映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン  I COME WITH THE RAIN

2009-05-25 | 映画 あ行
ジョシュ・ハートネット、イ・ビョンホン、木村拓哉主演のフランス映画、
6月6日全国公開、5月27日に舞台挨拶付きワールドプレミアが予定されています。
試写会で見てきました。


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  アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン   I COME WITH THE RAIN

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男たちの運命は、美しく、切ない・・・
いままで見た事のない 美しい男たちの競艶!!
各国を代表する"美しき男”たちが、かつてない表情を魅せるー、
魂が火照る衝撃のノンストップ・サスペンス!


ってキャッチフレーズだけれど・・・
殊更に美しいが強調されてます。

でもこの映画、美しい?切ない?っていう映画かなぁ?

国境を越えたキャスト、スタッフが集結し、
人間の想像をはるかに超える化学反応を生み出した!!

とか
役者としての前代未聞の挑戦を繰り広げる3人の運命の交錯は、
たとえようもなくスリリングで、官能的なまでにデンジャラスだ。


などという、コピーが躍っているけれど・・・
正直な感想は、何じゃこりゃ?

     

 < ストーリー >
他人の痛みや傷を引き受けることができる不思議な力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪し、
父親から捜索を依頼された元刑事で探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は、彼の足跡を追って
ロサンゼルス、フィリピン、そして香港へと渡り旧友の刑事に協力を仰ぐ。
クラインは刑事時代猟奇的な犯罪者との係わりでトラマウを抱えていた。
シタオはマフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)の愛人リリという女性を助けていた。
マフィアと警察の抗争に巻き込まれながらシタオ捜索を続けるクラインはやがてシタオを見つけるが…。

全編痛い・・・ウォーとかギャァーとか、美しい男たちが傷つき、苦痛に顔を歪める。
目を覆うシーン、血だらけです。

他人の痛みや傷を引き受ける不思議な能力・・・?
そうそう、小池徹平ちゃん、玉木宏主演「KIDS」って映画、未見ですが
たしかそんな設定じゃあなかったっけ?

全ての人の苦痛を身を挺して引き受けるシタオはキリストを思わせ、果ては・・・
あれ、復活?それとも不死身
ってことは、冷血漢ドンポはキリストをゴルゴダの丘で磔刑にしたユダヤ人?ローマ総督ピラト?
リリはマグダラのマリア?じゃあ探偵クラインは?
      ビルを見上げると空が十字架の形に・・・
  
死体でアート?(気持ち悪いです)を創る猟奇的な犯罪者の台詞や、
建物を使って十字架をイメージさせる映像、十字架に磔など、
キリスト教色が濃厚ですが・・・、私にはようわからん。

じゃあ、この映画を紐解く鍵はタイトルにあるのでは?と、
「I COME WITH THE RAIN」と聞いて何を思い浮かべるかとクリスチャンの友人に聞いてみました。

曰く、「雨」はキリスト教では色んな意味を持っている。
特に神の恵み「BLESSING」を示すと言うのです。
また、時にはノアの箱舟のように全てを洗い流す災い「CURSE」の意味もあると。

ググッてみると・・・、目からうろこが!
「聖書には約80回雨の引用があり、聖書の世界たる砂漠での雨は恵みのしるしでもある」と。
農業関係でないかぎり、雨の日って「うっとおしいなぁ」としか思えない現代日本人にとって、
雨が神の恵みって発想はなかなかないよね~。

創世記には雨について「深淵の源がことごとく裂け、天の窓が開かれた」とあり、
天界にたたえられた水が天にあけられた穴から流れ出るのが雨だそうです。

「山上の垂訓」にも有名な「右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい」に続いて、
「敵をも愛しなさい。天の父(神)は、悪い者の上にも良い者の上にも太陽をのぼらせ、
正しい者にも正しくない者にも、雨を降らせてくださるから」と。

う~ん、映画の中で雨のシーンって幾つかあったように思うけれど・・・
シタオ(キリスト)の登場シーン「I COME WITH THE RAIN」だったっけ?

