最近のSPは、取扱いがイージーな商品が多くなっている様に感じる。新品で入手して、ポンと置いて、そのままの状態で有る程度まとまったサウンドが出る様になっている。これは、オーディオのすそ野を広げ、スキルが無くても簡単に鳴らせると云う事で素晴らしい事では有るが、反面、ユーザー側の「スキルの低下」や、「知識の減退」も招いている。単なるお金持ちの「オーディオ遊び」にもなり易い状況にもなっている。高価なオーディオ機器を「置くだけオーディオ」になり易い。
以前SS誌で菅野氏も書いていたが、「500Hz~10000Hzの間をコーン型SPでカバーしているSPが多くなった。同じ帯域をコンプレッションドライバーでドライブすると質感が全く変わるのだが・・・」云々。音を出すだけなら低能率なコーン型・ドーム型でも出来るが、音楽性の高い質感を出したいなら、もっと高い質感の出る高性能なユニットを使う事の方が、「本格的オーディオ」になるのではないか?
コンプレッションドライバー+ホーンのシステムは、その性能の高さは十分認知されているが、大きく価格が高い、鳴らせるスキルが難しい等の理由で、ドンドン衰退していった様に思う。ユーザーがイージーな方へ流れて行ったからだと思う。ipodをヘッドホンで聴いたサウンドに大概のイージーなシステムは負けてしまう。
オーディオを趣味にするなら、「難しいモノを制御して」鳴らし込む意気込みがマニアには欲しいと思う。「音楽表現力」が変わって来る処です。