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森羅万象 ~ 歩く印象派

宮本亜門、急きょ原発問題を劇中に取り入れることを明言 

2011年06月01日 22時38分01秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

シネマトゥデイ - 06月01日 15:30)

出演者の山本太郎を「一本気なところが役に結びついてる」

シネマトゥデイ

山本太郎についても言及した宮本亜門と八嶋智人
山本太郎についても言及した宮本亜門と八嶋智人

  ブロードウェイ・ミュージカル「太平洋序曲」の稽古場取材が1日、神奈川芸術劇場で行われ、本編の一部が公開された。演出を務める宮本亜門と主演の八嶋智 人はサービス精神たっぷりに本作の見どころを語ったほか、同作に出演する、所属事務所を自ら退社した俳優・山本太郎についても言及した。

 

 映画やドラマ、舞台など幅広い活躍を見せる八嶋だが、ミュージカルには今回が初出演。最初は戸惑うことも多かったそうで「ミュージカルは 何小節目のどこでどう動くかが決まっているので、自分の間合いでできない。『あれ、もう次の人歌っちゃっている!?』みたいな」と、面白おかしく苦労を 語った。だがこの日は八嶋自身の希望で本人の出番は少なめ。この理由について「まだ見せたらヤバいからですか?」と記者から質問が飛ぶと、八嶋は敏感に反 応。「失敬な、いつだって見せられますよ! ただの出し惜しみですよ」とおどけた様子でキレたまではよかったものの、テンションが上がり過ぎたのか「舞台 はお客さんが劇場に入って初めて完成するもの。そういう意味を込めて僕はお客さんとひとつになりたい。なのでこんなマスコミ向けにはやらないんです……」 と報道陣を敵に回すかのような発言。これにはさすがの宮本も「こんな報道陣って失礼な!」と突っ込みを入れ、「おれが一番失礼でしたね」と小さくなってい た八嶋だった。

 

 上演まで3週間を切った本作だが、宮本はさらに台本が変更になることを示唆。現在日本で深刻な問題となっている原発問題を劇中に取り入れ る構想を明かし「われわれが日本を客観的に見るという作品なので、日本で現実に起きていることと重ねないといけない。(そうすることによって)今の日本が どうなっているのかわかりやすいし、日本に力があることもわかる」と熱く語った。本作には、原発反対のデモに参加して自ら所属事務所を退社するなど、その 動向に注目が集まっている山本太郎も出演することとなっている。宮本は「一本気なところや、何を正しいと思って何を大切にしたいかが役と結びついている」 とぴったりの配役であることを明かす一方で、八嶋はここでもユーモアたっぷりに「いろいろ聞きたいことはあるでしょうけど、今の山本太郎を知りたいならど うぞ(観に来てください)。答えはそこにあります」と本作をアピールした。

 

 「太平洋序曲」は初の東洋人演出家として、宮本亜門がブロードウェイ・デビューを果たした作品。江戸時代末期の日本を舞台に、鎖国を続けようとする人々と西洋文化を受け入れようとする人々の対立を描いている。(取材・文:肥沼和之)

 

ブロードウェイ・ミュージカル「太平洋序曲」は6月17日~7月3日まで神奈川芸術劇場で上演


【関連情報】
ミュージカル「太平洋序曲」オフィシャルサイト


山本太郎、原発反対デモ参加、ドラマ降板、所属事務所離脱後に公の場に初登場!元気な姿を見せる!

2011年06月01日 22時35分21秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

シネマトゥデイ - 06月01日 15:51)

シネマトゥデイ

八嶋智人と真剣な面持ちで話している山本太郎
八嶋智人と真剣な面持ちで話している山本太郎

 5月27日に所属事務所のシス・カンパニーを離脱したことを発表した俳優の山本太郎が、1日に神奈川芸術劇場で行われたブロードウェイ・ミュージカル「太平洋序曲」の公開稽古に登場して元気な姿を見せた。

 

 東日本大震災で発生した原発事故以来、山本は自身のツイッターで脱原発を訴え続け、4月10日には原発反対デモに参加。それ以外でも、子 どもの安全を守るため5月23日には文部科学省の前で「放射線量年間20ミリシーベルト」の撤回を訴えるなどをしていた。25日の夜には、一連の発言や行 動が原因となって出演の決まっていたドラマを降板させられたとツイートしたことが大きな反響を呼び、迷惑をかけまいという思いから13年間所属したシス・ カンパニーを離れるに至った経緯がある。

