Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

最近はホーン型SPが少なくなった

2013年04月06日 | ピュアオーディオ

最近はAV機器との組み合わせに合わせたのかトールボーイ型のSPが多い。バッフル効果を考えると横広のBOXの方が音質面では有利と思うのだが・・・。トールボーイ型には低域にコーン型、中・高域にドーム型を使ったSPが多い様に思う。プラスチックを多用されたSPボックスを見るとちょっと悲しくなる。

40年以上前は、管球アンプで出力がそんなに取れなかったので、SPユニットやSPBOXの方で音量への対策がなされていた。複雑なバックロードホーンやフロントロードホーン箱が、色々なメーカーからオリジナリティ溢れるデザインで販売されていた。その材料も質の良い木材が使われていた様に感じる。

40年の間にアンプは進歩を続け、SPは退化を始めた様だと個人的には感じている。現在販売されているフロアー型のSPの鳴らし方は、昔のブックシェルフSPの鳴らし方と同じ様に感じる。アンプで目一杯に音量を上げて、パンチの効いたサウンドを求めて有る様だ。

本来のフロアー型SPは「朗々と鳴る」スタイルで有ったと思う。これはこれで一つのスタイルだと思う。

SPユニットの「音変換効率」を考えると、ホーン型は70%前後、それに対してコーン型やドーム型は20%前後。低コストで作り易いのがコーン型・ドーム型で、効率の悪さをアンプの出力でカバーしている様に思う。音量的にはカバーできても「質感」はカバーできていないと云うのが私の感じる処。

コンプレッションドライバーを使ったシステムは今ではJBLだけになった様に感じてしまう。それも昔の#375を凌ぐモノは稀だと感じる。ガウスのHF-4000も良いドライバーだと思う。今では中古品でしか手に入らない。

ホーンに至っては壊滅的な状況だと感じる。昔(40年以上前)のJBLやアルテックでは「鋳物」でホーンを作っていた。多分歩留まりは悪かったと思う。それでいながら、HL88(蜂の巣)やHL89(ゴールドウィング)、HL90(お化けホーン)等の色々な形のホーンやディフィーザーを作っていた。手が込んでいたのです。昔は「本当に良いモノを作ろうとしていた」と感じさせてくれます。

現在ではJBLでもK2シリーズ以降、シンプルなラジアルホーンしか作れなくなっている。見るからに単純化されている。「オーディオはもうからない斜陽産業になっている」事を実感してしまう。オーディオはせめて趣味の世界ですので、手のかかった「作品」を出して欲しいと感じる。