話題は当然Mのこと。私の趣味のパン作りのことはいっさい聞きたくないのに、夫のためにバレンタインディに作るシフォンケーキの話しはきいてほしい。
友人も驚いていた。自分の話しは全部聞いてほしい人なのね。
バカ臭いからまともには相手にはしなかったけど…。
あの人がトラウマだというものがトラウマになるとしたら、この世の８割がたは被虐待児になってしまう。あほくさくて聞いてられなかった。いいそびれたけど、Mと会ったとき「私、安全基地がなかったの」と、真顔で深刻に告白されて、あごが落ちてしまった。友人もたくさんいて、結婚生活もけっこう長いのに？母親が病弱で子どもの頃おばあちゃんに少しの間あずけられただけなのに？殴られたことも１度もないのに？
この私がペルソナをつけそこねるなんて…そのことに私自身が驚いてしまったくらい。鼻で笑っちゃう。
それを重大なこととして訴えたいのなら、それは自分の努力不足のせいでしかないよ。たんなる甘え。自分ひとりで無理なら、いろいろ探せばいい。あの程度の傷ならあっという間に治せる癒し手は、この世にはゴロゴロしている。自分の欠点を直す努力をしさえすれば、それだけでもそうとう違うのに…。
不幸に安住してそれが幸せなんだ。でも誰も同情してくれないよ。彼女を引き受ける癒し手なんかたぶんどこにもいない。お金目当ての人だけだろうな…。類友なんだから。それでも鼻で笑ったりせずには聞いてはくれるよ。お望みのとおり。彼らにはMが札束には見えるんだから。あるいは癒し手の…癒し手だと思い込んでいる人達の自己満足を埋めてくれる道具には見えるんだから。
どこをどう巡って言葉が漏れて、夫の職にさわるかもしれないから、そういうところにはいけないの。そう言ってたくせに、あやしげな気功まで操るリンパマッサージ師にはペラペラ話す。大金はたいてね。
そうそう、そういえば「だから（漏れたら困るから）昔っから知ってる人にしか（秘密を守ってくれる）いろいろ話せないの」そうも言っていた。そのわりには似たレベルの傷を持った新しい友人にもペラペラおしゃべりして、そうとう侵入されたあげくに転勤ですくわれるという芸当で難を逃れてた。
どうぞご勝手に。
素人に怪しげな人…だったら看板かかげてるまともな癒し手を探したほうがよっぽど自分のためなのに。それが嫌なら病院にいけ。
おそらく行かない。治りたくないから。悲劇のヒロインでいられなくなるから。
思い出せばゴロゴロとでてくるけど…昔、聞いた別の人の話し。自分は全く悪いことが出来ないから夫が悪いことをたくさん。Mは本人もMの夫も悪いことはしないけれど、まわりにそういう人達を置いて補償してるんだろうな。それで自分たちが清廉潔白でいられるのならこんなにめでたいことはないんだろうと思う。
それにしてもよくも恥ずかしくもなく生きていられるものだと思う。世の中の虐待の事件や無差別連続殺人なんかはMの目にはどう写っているんだろうか。どうせそれもまったくの他人のことで、将来もまったく自分にはかかわってこないことでしかないんだろう。
私が「お金があって暇だとああなるのかしら」というと、「そんなことはないは。」そうそうその友人はMよりもはるかにお金持ちで…とっても素敵な人です。
私も７年ぶりにあったからいろいろ差し引いてあげたいけど、あとからだんだん腹がたってきて…。たぶん来年の今頃、会って～ってメールが来ると思うけど、すでにお断りする予定。Mに会うなんて時間とエネルギーの無駄。
結局私はああはなりたくない！という決意宣言のようなことを言ってお別れしてきたのでした。そうとう腹がたっていたらしく数回同じ言葉を繰り返し、苦しんだり悩んだりできるほうが幸せかしらという言葉も添えて。
たぶんM夫婦アルコール依存症です。
７年毎晩飲んでりゃ、そりゃあ７年前とは別人になりますわよ。成長もしてなくて当たり前。
永遠に真実から遠ざかり…気がつけば失ったものが大きくて…失ったことにも気がつかず、ということなんだろうな。かわいそうだけど、聞く耳も持ってないので仕方がない。思ったよりも強力で私などにたちうちできる相手じゃない。そうとうの重病だね。あれは…。
謎が解けてひとあんしん。