 

 「太平洋序曲」で山本が演じるジョン万次郎は、黒船の襲来にいち早く気付いて、鎖国中の日本に迫る危機を伝えようとする役回りであり、開 国を迫って次々と訪れる西洋の刺客にも屈せず、かたくなに日本の伝統を重んじようとする。日本を愛して命懸けで守ろうとする精神が、くしくも山本とリンク しており、演出の宮本亜門は「一本気なところや、何を正しいと思って、何を大切にしたいかが役と結びついている」と絶賛。この日、公開稽古後に行われた囲 み取材に山本は不参加。現在の胸のうちが語られることはなかったが、情熱があふれるような赤いTシャツを着て、与えられた役をひたむきに熱演する姿から は、上演を目前に控えた本作、そして日本への並々ならぬ愛情や熱意が伝わってくるようだった。(取材・文:肥沼和之)

 

ブロードウェイ・ミュージカル「太平洋序曲」は6月17日~7月3日まで神奈川芸術劇場で上演


競走馬脱走、国道1号駆け抜ける 川崎~横浜4キロ

2011年06月01日 16時31分31秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
取り押さえられた馬=1日午前8時40分ごろ、横浜市鶴見区佃野町、松下次朗さん提供

2011年6月1日13時10分 朝日COM

 

 1日午前8時ごろ、川崎市幸区小向仲野町の川崎競馬場小向厩舎(きゅうしゃ)で、厩務員に付き添われて練習馬場に向かおうとしていた牝馬(ひんば、2歳)が突然暴れ出し、厩務員を振り切って公道を走り出した。

 神奈川県警や川崎競馬組合によると、牝馬は近くの国道1号(第2京浜)に入り、幸警察署前などを通り過ぎながら走って南下。鶴見川を渡って横浜市内に入った。その後、厩舎から約4キロ離れた同市鶴見区佃野町の住宅街で、県警鶴見署員と厩務員が取り押さえた。

 県警には、通行人らから「馬が国道を走っている」との110番通報が集中。馬は途中で自転車の2人と接触し、1人が軽いけがをしたようだという。取り押 さえた場所の近くに住む松下次朗さんは「騒がしかったので外に出ると、馬が警察官に取り囲まれていた。なぜこんなところに馬が、と目を疑った」。


磁力抵抗「ゼロ」の発電機 草津の男性が発明

2011年06月01日 15時33分07秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
  2011年05月31日 09時22分京都新聞
軸を回した時に磁石の抵抗が少ない発電機を発明した平松さん(右)と、解析した中村准教授(京都市西京区・京都大桂キャンパス)
軸を回した時に磁石の抵抗が少ない発電機を発明した平松さん(右)と、解析した中村准教授(京都市西京区・京都大桂キャンパス)

 滋賀県草津市の元建設請負業の男性が、発電機を回す時に生じる磁石の抵抗を大幅に軽減させる仕組みを発案し、解析した京都大准教授がこ のほど学会で発表した。簡易な構造だが誰も試みなかった「コロンブスの卵」的発想で発電装置の簡略化が見込め、電気自動車や風力発電などへの応用に期待も 高まっている。

 同市平井5丁目、平松敬司さん(72)の連式発電機。永久磁石を用いた発電機は磁石を円盤に並べて相対させ、軸を回転させることで電気を発生させる。しかし、磁石同士が引き合う力が働くため、回転が重くなることが「宿命」だった。

 平松さんは、4台以上の発電機を1本の軸でつなげ、各台の磁石の位置を軸から見て均等な角度でずらすことで、磁石が引き合う力を相殺させることを発案。モデルを試作したところ、発電機を増やすにつれ回転が軽くなることを確認した。国際特許を出願し、現在審査中だ。

  平松さんは民間の試験機関に依頼して解析したデータを基に昨秋、京都大の中村武恒准教授(電気工学)に相談。中村准教授がコンピューターで解析したとこ ろ、発電機を8台並べると磁力の抵抗がほぼゼロになることが分かった。このほど茨城県つくば市で開かれた春季低温工学・超電導学会で発表した。

