映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

黄金のアデーレ  名画の帰還 Woman in Gold

2015-12-11 | 映画 あ行
クリムトの絵は金箔に彩られ妖しく、セクシーでゴージャスです。
  
 まずは「接吻」   アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ
本作は真ん中の「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」を巡る物語。
個人所有の絵画がナチスに没収され、戦後「Woman in Gold」のタイトルでオーストリアの
美術館に長年所蔵されていたもの。国家相手に絵の返還を申し立てる女性の実話に基づく
ストーリー。
戦争とは惨いもんです。


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       黄 金 の ア デ ー レ   名 画 の 帰 還

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             クリムトとモデルとしてポーズをとるアデーレ

 < ストーリー >
1998年@LA。洋品店を営むマリア・アルトマンは姉ルイーゼの遺品から、オーストリア政府に
対し叔母の肖像画の返還を求めようとしていたことを知る。法改正で過去の訴えの再審が
行われるのに間に合わせようと、友人の息子ランディ・シェーンベルクに弁護を依頼するが…。

美術の教科書などで目にしていた絵画に、こんなドラマがあったとは!
自分の伯母さんがクリムトの絵画のモデルというか、クリムトに妻の絵を描かせたというのが
凄いですわね。マリアの実家が当時どれほど裕福な一族だったかがうかがえます。
映画はオーストリアで幸せに暮らしていた若き日のマリアが、ナチスの台頭で財産を没収され
収容所送りになるところを間一髪命からがらアメリカへというストーリーと、
半世紀を経て家族の絵を取り戻すためにアメリカからオーストリアへ出向き、政府を相手に
裁判に臨むというストーリー。
二つのストーリーが、時代を変え、二つの国をまたいで進行します。
   若き日のマリアと夫はアメリカへ
         
               裁判に臨むマリアとランディはオーストリアへ

最近、第二次世界大戦のナチスドイツにフォーカスした映画を4本、立て続けに見ました。
顔のないヒトラーたち」「ヒトラー暗殺、13分の誤算(書きかけです)」「ミケランジェロ・プロジェクト」に
本作。
いま何故、ナチスに関連する映画がこんなに次々公開されるのでしょう?
「顔のない…」と「ヒトラー暗殺…」はともにドイツ映画です。

ナチスの台頭により、反ユダヤに傾きユダヤ人に敵意を示し排斥する普通の市民たち。
急激に変貌していく街の雰囲気が恐ろしい。

   マリア@オーストリア
オーストリアに帰ることは、記憶の奥に封印した恐ろしい過去に引き戻されること。
どれほど辛く苦しいことでしょう。
それを押しても取り戻したかったのはアデーレの絵というよりもユダヤ人としての尊厳と誇り。
8年に及ぶ法廷闘争を二人三脚で戦ったマリアと若き弁護士ランディはともにオーストリアの
ユダヤ人というルーツを持つ。アメリカで生まれ育ったランディだが、裁判を通して迫害され
アメリカに渡った音楽家の祖父シェーンベルクを想い、次第に自らのルーツに目覚めていく。
ドイツのみならず、オーストリアもナチス占領下でユダヤ人排斥に加担したという暗い過去を
引きずっていることが一枚の絵の所有を巡る裁判の過程からうかがわれます。
      
     二人を助けるジャーナリスト・チェルニンの父は元ナチス親衛隊。
     演じるのはドイツ人俳優ダニエル・ブリュール。 

そういえば誰もが知るミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐は
ナチス協力を拒んだことで追われ、一家で祖国オーストリアを出てスイス目指してアルプスを
越えたのでした。あれも実話に基づくストーリーでした。
あれ?ヒトラーって、もともとオーストリア人じゃなかったっけ?


演技の確かさと気品は言うに及ばず、素のヘレン・ミレンもカッコいい!
男優は年を重ねて渋くなる人はいらっしゃいますが、老いて一層素敵な女優さんは稀有です。
      

若き弁護士を演じるライアン・レイノルズ。
2010年ピープル誌に「もっともセクシーな男」に選ばれたとはいえ、いまひとつ日本での認知度は
低いです。スカーレット・ヨハンソンの元夫とか「アデライン、100年目の恋」主演のブレイク・ライブリーの夫っていうイメージが強いけれど、この人、なかなかいい役者さんです。
一見頼りなさそうな雰囲気から、徐々に精悍な顔つきに変わっていく演技がいいのよ。
あまりヒットしなかったけれど「デンジャラス・ラン」もよかったと、私は個人的にライアン押してます。

    
     裁判には勝ったけれど、マリアの心中に去来するのは…。

非常に見ごたえのあるお勧めの映画です。



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 ***** 見た 映画 *****

 12月 1日 「黄金のアデーレ 名画の帰還」@TOHOシネマズ海老名
 
 12月 9日 「パレードへ行こう!」DVD

 12月10日 「イタリアは呼んでいる TRIP TO ITALY」DVD


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