All Things Must Pass

森羅万象 ~ 歩く印象派

石坂浩二さんがプラモ同好会「ろうがんず」結成

2009年05月18日 03時41分08秒 | プラモ屋へ行きたい 空モデルひとすじ
5月18日2時58分配信 産経新聞

 俳優の石坂浩二さん(67)は知る人ぞ知るプラモデルファン。模型歴は何と50年以上という筋金入りだ。今年、自ら中年世代の愛好家を募って「ろうがんず」なる同好会を結成し、仲間とともに静岡市で17日まで開かれた第48回静岡ホビーショー(静岡模型教材協同組合主催)の「合同作品展」に初出品した。

 昭和33年に国産プラモデルが誕生して50年を超えた今、当時の「プラモ少年」は“老眼世代”になった。

 一方で、プラモデルの世界は精密さを追求し、メーカーの技術向上や情報量の増大に伴って部品の細密化が進む。ユーザー側にも「実物通り」の仕上がりを追求する傾向が強まり、モデラーとしては例えば小さなネジ一つまで“忠実に再現”し細部に至るまで実感的な塗装をしなければ気が済まない。

 長年のファンは、老眼鏡や拡大鏡を頼りに苦心して製作する状況だ。こうした中、老眼世代のモデラーを自任する石坂さんは会を通じて「原点に返ってもっと気楽にプラモデル作りを楽しもう」と一石を投じたい考えだ。

 16日、会場で記者会見した石坂さんは「仕事を離れる世代の人で、もう一度プラモデルの世界に帰りたいという“出戻り”の人たちの手助けをしたい」と同好会発足の動機を熱く語った。

 「プラモデルは、僕が中学生のころはもっと簡単にできた。そんな経験をした人がこの世界に戻っても、細かくてどう組み立てればいいのか分からないということになっている」と石坂さん。

 会では、プラモデルを作るときにどんな老眼鏡をかけたらいいかという提案や、組み立てる喜びをストレートに味わえる入門的な製品の開発をメーカーに求めていきたいという。

 絵画や料理など、多彩な趣味を持つ石坂さんだが、プラモデルには強い愛着を感じるようだ。

 「毎日のように作っていますよ。朝やると遅刻する恐れがありますから、仕事から帰ってですね。(作りかけを)出しっ放しにしておくようにカミさんにも言ってあるんです。寝るまでの2時間のうち、1時間半はやっているんじゃないでしょうか。外国に行くときも持って行きますよ」と屈託ない。

 趣味が高じてキットを作り切れないほど抱えてしまうファンも少なくない中、石坂さんは作って楽しむ正統派だという。それでも、自宅にある“在庫”は「貴重なやつとか懐かしいのもあって、死蔵に近いのは500個くらい。作ると決めたのは100個くらいある」とか。「目は老眼になっても手先は衰えないから作りますよ」。

 会見の後、国内外の約160の愛好会が作品を持ち寄った「モデラーズクラブ合同作品展」の会場を見て回り、参加者に気さくに話しかけるなどして実に楽しそうに過ごした。

 石坂さんは、今回初めて「ろうがんず」の一人として第二次大戦で使われたドイツの戦闘機「FW190A8」のプラモデルを使ったジオラマ「かっこいいのはドイツかな?」を出品。異なる模型メーカーの3機を並べた力作で、その作品のでき映えを人形の空軍兵士らが審査している情景だという。「(このうちの)一つがものすごく難しくて2機捨てました。3機目でやっとうまくいった。そんなことで丸2カ月くらいかけました」と目を細める。

 「ろうがんず」の発会人メンバーは石坂さんを入れて会社員や著述業、カメラマンら7人。横浜市内に事務所を置き、すでに模型誌などで新会員を募集中。「6月末あたりに新会員を決める」という。

 石坂さんは「『ろうがんず』の名の下、老眼になってもプラモデルに挑もうという人たちを仲間に迎え、将来は全国に分会を設立したい」と意気込んでいる。

    ◇

 同会への参加希望者は小文「私のプラモデル」を添えて、〒225-0002 横浜市青葉区美しが丘2ノ20ノ1美しが丘アレービル302号「ろうがんず」へ。「当初は横浜に近い方」限定で、発会人総会で決めるとのこと。