  中村准教授によると、平松さんの発電機で生じる電気は波形がぶれず発熱ロスが少ないため、発電機の「弱点」ともいえる制御装置や廃熱装置が不要になること も見込める。低回転でも電気が取り出しやすいなど利点が多く、ハイブリッドカーや電気自動車の発電機をはじめ風力発電機などへの導入も期待される。すでに 企業からの引き合いもあり、本格的な発電機を試作し、応用を検討する。

 中村准教授は「目からウロコの発想だが、どうして今まで誰も気づかなかったのか。多分野への広がりが期待できそうだ」と驚き、平松さんは「自転車の発電機の抵抗を軽くしようと思いついたのがきっかけ。素人の発想を聞いてもらえてありがたい」と、協力に感謝している。

 


井伏鱒二 晩年の手紙見つかる 原発告発 掲載へ尽力

2011年06月01日 14時55分57秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

2011年6月1日 13時55分東京新聞

井伏鱒二が戦友だった元新聞記者に宛てた手紙とはがき

写真

 広島原爆の悲劇を描いた小説「黒い雨」で知られる作家井伏鱒二(1898~1993年)が、戦友の元新聞記者に宛てた晩年の書簡50通が、金沢市 内の元記者の遺族方で見つかった。元記者は原発に勤務した長男を舌がんで失い、原発の危険性を告発する手記を書いて井伏に託したが、その雑誌掲載に尽力し た経緯が含まれている。原発に懐疑の目を向けていた井伏を知る資料になりそうだ。 (松岡等)

 一九七七(昭和五十二)年八月~八八年十二 月の手紙十八通とはがき三十二通。元記者は国民新聞(東京新聞の前身)から、後に北日本新聞(富山市)の編集局長などを務めた松本直治さん(一九九五年、 八十三歳で死去)。井伏は松本さんや作家海音寺潮五郎らとともに陸軍徴用の報道班員としてマレー半島に派遣され、戦後も交流が続いた。

 手 紙のやりとりは、松本さんの長男が舌がんで死亡したのがきっかけ。長男は北陸電力の社員で、出向先の東海、敦賀両原発で安全管理業務についていた。被ばく が原因ではないかとして、原発の危険性を告発する手記を書いた松本さんが、発表できないか井伏に相談、原稿を託した。

 手記は七八年十一月発行の総合誌「潮」に、作家の野間宏責任編集の企画「原子力発電の死角」の一編として掲載された。井伏は手記に序文「無常の風」を寄せ、「原子力開発は両刃(もろは)の剣」「放射能と書いて『無常の風』とルビを振りたい」と記した。

  手紙やはがきには、預かった原稿を雑誌編集者に取り次ぎ、掲載されるまでの経過や、松本さんの求めに応じて序文を書くまでのやりとりが記され、掲載に当 たっては「反響が行き渡ればよいのですが。改めて御子息の冥福を祈ります」(七八年十月五日付)と率直な思いを伝えている。

 松本さんの文章を数多く引用した随筆「原発事故のこと」を、自選集に収録する了解を求めるくだりもあり、井伏の原発への思い入れをうかがわせる。

  また当時、徴用中の回想を執筆中だった井伏は手紙で、資料を送ってもらうよう松本さんに依頼。そのやりとりの中で、戦時中に皇居への敬礼を軍が強要した 「東方遥拝(ようはい)」を悲哀を込めて小説「遥拝隊長」に描いた井伏が、モデルの上官について触れ「生涯忘れられないでせう」と記した。

 島根大の学会誌「島大国文」に手紙を公表した国学院大の上田正行教授は「手記掲載に協力したのは、作家としての責任感と戦友への友情からだったことがうかがえる。徴用中の上官についての記述を含め、井伏文学を読む上で重要な資料」と話している。

(東京新聞)


中国中南部 干ばつ被害深刻に

2011年06月01日 12時32分41秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

消える川・干上がる湖…旱魃ますます深刻に=湖北・安徽・湖南

サーチナ 5月31日(火)9時56分配信

中国では中南部の湖北、安徽、湖南の各省を中心に、2010年秋に始まった旱魃(かんばつ)の被害がますます深刻化している。多くの川が姿を消し、ほぼ干上がった湖も多い。貯水量が利用できる下限以下になったダムも相次いでいる。

