家電量販店やショッピングモールなど、色々な場所で販促イベントを見かけるようになったウオーターサーバー。
実際どのようなメリットとデメリットがあるのか‥‥? CMとかで見かけるとちょっと考えてみた。
「サーバーのレンタル代はずっと無料」「かかるのは月々の水代のみ」‥‥そんな売り文句を一度は聞いたこ
とありませんか。 ウオーターサーバーは定期的に宅配される水の入ったボトルを機器にセットすることで
冷水と温水を飲むことができるというもの。
日本宅配水&サーバー協会によると、2022年のウオーターサーバーの出荷数は482万台。 過去15年
間で約7倍になった。 ホテルや温泉施設だけでなく、家庭での利用が拡大している。
注目され始めたのは1990年代後半。 コンピューターが誤作動を起こすとされた「2000年問題」が浮
上し、水道水の供給不安が広がった。 「このときにミネラルウオーターの買い占めが起こり、水を買うこ
とへの心理的抵抗がグッと減った」(同協会事務局長の“芹沢さん”)。 同じ時期に登場したウオーターサーバー
の需要も右肩上がりで伸びていった。
「ウオーターサーバーの人気は震災も関係している」と業界大手、プレミアムウオーター(東京・渋谷)広報の
”輿風さん”は話す。 東日本大震災など災害時には、水道などのインフラが止まった。 「水が定期的に
届くため、日常で消費しながら非日常にも備える『ローリングストック』ができることもあって利用が広
がった」(輿風さん)。
気になるのは料金。 メーカーごとにプランが異なり、月々の費用は分かりにくい。 ペットボトルで購入
した場合とウオーターサーバーをレンタルした場合、1人分で1カ月あたりどの程度の費用がかかるのか
計算してみた。 厚生労働省によると、体重60㌔㌘の成人男性が1日に必要な飲み水は「約1.2㍑」。
1カ月なら約36㍑必要だ。 2㍑入りのペットボトルのミネラルウォーターだと、必要な本数は18本。
1本あたり約130円で計算すると、月に2340円程度になる。 一方、ウオーターサーバーは「12
㍑入りを2~3本購入するケースが最も多く、1本1000~2000円」(芹沢さん)だ。 加えて、月
々貸し出されるサーバーのレンタル代がかかる。 高いと月2000円ほどする。
水を温める場合は電気代がかかる。 ウオーターサーバーは電源につなげば冷水や温水が出てくる仕組みで
月500~1000円ほどだ。 ミネラルウォーターは電気ケトルなどで沸かす必要がある。 量や時間
によって電気代は変わるが、仮に消費電力1200㍗の電気ケトルで、1㍑の水を1日2回沸かす場合(
湯沸かし時間は1回5分)の電気料を考えてみる。
1回あたりの電気代は消費電力(㌔㍗)x使用時間(時間)x料金単位(円 / ㌔㍗アワー)で計算できる。
関東電気保安協会の料金単価を参考に計算すると、1回あたり約2.2円かかる。 月にすると131円
程度。 手間はかかるものの費用は抑えられる。
これらを合計すると、1カ月あたり約36㍑だと総額の目安(概算)は、ミネラルウォーターが2500円
なのに対し、ウオーターサーバーが3000~7000円。 料金面ではミネラルウォーターに軍配が
上がる。
一方、ウオーターサーバーはカップラーメンも作れるほどの熱湯がすぐに出てくるなど、若い世代を中心
に「利便性が高い」との声も多い。 JR川崎駅近くで販促イベントを実施していた販売員によると「
興味を持つのは、生まれたばかりの赤ちゃんや幼い子どもがいる若い夫婦がほとんど」。 乳幼児のミ
ルク作りなど、お湯の使用頻度が多い家庭はウオーターサーバーに助けられる場面もありそうだ。
ただし、最も注意すべきなのが「解約料」だ。 13年には強引な営業や、契約内容を十分に説明せずに
契約させられたといった苦情が相次ぎ、消費者庁が業界に業務改善を要望した。 芹沢さんは「業界全
体で見直しは進んでいるが、契約前に説明をせず後から解約料を請求してくるケースもまだある」と警
鐘を鳴らす。
昨今はポット型の浄水器の人気も高まっている。 一度購入すれば、定期的にカートリッジを交換すだけ
で済むため比較的安価だ。 ただ、浄水は消毒作用がある塩素まで除去してしまうため、常温で長時間
放置すると雑菌が増殖するリスクがある。
