農業じゆう人

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「無花粉」植え替え推進

2024年09月06日 12時39分26秒 | 雑学
  自治体が花粉症対策で、無花粉のスギやヒノキへの植え替えに力を入れている。
  富山県は無花粉スギの苗木の生産量を2026年度に23年度比で2.4倍に増やす計画だ。
  神奈川県は無花粉ヒノキの生産を拡大する。 来シーズン以降にも備え、植え替え促進
  には担い手づくりや国産材の需要拡大に取り組む必要がある。

 富山県は全国に先駆けて無花粉スギを発見し、
 「立山 森の輝き」と名付けた。 12年ごろ
 から植栽を始め、23年度は県と民間の組合
 が8万5000本の苗木を生産した。このう
 ち1万2000本を新潟県や福井県などの近
 隣県に出荷した。寒さに強く成長が早い点が
 評価されている。 今後は挿し木で生産量を
 増やし、26年度からは20万本に増産する
 計画だ。これまでは種から育てていたため、
 2分の1の確率で花粉のあるスギができていた。
  挿し木で増やせば全て無花粉になる。 現在は県の採種園などで挿し木の親木を育て
   ていて、富山県内で1万5000本を育成中だ。

  東京都は多摩地域に適した無花粉スギの開発を進めている。 23年までに4品種を
   開発した。 27年度までに安定的な種や苗を生産するための技術を確立する計画。
  無花粉スギの苗の価格は一般的に通常の苗より2倍程度高いとされる。 植栽コスト
   が増えるため、福島県郡山市は24年度に苗代の差額分を造林事業者に補助する事
   業を始める。 苗1000本分、0.4㌶分を対象とする。

  花粉症の原因はスギだけではない。 ヒノキ花粉に悩む人もいる。 神奈川県は22
   年に全国で初めて無花粉ヒノキを品種登録した。 県が種を民間事業者に提供し、
   今春は500本の苗が出荷された。 苗木を増やしている段階で、数年内に年30
   00本の出荷を目指す。  

  国内では少花粉のスギが先行し、最近は無花粉も普及の兆しが見えてきた。 成長
   速度や材質など林業に適した特性も必要であり様々な品種がある。 林野庁によ
   ると、花粉の少ないスギ苗木の生産量は21年度に1512万本と、10年前の
   11倍と大きく増えた。 全体に占める割合は53%だった。 
  生産は増えてきたが、植え替えは進んでいない。 全国のスギ人工林(440万㌶)
   で作業を終えたのは推計で1%に満たない。

  東京都は06~21年度に690㌶を伐採した。 それでも都内のスギやヒノキの
   人工林の2%程度にとどまる。 都森林課の”鎧課長”は「森林所有者の9割が5
   ㌶未満の小規模所有者だ。 相続で所有者が不明なケースもあり、まとまった面
   積を伐採できない状況」と話している。 スギ人工林の伐採・植え替えの加速に
   向け、都道府県は集中的に進める「重点区域」を設定した。 林野庁によると2
   月時点で98万㌶に上り、全体の2割にあたる規模だ。 国は林道の整備や植え
   替えにかかる費用を補助する。
  植え替えを進めるには、担い手の確保が欠かせない。 宮崎大学の“藤掛教授(林業
    経済学)
”は「植え替え作業は機械化が進んでいない」と話す。「伐採量を増やせば
   需給のバランスが崩れ、木材価格が下がる恐れもある」ことから、国産材の需要
   拡大に向けた取り組みも必要になる。
   花粉の皆さん。 このような症状緩和に向けた「抜本策」も検討されています。