雨のシーンと、猟奇的犯罪者の台詞に注目してもう一回見たら理解が深まるかも?ですね。

やっとシタオを見つけた探偵クラインは、果たしてシタオに救われるのかな?

Don't be afraid of me. 不死身のシタオはどこへ行く?


ベトナム生まれでフランスへ亡命したトラン・アン・ユン監督は
カンヌやヴェネチアにて受賞歴のある有名な監督だそうですが、拝見するのははじめてです。
大学で哲学を専攻されたそうで、この映画にも哲学的なメッセージが込められているのかなぁ?

次回作は村上春樹氏の「ノルウェーの森」だそうです。

一つ言えるのは「美しい」を強調する映画ではないということ、
キムタクファンとか、イ・ビョンホンファンっていうノリで行くと、ビックリ~、ショック~かもしれません。

イ・ビョンホンの鍛え上げた腹筋割れのマッチョな肉体が妙に強調されてました。
まさに、「脱いだらスゴイんです~!」
   
  冷酷無比、手は血まみれ・・・
  

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (bhjw)
2009-05-25 15:07:12
初めまして、イ・ビョンホンさんのファンです。この映画は撮影終了から一年以上かかったの公開なので、
とても待ち遠しいです。
イ・ビョンホンさんは多様なジャンルの作品に挑戦していますので、ファンは大概のことは慣れて来ていますが、この映画は容赦なく極悪な役と聞いたので、私はわくわくしていますが、苦手な人はいるかもしれませんね。まぁ~万人受けな映画じゃない事は確かのようですね!
でも、イ・ビョンホン=甘いイケメン、キラースマイルの方のほうが、この映画を観たら衝撃を受けると思いますが、台詞の少ない役ですが、英語での演技が楽しみです。
レビューありがとうございました。
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はじめまして! (bhjwさんへ(ryoko))
2009-05-26 01:21:25

イ・ビョンホンさんのファンなのですね。残念ながら本作ではキラースマイルはありません。無表情な冷血漢です。
イ・ビョンホンさんってそんな多様なジャンルに挑戦しておられるのですか?大概のことは慣れてきてってことは、こういう役柄も初めてではないのですね。
彼の作品は映画3本、TVドラマ1本くらいしか見たことがないので・・・、すみません。
英語の台詞はジョシュ・ハートネット(あたり前ですね)とショーン・ユー(香港の俳優さんで、「インファナル・アフェアー」でトニー・レオンの若き日を演じてました)の台詞が多かったです。
本作鑑賞後、感想などお聞かせいただければうれしいです。
こちらこそ、コメントありがとうございました。
返信する
はじめまして (lee_milky)
2009-05-26 11:09:03
興味深く読ませて頂きました。
特に、クリスチャンのお友達に質問されてタイトルに込められた意味を探るあたり、さすがプロは違うと思いました。
映画を観るにあたり、いろんな意味で心構えが出来て良かったです。
最後になりましたが、こちらの記事を私のブログにリンクを貼らせて頂きました。
事後承諾、申し訳ありません。
返信する
参考に (bhjw)
2009-05-26 12:05:24
こんにちは、役柄についてですが、本格な悪役は去年韓国で公開した(日本は今年8月末に公開予定)いい奴、悪い奴、変な奴が初めてです。撮影開始が延びてと2作同時進行で敦煌と香港を何回も往復して完成させたのことです。8月7日に公開されるアメリカ映画(G.Ⅰ.joe)も悪役です。
危ない役柄は(ひまわり)二重人格者、(彼らだけの世界)人殺しのチンピラ、(美しい夜 残酷な朝)の偽善な監督が挙げられます。他に警察、ボクサー、野球選手、スパイといろんな職業の役もジャンルも多様で観る側を飽きさせない俳優です。良かったら、ご覧になって下さい。
長くなりまして、すみません。本作鑑賞後、またお邪魔します。
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コメントありがとうございます。 (lee milkyさま(ryoko))
2009-05-26 20:43:54

