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ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

宇野弘蔵と大塚久雄と

2007-04-30 21:17:57 | 読書/新聞/映画など
先週金曜日、帰宅途中でかった本が8冊、アマゾンでとどいた本が8冊。そのうち2冊をもって、旅にでました。

まず読み終わったのが、「エンデの島」。

カバーをつけていたので、もう1冊がなんだったか忘れていましたが、とりだしてみると、宇野弘蔵と大塚久雄と丸山真男の戦後社会科学の3高峰をとりあげた本でした。

「エンデの島」を読み終えて、宇野と大塚の論争を思い出したばかりなので、うまく関心が引き継がれて読みすすんでいます。

東大へ進学したのは、丸山真男にあこがれてです。60年安保のころ、井の頭公園の野外ステージで丸山の講演をきいたことがあります。そんな時代だった。

大塚久雄の講義は、いつも600人ぐらいの最前列で聴いていました。600人でたった3人の「優」ももらったのですが、中学の同窓会で会長の大塚先生にであったのはおどろきでした。同じ中学を卒業されていたのは知らなかった。

大学院生のころは、もっとも正当な宇野学派だったと思う。丸山真男と大塚久雄の影響も強く受けながら。当時の東大は、大半の教授が宇野学派だった。大学院博士課程のわたしの専攻は、なんと財政学。官僚養成大学として、財政学は教授が2人もいました。

「近代日本の社会科学ーー丸山真男と宇野弘蔵の射程」アンドリュー・バーシェイ著、NTT出版、2007年3月20日刊、4200円+税

著者が日本人だったら、同じタイトルでも買わなかったかもしれない。カリフォルニア大学バークレー校教授の著者は、大塚久雄に親近感があるという。

「この(ポストモダン)革命は、”ローカルな人間愛”を高め、市場の変転に対して社会をクッションで支え、そして、現代国家の統合的であると同時に原子化的な力を超えて、新しい形の政治的コミュニティを顕にするだろう。」---エンデの島と共通するものがある。