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ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

「眼の誕生」

2006-07-10 21:54:35 | 読書/新聞/映画など
アンドリュー・パーカー著「眼の誕生」草思社、2006年3月3日

5億4300万年前に起きた、進化の大爆発。その原因は、長い間なぞだった。

著者は指摘する。「カンブリア紀の爆発は、視覚が突如として進化したことでひきおこされた」(P350)「能動的な捕食の時代が到来したのだ」(P346)奇妙な生物が無数に登場し、消えていった。

「カンブリア紀が始まると、動物たちは猛然と互いに追いかけあい、食い合いをはじめた。」(P333)しかし、
「進化はバランスであり、そうである以上、一方に傾いた状態が続くことはない。絶滅する場合を除き、つねに釣り合いが保たれている。」(P347)

「最初の眼により、岩陰など新しいニッチがうまれた。」「あらたに利用可能になったニッチの奪い合いがはじまった。」「捕食者は機動力を増した。」「硬い防具をそなえた動物が登場した。」「捕食者も自分が餌食にならないようにしなければならなかった。」
「カンブリア紀の爆発は、適応までの混乱だった」(P350)

「宇宙の情報を伝えるものは」光の「ほかにもある」(P330)「先カンブリア時代には、化学物質を出したり、音をたてたりさえしなければ、相手にぶつかったりでもしないかぎり、捕食者をさけることができた」(P342)眼がないのだから。

しかし、眼が登場すれば、「動物は光あふれる環境中に否応なく自分の映像をさらすことになる」(P343)「カンブリア紀が始まると、動物たちは猛然と互いに追いかけあい、食い合いをはじめた」(P333)

インターネットこそは、動物にとっての光に匹敵する情報伝達手段だ。これまでも、出版や新聞や放送などがあった。しかし、個人や企業の情報が、これほど白日の下にさらされることがあっただろうか。

人類は、インターネットという新しい情報伝達手段をもった。新しい眼をもった。周囲がくまなく見渡せる。

人間社会において、進化の爆発、奇妙な大混乱がはじまるのだろうか。適応までの混乱が。