私はプロではありません。プロになりたいなぁ~と思っているアマです。
この映画を見終わって、あれこれ考え込んでしまいました。どんな映画か、全く知識なく見たもので、?が頭の周りを飛んでました。
そこで、やっぱりタイトルに意味が込められているはずだと雨がキリスト教ではどのような意味があるのかと調べてみたというわけです。

lee milkyさんもイ・ビョンホンさんのファンでいらっしゃいますね。「脱いだらスゴイ」は常識なんですね。失礼いたしました
色んな役柄に挑戦し続けているビョンホンさんをご覧になった上で、この映画の感想などお聞かせいただけたら嬉しいです。

リンクありがとうございます。
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ありがとうございます。 (bhjwさんへ(ryoko))
2009-05-26 21:11:35
情報ありがとうございます。
「JSA」と「誰にでも秘密がある」くらいしか見ていないので・・・危ない役柄にも積極的に挑戦するチャレンジャーですね。
悪役をやられるとは知らなかったので、本作を見てちょっとびっくり。無表情で非情ですが、リリという女性を愛するという役どころです。
「G.Ⅰ.joe」では忍者役なのですか?

韓ドラでは「1%の奇跡」「マイガール」「チャングム」ははまりましたが・・・、ビョンホン出演作にも挑戦します。
鑑賞後、お待ちしてま~す。
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Unknown (bhjw)
2009-06-08 00:11:10
こんばんは、昨日朝から二回観ました。一回目は進行が遅く感じました。二回目は楽しめました。

一回目はクライン目線で観ていたので、息苦しく進行が遅く感じました。二回目は第三者目線で観たので、細かい所も見えました。演技については、さすがイ・ビョンホンって感じですね。極悪なのに、愛する人に関しては少年あるいは子供のような純粋さを持っている、思わず抱きしめたくなる。最後、木村さんとのシーンは圧巻ですね、彼の涙はどれだけ地獄を経験して来たかを表したような気がする、赦さなくてもいい
でも誰かに、そう言って欲しかったのかも知れない。

他の共演者も良かったです。長くなりますので、BHさんよりの感想になりました。また、観たいというのは今の心境です。来週あたりもう一回観ます。
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こんばんは~!! (bhjwさんへ(ryoko))
2009-06-08 02:00:56
バック!
再々コメントありがとうございます。
早速初日、それも2回もご覧になったのですね~!
来週もう一回ですか!!!
筋金入りのイ・ビョンホンファンですね
>彼の涙はどれだけ地獄を経験して来たかを表したような気がする、赦さなくてもいい、でも誰かに、そう言って欲しかったのかも知れない。

なるほど、そういう深い意味を込めた涙ってことなのですか。
何の情報もなく見たので、何じゃこりゃ~でしたが、もう一回見ないとダメかなぁ?
シタオはこの後何処へ?
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Unknown ()
2009-06-09 21:31:48
初めてコメントさせて頂きます。観終わってすぐには頭の整理が出来ず、ずっと考えて夜に気がつきました。最後に通りがかりのアーティストの言った台詞。「主は己の心の中にある・・」みたいな(違うかもしれませんがそんな意味の事でしたよね?)あれは全ての人間がシタオになれると言う事なのかなと。外国ではよく怪物の様なサタンが出てきたり、スーパーマンの様な聖人だったりして違和感があったのですが、シタオはごく普通の人。ただ自分に何が出来るかに気が付いた人なのかなと思いました。私もシタオになれる?そう考えたらこの監督から世界へ向けての凄いメッセージじゃないかと鳥肌がたちました!世界中の醜いものを洗い流すメッセージ。子どもたちの未来を変えれるかもしれない・・。そんな風に受け取りました。来週にでももう一度観ようと思います。
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はじめまして!! (Rさんへ(ryoko))
2009-06-10 00:41:30
コメントありがとうございます。
考え込みますよね~。通りすがりのアーティストはそんなことを言ってました?!やはり、この映画は一回ではわかりませんねぇ。
私は、普通のシタオに特殊な力があり何度も復活するところに「ありえな~い」違和感を感じてしまいました。
果たしてドンポやクラインは救われたんだろうか?
シタオはどこへ行くのか?
謎のままです。
新たな発見がありましたら、ご教授いただきたく宜しくお願いいたします。
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