『みなさん、さようなら』
2003年のアカデミー賞において外国語映画賞を受賞した。
他にもセザール賞作品賞・監督賞・脚本賞、カンヌ国際映画祭女優賞
(マリ=ジョゼ・クローズ)・脚本賞などを受賞。
ストーリー[編集]
ロンドンで証券ディーラーとして働くセバスチャンは、父親レミが癌を患っているとの知らせを聞き、
故郷のモントリオールに戻る。歴史学の教授であるレミは頑固で酒好き、更に女癖が悪く、セバスチ
ャンはあんな人間にはなるまいと強く反発して生きてきたのだが、母ルイーズに頼まれ、父親の最期
の日々を楽しいものにしようと手を尽くす。まず、アメリカの病院の最新設備で検査を受けさせると、
末期ガンで手の付けようがない状態であることが改めて確認される。
次に、社会主義者として公立病院に入院することにこだわるレミのために、病室の経営者や組合を買
収し、階下の空いているフロアを豪華な病室に作り替えるだけでなく、レミの教え子たちに金を払っ
て見舞いに来させるなど、資本主義の権化のごとく、金にモノを言わせる。
更に、激しい痛みを緩和するためにヘロインが必要と分かると、地元の麻薬課の刑事に入手先を相談
する。当然教えてはもらえなかったが、レミの元愛人ディアーヌの娘ナタリーが麻薬常習者で入手先
を知っていると知ると、彼女をレミの世話係として雇う。
古くからの友人やかつての愛人たちに囲まれたレミは、ナタリーの世話とヘロインのおかげもあり、
幸福感に包まれたまま最期の日々を穏やかに過ごす。友人ピエールの湖畔の別荘で過ごしたときが一
番幸せだったというレミの言葉に、セバスチャンはピエールから別荘を借り、そこでレミに最期のと
きを迎えさせてやろうとする。友人たちと別荘で楽しく過ごしながらも状態が悪化して行くレミは、
セバスチャンに「お前のような息子を作れ」と言い、2人は強く抱きしめ合う。そして、セバスチャ
ンの妹で、仕事で太平洋上にいるシルヴェーヌからのビデオメールを受け取ったレミは、妻子や友人
たちに囲まれて安らかな最期を迎える。
レミの葬儀を終えたセバスチャンは父が1人で暮らしていた家をナタリーに貸すと、婚約者のガエル
とともにロンドンに帰る。
◎エンドロールで流れた歌が あまりに素敵で 書き留めました。
セバスチャンの父は、死期が近いことを知りながらも、死を受け止められず悩みますが、息子の
心が、反抗的だった父の心に寄り添っていきます。
家族や友人に囲まれて 幸せな最後を迎えます◎
雲の向こうから 友達がやってくる
太陽と雨をかばんに詰めて 彼らが創り出す 優しい友情の季節
四季の中で 一番美しい季節
友達の優しさは、美しい風景に似てる
渡り鳥のように 舞い戻る人々
彼らの心に刻まれる無限の優しさ
でも その瞳には悲しみの色が宿る
だから、彼らは私の家に
温まりにやって来てくれる
きっと必ずあなたは再び雲のかなたに立ち去る
別の表情でもう一度微笑みながら
あなたの周囲に優しさを与える
仲間が悲しみを隠したい時も
人生の意味が解らない時も
自分が 何者なのかわからない時にも
理解してくれる友が 一人でもいるから
涙も苦しみもきっと忘れられる
そんな時は あなたの家に行こう
私の心が温まる
あなたの もえる炎に