さんがつぶやきます。