Fioe-gras Runner's Club(脂肪肝爆走友の会)&クールミントギャグ日誌

フォアグラ・ランナーズ・クラブ(代表すいか)のランニング活動日誌&クールミントギャグ兼こけこのたべあるき日誌。

博士の愛した数式 小川洋子

2016年04月16日 06時21分29秒 | 
80分しか記憶できない博士。スーツにメモをクリップで止めてカバー。毎朝80分しか記憶できない事を宣告される残酷な現実。

博士を義弟と呼ぶ老婦人の未亡人。母屋に住む。義弟は離れにいる。17年前交通事故(居眠り運転の車が博士の運転する車に衝突)で記憶の機能に障害。母屋は立派。離れはみすぼらしい。64才、数論専門の元大学教師。痩せて猫背声は弱く動きはスローモー。昔は美男子だっただろう。白髪がせっかくの福耳を覆い隠す。いつも皮膚の1部と化したスーツを着用。スーツのあちこちにクリップで止めたメモ紙。服はひきつれたり型崩れを起したり。持っている服の数は少ない。
親は早くに亡くなり、兄が親の残した織物工場を大きくし、一回り年下の弟に学費をだした。ケンブリッジ大学卒。弟が自立すると兄は急性肝炎で急死。兄には子どもがないため、未亡人は工場をたたみ、跡地にマンションを建て家賃収集で生計をたてている。博士は数学についての考え事をしている時に声をかけると大声で怒鳴る。会話はほぼ数字についてで、他の事にはおよそ関心がない。9人の家政婦がやめた。母親よりも早くルートの病気をみつけるのに、自分は放置で発見した時はそうとう歯が腫れていた。博士の得意な事は文や単語を逆から即座に言えることと誰よりも一番星を早くみつけること。
江夏豊が好き。義姉の写真とメッセージを二重底の箱に隠していた。義妹に気持ちは伝わっていた感じ。義妹もおそらく…。未亡人は姿は見せないが博士に手を貸している。母屋との行き来は禁じている。不可解な義姉。博士とのつながりを私に邪魔されたくない。ヒミツのうちに守る。

主な登場人物は…博士と博士の義姉。家政婦と家政婦の息子のルート。家政婦の母が少し。
母は結婚できない相手の子を妊娠して出産。負けず嫌いで、営業主任になった。貧しく見えないように…習い事もさせたし、服は手作りでよいものを。父をほめるが、だったらなぜ…という疑問を家政婦は持つ。母にはいわず。母が他人から恥ずかしく思われないように育てたのに、高3で大学生の子を妊娠・出産。以来母とは疎遠。大学生は逃げた。子どもは10才。ルートにランドセルを買ってくれたあたりで母と復縁する。家政婦として自立したころに母が急死。ルートは母を慰めてくれる子。

博士が子どもを1人でいさせることに強固に反対。ルートは学校が終わったら離れにくる。博士がルートとあだなをつける。頭が平らでルート記号っぽい。ルートはどんな数字でもわけへだてなくかくまって、ちゃんとした身分を与えてやる。ルートは手を受け止めるのに、うってつけの形をした頭。
博士は子どもが好きで、子どものためには迫力のある怒り方をし、子供と一緒だと普段と違ってマナーのある食事もできる。普段はこぼしたりするのに、子どもがいると注意もできる。考え事も放棄。怪我をした時は(指を切って血がでた)パニックになったし、身を挺して飛んできた野球のボールからルートを守った。かなりの心配性。

野球観戦。球場の売り子のお姉さんに恋をした。その夜発熱。家政婦は泊まって看病したが、それをこっそりみていた義姉が職業規定違反だとしてやめさせた。その後ルートが博士を訪ねた事にも反応。家政婦と博士の関係を疑う。そのことで家政婦と義姉が言い争うが…博士がオイラーの公式を書き、義姉はそれを理解、公式1つでいさかいをおさめた。家政婦は博士の家政婦に復帰。ルートとの交流を復活させた。
博士が懸賞で賞金を得たのに、それにはまったく関心を示さず。家政婦とルートとで計画し、博士のお祝いとルートの誕生日を祝うことになる。ケーキを落としてしまった博士。博士の犯した小さなミスと、背負っている罪悪感がふつりあい。
2人からのプレゼンとは江夏の野球カード(あちこちの古物店で探したプレミアムカード)、博士がルートにくれたのはグローブ(義姉に買って来てもらった)

私は博士の痛みはもっと別の所にあったのに、自分はいつも見当違いの場所ばかりさすっていたような気がした。(スーツに関する記述は…飛ばしてしまったが、そうとうな距離をとるとかいうことだった)
彼の根底には自分はこんな小さな存在でしかないのに…という思いが流れていた。




なぜかわからないけど…ラストは涙が止まらなかったな~。最後は博士は施設に入り…記憶は80分→短くなる。義姉がつきそってるんだけど…私の事はわすれないけど…あなたのことは忘れるとかいうの。ルートは数学の先生になるし…。切ない物語だな~と思った。
名前もでてこないよね。ルートはあだ名だから。

『告白』 湊かなえ

2015年10月20日 21時11分43秒 | 
遅ればせながら…だけど、わりときれいな本を某所の図書館で借りられたので…。ちょっとずつ真相があきらかになっていって…結末はかなり意外で、こうきたか…。HIVに感染したかもしれない恐怖は…もう一声!という感じだったけど…心が壊れていくさまとか…ほんのちょっとの何かで反転しまうさまとか…よく描けていたな~と。別の作品も読んでみたいな~と思ったのはひさかたぶりで…。そういえば村上春樹さんとか…他にも色々と読んではいるけど…さっぱり書かないな~。

1Q84

2013年12月07日 21時43分30秒 | 
本を読んだ。

1Q84 村上春樹著


田崎つくるが読みたくて行っみたんだけど、て朝はOKだったのに、夕方には書棚になくて…でも3冊そろっておいてあったので、重いからとちょっと迷ったけど、借りてみた。それぞれがけっこうな厚みで…。途中でわからなくなるのを予防するために、いささかのメモを取りながら読んだ。変わった苗字、青豆だって…。そういえばこの人、苗字はでてきたけど、名前はわからないままだったんじゃないのかな。もう1人は最初は名前だけだったのに…途中から苗字がわかった。それにしても不思議なお話し。現実とイマジネーションが交錯する。なくておよさげな描写がいっぱいあるけど…それでも一気に読んだ。月曜の夕方から金曜日の夕方で読了。2回病院に行き、1日はでかけたのに。もう少し体力があれば…そしてでかけず、家事もしなかったら、もっと早く読めたと思う。

でもきっとユングのいう自己実現ってこういう風にすすんでいくんだろうな~と思った。


がむしゃらに信じて進むこと。これが1番大事。なんだかとってつけたような感じがこのあたりにしたんだけど…。きっと、この青豆さんていう人が、いろいろなことを信じずに生きてきた人なんだろうな~と思ったりもして。