それぞれの特徴を押さえた上で、どれを選ぶか慎重に検討する必要がありそうです。
実際どのようなメリットとデメリットがあるのか‥‥? CMとかで見かけるとちょっと考えてみた。
「サーバーのレンタル代はずっと無料」「かかるのは月々の水代のみ」‥‥そんな売り文句を一度は聞いたこ
とありませんか。 ウオーターサーバーは定期的に宅配される水の入ったボトルを機器にセットすることで
冷水と温水を飲むことができるというもの。
日本宅配水&サーバー協会によると、2022年のウオーターサーバーの出荷数は482万台。 過去15年
間で約7倍になった。 ホテルや温泉施設だけでなく、家庭での利用が拡大している。
注目され始めたのは1990年代後半。 コンピューターが誤作動を起こすとされた「2000年問題」が浮
上し、水道水の供給不安が広がった。 「このときにミネラルウオーターの買い占めが起こり、水を買うこ
とへの心理的抵抗がグッと減った」(同協会事務局長の“芹沢さん”)。 同じ時期に登場したウオーターサーバー
の需要も右肩上がりで伸びていった。
「ウオーターサーバーの人気は震災も関係している」と業界大手、プレミアムウオーター(東京・渋谷)広報の
”輿風さん”は話す。 東日本大震災など災害時には、水道などのインフラが止まった。 「水が定期的に
届くため、日常で消費しながら非日常にも備える『ローリングストック』ができることもあって利用が広
がった」(輿風さん)。
気になるのは料金。 メーカーごとにプランが異なり、月々の費用は分かりにくい。 ペットボトルで購入
した場合とウオーターサーバーをレンタルした場合、1人分で1カ月あたりどの程度の費用がかかるのか
計算してみた。 厚生労働省によると、体重60㌔㌘の成人男性が1日に必要な飲み水は「約1.2㍑」。
1カ月なら約36㍑必要だ。 2㍑入りのペットボトルのミネラルウォーターだと、必要な本数は18本。
1本あたり約130円で計算すると、月に2340円程度になる。 一方、ウオーターサーバーは「12
㍑入りを2~3本購入するケースが最も多く、1本1000~2000円」(芹沢さん)だ。 加えて、月
々貸し出されるサーバーのレンタル代がかかる。 高いと月2000円ほどする。
水を温める場合は電気代がかかる。 ウオーターサーバーは電源につなげば冷水や温水が出てくる仕組みで
月500~1000円ほどだ。 ミネラルウォーターは電気ケトルなどで沸かす必要がある。 量や時間
によって電気代は変わるが、仮に消費電力1200㍗の電気ケトルで、1㍑の水を1日2回沸かす場合(
湯沸かし時間は1回5分)の電気料を考えてみる。
1回あたりの電気代は消費電力(㌔㍗)x使用時間(時間)x料金単位(円 / ㌔㍗アワー)で計算できる。
関東電気保安協会の料金単価を参考に計算すると、1回あたり約2.2円かかる。 月にすると131円
程度。 手間はかかるものの費用は抑えられる。
これらを合計すると、1カ月あたり約36㍑だと総額の目安(概算)は、ミネラルウォーターが2500円
なのに対し、ウオーターサーバーが3000~7000円。 料金面ではミネラルウォーターに軍配が
上がる。
一方、ウオーターサーバーはカップラーメンも作れるほどの熱湯がすぐに出てくるなど、若い世代を中心
に「利便性が高い」との声も多い。 JR川崎駅近くで販促イベントを実施していた販売員によると「
興味を持つのは、生まれたばかりの赤ちゃんや幼い子どもがいる若い夫婦がほとんど」。 乳幼児のミ
ルク作りなど、お湯の使用頻度が多い家庭はウオーターサーバーに助けられる場面もありそうだ。
ただし、最も注意すべきなのが「解約料」だ。 13年には強引な営業や、契約内容を十分に説明せずに
契約させられたといった苦情が相次ぎ、消費者庁が業界に業務改善を要望した。 芹沢さんは「業界全
体で見直しは進んでいるが、契約前に説明をせず後から解約料を請求してくるケースもまだある」と警
鐘を鳴らす。
昨今はポット型の浄水器の人気も高まっている。 一度購入すれば、定期的にカートリッジを交換すだけ
で済むため比較的安価だ。 ただ、浄水は消毒作用がある塩素まで除去してしまうため、常温で長時間
放置すると雑菌が増殖するリスクがある。
それぞれの特徴を押さえた上で、どれを選ぶか慎重に検討する必要がありそうです。