映画の豆

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「パブリック 図書館の奇跡」

2020年07月26日 | 人情系

エミリオ・エステベス監督、脚本、主演。
厳しい寒さの続くオハイオ州シンシナティでは、
ホームレスたちが日中、寒さをしのぐために図書館を利用していた
しかし彼等の寝泊まりするシェルターは到底足りず、
とうとう凍死者が出てしまう。
考えた末に彼らは図書館を占拠し、立てこもり事件を起こすが、
折しも市長選直前、貧者への共感のない候補者は自らの選挙活動のために
事件を利用しようとし、
キャスターは事件をよりセンセーショナルなものに報道する…
というあらすじ。

アメリカの現実と不思議にリンクした作品です。
貧しさに対する考えは千差万別だけど、
日本は比較的厳しめのひとが多い気がする。
貧乏は甘えというような。
でも足の骨を折ったときは治るまで杖をついて歩くのが効率的で、
折れた足で無理やり歩くのはあまり賢い方法とは思えない。
体のどこかを悪くするたびそんな風にしていたら
やがては全身が機能しなくなってしまう。

ラストまでばれ

これは関係ない冒頭の話だけど
臭いの強い人を図書館から追い出すの、
悪臭を嗅ぎたくないという利用者の権利と、
図書館に自由にアクセスできる利用者の権利がかちあっていて難しい。
臭いは人によって耐性が違うし、数値化もしにくいからなあ…。

女性ホームレスが1人もいないのは、さすがに不白然だろうと思っていたら
あのオチでなるほどフフフってなりました。
でも私、出会い系で騙してるCAは冒頭の女性ホームレスだと思ってました。

ただ「文脈を説明して」 と言われて「怒りの葡萄」の一節を暗唱し、
それを理解しないのは馬鹿で情緒を解しない下等なにんげん、って演出するのは、
あれは駄目だと思う(鼻につくって作中でも批判はされてたけど)。
貧しさを他人事ではないとするのが善なら、
本を読まずに現実だけに生きる人を認めるのもまた善であるよ。
私は現実より本を選ぶ人間だけど、そう思います。

「タイトル忘れたけど、棚の一番上にあった赤い表紙の本」
が一番難易度高いリクエストだと思います。司書さん大変。

関係ないけどホームレスの中に
ジョス・ウェドン監督がいるような気がしたけど
そんなことはなかったぜ。
私は人間の識別を頭の形状に頼りすぎだぜ。

映画館を出たときに一瞬コートを着なくてはと思うくらい
冬の印象の強い話でした。
図書館の中に一晩いたような気分になった。
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