昨日の即時荷重インプラント、同時骨造成GBRと歯肉造成手術のご報告です。
ご覧の通り、腫れも痛みもありませんでした。
痺れとか麻痺もないそうで、ホッとしました。
辛い思いをされる手術、やった後でこんな筈ではなかった、と言う手術はしたくありません。
有り難いことに今回も上手く行けたようです。
歯医者は基本的に嫌われます。
何故なら、痛くされると思われているからです。
痛くしない為の麻酔の注射自体が嫌で、その先の治療なんて考えもできない、なんて方も少なくありません。
しかし、本当に痛くしない治療をすること、はできるんです。
それはシンプルです。
まず麻酔の注射を痛くしない。
そして、治療自体も侵襲が小さく、速やかに治って、麻酔が切れた後でも痛く無いように治療をする、と言うことです。
文章に書くとシンプルです。
では、具体的にどうすれば良いのか?
まず、麻酔の注射ですが、必ず表面麻酔をしっかりとすることです。
それから、麻酔する時に、粘膜の表面を覆っている角化層にだけ針先を入れて、ゆっくりと麻酔液を入れて行きます。
角化層には実は痛覚神経は来てないんです。
簡単に言うと、角化層とは皮膚粘膜の表面層のことです。
そこに痛覚神経が来ていたら、風が当たったり、モノに触れたりするだけで痛みを感じて仕方がなくなり、それでは生活ができない為に来てないんです。
その層の厚みはほんの少しですが、その層にだけなら表面麻酔も要らないくらいなんです。
そして、角化層のすぐ下に真皮層が来ていて、そこには神経末端が来ていますから、そこを刺激すると痛むので、表面麻酔を浸透させて置けば良いのです。
で、角化層内に納まるように麻酔液を入れ、真皮の中に浸潤して行くのを待ってから針先を進めて中に麻酔液を入れれば、痛くなく麻酔ができるんです。
これらを手順をしっかりと守って、麻酔の効いている範囲を広げて行けば、麻酔は痛くなく必要な範囲までできます。
チャンとできていれば、麻酔されてる感じと言うよりも、痺れてる感じがじんわりと広がって行く感じがするだけで済むんです。
残念ながら、この痺れて行く感覚が痛い、と言う患者さんの場合には、それでも痛い、と言われてしまうかも知れませんが、痛覚神経を刺激しないでする方法は上記の方法でできます。
その先の治療、手術は、ひたすら生体の侵襲を小さくすること、を考える、です。
コツを言えば、腫れないように考える、です。
腫れない、は出血させないと言うか、させ過ぎない、ことに留意する、と言うことです。
そうすれば、私が実例で上げているような術後経過を出せるようになります。
今日の親知らずの抜歯は上下で行いました。
このような状態の時には、私は上下で抜かせて下さい、とお願いすることが多いです。
これで、下だけ先に抜いてしまったりすると、上の親知らずが傷口に刺さるように当たったりして、痛くなったりするからです。
今日の親知らずは、根っこが膨らんでいる形状をしていましたので、歯根自体を2分割にして抜きました。
なかなか難しくて手こずったので、明日の状態が少し心配です。
明日の麻酔が完全に切れていて、感覚が戻った時に辛くないように祈っています。
インプラント、歯周再生外科、親知らずの抜歯など、どうしても外科になるのは仕方がない、と言うモノであっても、患者さんにできるだけ痛い思いをさせたくない、辛い思いをさせたくない。
そして、嫌な手術だからこそ、1回限りで終わらせて差し上げたい、と私は願っています。
それを2003年の恩師ラム先生から授けていただいて、研鑽して来ました。
どうしたら痛くない手術をできるのか?腫らさないようにできるのか?1回限りで終わらせられるのか?綺麗に早く治るのか?それだけをひたすら自分の道と信じて。
今日の患者さんも、無事に治って下さることを心から祈って終わりにします。
又、明日ご報告します。
インプラント治療の効果の高さが、徐々にですが認められて来ました。
しかし、やはり骨を削るとか造るとか聴かされると、患者さんはそら恐ろしいモノ、と思って躊躇してしまう方がまだまだ多いのです。
それを解決するには、できる限り痛くしないこと、が最重要になる、と私は考えています。
手術は勿論のこと、手術後の経過中でも、できる限り痛くしないで過ごせるようにして差し上げる、そのことが最も重要だ、と考えていると言うことです。
良くインプラント治療の痛みを与えない方法として、静脈内鎮静法と言う全身麻酔に準じる方法が論じられますが、それでは術中は痛くなくても、覚醒した後、局所麻酔が切れた後の痛みをどれだけ小さくできるのか?まで気を使っている先生は少ないように私には感じられて仕方がないんです。
術中が痛くなく、眠っているようであっても、それは何時までも続いて痛みを低くしてくれる訳ではないんです。
それを解決するには、手術の仕方自体を改善するしかありません。
徹底的に痛くしない手術を行う、と言うことです。
結論から言うと、徹底的に痛くない手術をすると言うことは、できる限り小さく、綺麗で丁寧な精密な手術をする、と言うことなんです。
そのことを私は2003年から一所懸命に研鑽し、追究して来ました。
そして、難易度のとても高い下顎の親知らずの抜歯でも、何とかできるようになりました。
この親知らずは、最近行った下顎の親知らずの抜歯です。
抜歯は非常に難易度の高い手術でしたが、無事綺麗に抜くことができました。
問題は、痛みをどれだけ抑えられるのか、です。
で、こちらのお顔が翌日のお顔の状態です。
一般的には、このような難易度の高い親知らずの抜歯の翌日は、お顔はパンパンに腫れてしまったりします。
腫れが低く抑えられていますので、痛みの方も普通にお喋りができる程度に小さくできました。
殆ど痛くない、と翌日の段階では言っていただけました。
その後、1週間で再来院され、状態を拝見しましたが、お顔の状態も普通で、大丈夫です、と言って下さってました。
但し、手術の翌々日からお顔が腫れ、痛みも多少あった、と言っていました。
でも、痛み止めを服用することで、大丈夫でした、とにこりとしながら言って下さいました。
従来の術後経過から考えると、痛みを低く抑えることができて無事に乗り切れた、と言って良い、と思います。
この手術のように、私が行う手術は全て痛みを抑えること、患者さんに苦痛を与えないこと、に全力を傾けてしています。
インプラント治療の最大の障害は一番最初に書いたように、痛くしない、術後経過でも安寧で過ごせること、が不透明であることです。
そこの不透明な部分に対して、私は誰よりも配慮して治療を行っている、とお約束します。
生意気ですが、今日症例として上げた、下顎の骨に水平に埋まっている親知らずの抜歯は、通常とても患者さんにとって大変で、苦痛を伴う手術になっていたものです。
それでも、私はここまでのことができます。
明日も、同じような手術を控えて、シュミレーションに相当に時間を掛けています。
どうすれば痛くしないで済むか、辛い思いをさせないで済むか、をです。
いつもいつもそうしています。
そうすることでしか、患者さんとのお約束を守れない、と信じているからです。
明日も、一所懸命頑張ります。
それでは、失礼します。
最後の詰めのシュミレーションをさせていただきます。