 中国では中南部の湖北、安徽、湖南の各省を中心に、2010年秋に始まった旱魃(かんばつ)の被害がますます深刻化している。多くの川が姿を消し、ほぼ干上がった湖も多い。貯水量が利用できる下限以下になったダムも相次いでいる。中国新聞社が報じた。

■「三峡ダム」に関する写真

 湖北省では広い範囲で11月以来の降水量が、観測史上最低値になった。安徽省では269の河川の流れが途絶え、中型ダム10カ所で、残っている水が構造上利用できない死水(しすい)だけになった。小型ダム266カ所は、完全に干上がった。

 湖南省では2011年になり、観測を始めた1910年以来、降水量が最も少ない状態が続いている。省東部にある洞庭湖の面積は例年同時期の3分の1に相 当する780平方キロメートルに減少。湖周囲の湿地帯が乾いたため野生動物が産卵できなくなるなど、生態系にも深刻な影響が出はじめている。

 各地で農業用水や飲み水の不足が深刻化している。当局は井戸用のポンプを農村部に送るなど、対策を急いでいる。

 気象部門によると、2011年は湖南省などに影響を与える台風が多く、大旱魃が一転して大雨・洪水被害が多発する事態になる可能性があるという。

 写真は干上がった洞庭湖の湖底部分。手前に取り残された2枚貝が見える。(編集担当:如月隼人)


ソウルの広場、たばこ吸ったら罰金10万ウォン

2011年06月01日 12時24分30秒 | 私の目の前での喫煙はお断り

2011年6月1日10時42分朝日COM

 日本人観光客らが大勢訪れるソウル中心部の広場が、1日から全面禁煙となり、喫煙が見つかった場合、10万ウォン(約7500円)の罰金を科せられる。

 禁煙になったのは、朝鮮王朝王宮の門で、日本の植民地統治下、民芸運動を推進した柳宗悦が保存を訴えたことで知られる光化門(クァンファムン)前や市庁 舎前など中心部の三つの広場。市の「受動喫煙防止条例」で指定され、取締班が広場を巡回して、喫煙者を摘発する。9月からは市が管理する公園、12月から はバス停留所にも対象を拡大する。

 韓国ではすでに多くの公共施設が禁煙になっているが、屋外での歩きたばこが問題になっている。韓国保健福祉省によると、成人喫煙率は男性43%、女性3%だという。(ソウル=中野晃)


携帯電話の電磁波、がん危険性も WHO組織が初めて指摘

2011年06月01日 12時18分34秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

2011年6月1日 05時17分 (2011年6月1日 11時03分 更新)

 携帯電話を耳に当てて話す男性=5月31日、米ロサンゼルス(ロイター=共同)

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 【ジュネーブ共同】携帯電話の電磁波とがん発症の関連性について、世界保健機関 (WHO)の専門組織、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は31日、「聴神経腫瘍や(脳腫瘍の一種である)神経膠腫の危険性が限定的ながら認めら れる」との調査結果を発表した。WHOの組織が携帯電話に関して発がん性を指摘したのは初めて。国際がん研究機関は、危険性の数値化はしていない。


大震災は警告可能だった 「前震」見極めできれば

2011年06月01日 12時12分50秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2011年6月1日 09時16分 (2011年6月1日 10時11分 更新)

 がれきが残る福島県浪江町請戸地区を歩く防護服姿の住民ら。左奥は福島第1原発の排気筒=5月26日

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 東日本大震災の震源付近で約50時間前に起きたマグニチュード(M)7・3の地震は、直 後の活発な余震活動を精査し、前兆的な「前震」と見極めていれば「巨大地震発生があり得る」と警告できたのではないか―。東北大ニュートリノ科学研究セン ターの林野准教授が1日までに、こんな解析結果をまとめた。M7・3の地震は3月9日に発生し、宮城県で最大震度5弱を観測。気象庁は大震災後に「前震」 との見方を示した。


コメや牛乳は100%地元産 松本市の給食は「内部被ばくゼロ」  菅谷昭市長

2011年06月01日 06時16分56秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

 

