1970年代は「レコード」の全盛時代でした。ヨーロッパにミキシングコンソールを使ったSPスピーカーはALTEC#612モニターがメインモニタースピーカーでした。通称「銀箱」と呼ばれるSPでした。このSPを100㏈以上の大音量でモニターしレコードを作っていたらしいです。これに対抗してJBL社が#4320や34343を作ったのが経緯らしい。低域の再現能力を改善している処がミソです。
実際に#612(604E)箱は米松合板で低域が出ないSPです。この低域に改善を図ったのがJBLプロシリーズです。。モニタースピーカーは本来「業務用SP」で一般家庭で使われることを想定していない。何処で間違ったか?日本のオーディオ雑誌で絶賛された為、日本では非常な人気で、「最終形のSP」に位置付けられるほど浸透してしまった。その媒介メディアはSS誌だと思う。
お客さんは「出来合い」のシステムに非常に関心がある。自分でシステムを構築することなど「面倒」「不安」を抱く様になっていた。その辺に付け込んでオーディオ雑誌のオーディオ評論家の「メーカー絶賛」が始まった。素人さんは一気に流れとなってその方向に購買意欲を出してしまった。
オーディオの世界は「音質」を求めるはずが、良い機器を並べる「二次元」の世界(映像)に傾いてしまったのが残念である。「本質」を考えない方が実に多い事か?と感じる次第です。