2011年5月31日 19時26分 (2011年5月31日 20時39分 更新)

給食に使う野菜から放射性物質を徹底排除

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   放射性物質が体内に取り込まれる「内部被ばく」から子どもたちを守ろうと、独自の取り組みを進めているのが長野県松本市だ。市内にある公立校や保育園、幼稚園の給食に使われる食材を、「放射性物質ゼロ」に限定しているという。

   市長は、チェルノブイリ原発事故後に現地で医療支援を行った経験から、内部被ばくの恐ろしさについて警鐘を鳴らし続けている人物だ。

原則は「地産地消」、県外産に「制限」「松本市の給食は『内部被ばくゼロ方針』」

   イ ンターネット上では、松本市の取り組みをこう表現する書き込みが見られる。市の学校給食課に聞くと、松本市の「方針」として掲げたわけではないようだ。た だし、「ゼロ、というのは少々大げさかもしれませんが」と前置きしたうえで、学校給食から放射性物質のリスクを取り除く「工夫」を始めたことは事実だと話 す。

   松本市では、給食センターが各校に給食を届けるケースが多いが、市では以前から、地元で採れた材料を給食に用いる「地産地消」を 進めてきた。最も優先して使うのは市内で採れた食材で、「コメや牛乳は百パーセント松本産です」と学校給食課では説明する。市のもので賄えない場合は長野 県産を、それでも無理な場合に限って県外産を利用するのだという。

   だが福島第1原子力発電所の事故以降、県外の食材を使う場合に「制限」を設けた。農産物などから放射性物質が検出されたり、出荷制限が出されたりした地域を避けているのだ。

   実 際に対処例もある。ネギを使う献立で、茨城県産しか入手できないとなった際、産地の異なる別の野菜に変更して調理したのだ。福島第1原発の事故後、茨城県 産の野菜ではホウレンソウやパセリから暫定規制値を超える放射性物質が検出されたとして一時出荷制限が出され、後に解除されている。

   学 校給食課では、「生産者の立場を考えると、とても心苦しい。決して風評被害を広めるつもりはありません」と話す一方で、「生徒と保護者にとっての安心・安 全を最優先に考えなければならないのです」と理解を求める。今回の措置は、年度が替わる2011年4月1日に、学校給食課から各給食センターに向けて年間 方針の一環として指示したそうだ。

チェルノブイリ事故で医療支援に携わった市長

   子どもたちの学校給食から放射性物質を徹底的に排除しようと する姿勢は、菅谷昭市長の経験と考えに基づいているようだ。菅谷市長は、チェルノブイリ原発事故で大きな被害を受けたベラルーシで5年間、甲状腺がんの治 療を中心に医療支援に携わった経歴をもつ。福島第1原発の事故後初めての記者会見となった2011年3月22日、ベラルーシでの医療行為の経験から内部被 ばくの恐ろしさについて話した。会見で、呼吸や皮膚、口から放射性物質を取り込まないよう再三にわたって警告を発した菅谷市長は、「生産者は本当に気の 毒」としたうえで、特に子供や妊産婦は放射性物質が検出された野菜や牛乳は摂取を控えるよう強く促した。「体に入ってからでは遅い」というわけだ。

   菅谷市長は以後も、メディアを通じて内部被ばくを回避するよう訴えているが、市の職員に対しても「内部被ばく量はここまでなら大丈夫、という科学的データはない」と、その危険性を常々語っているという。

   今 回の給食の措置について、市側から大々的にピーアールしたわけではない。そのためか、地元住民からも「知らなかった」という声があがる。松本市在住で小学 5年生の娘を持つ男性もその1人だ。その理由として「もともと長野で採れる野菜や果物は多いので、給食の食材の産地もそこまで神経質にならなかった」と話 す。

   長野はレタスやセロリ、りんご、ぶどうなど生産量が全国1、2位を争うものも多い。実際に学校給食課は、「給食に使われる野菜は県内産が7割」と説明した。県内産の農産物からは、放射性物質は不検出が続いている。

   またこの男性は、菅谷市長がチェルノブイリ原発事故の医療にかかわっていたことは、市民の間でよく知られているという。その道のエキスパートである市長が学校給食に配慮しているとなれば安心、との信頼感もあるようだ。