映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「新聞記者」

2019年07月25日 | サスペンス映画


邦画にしてはめちゃくちゃ珍しい、ストレートな現政権批判映画、
そして公開規模も大きいし、松坂桃李さんや本田翼さんなど、
メジャーな役者さんが出演なさっている。本当に珍しい。
当然ながらTV局や出版社や大手広告代理店は噛んでない。
製作はThe iconとスターサンズ、配給はスターサンズとイオンエンターテイメントです。
ちなみに松坂桃李さんの所属はトップコート、本田翼さんはスターダスト。
主演はシム・ウンギョンさん。

森友、加計問題、伊藤詩織さんの事件、官僚の自殺
などに酷似した事件が出てきます
観客動員数を増やす事に意義があるので見に行ってほしいという意見を読んで、
劇場で観ましたけど、なるほど…という感じでした。

東都新聞に務める主人公は、
日本人の父と韓国人の母をもつアメリカ育ちの女性記者。
彼女の父はかつて誤報を出した事が原因で自殺していた。
新聞社にFAXで送られてきた、
新大学設立の資料と思しき怪文書の調査を任されるが…というあらすじ。

WEBでは現政権支持派と批判派の殴り合いになっていて、
他のエンタテインメント映画よりも普通の感想が少ない。

結末ばれ

内閣調査室の仕事が本当にこの映画みたいなのだったら
私も空調の効いた部屋で一日中ツイッターに人の悪口を書きこんで
高給がもらいたい…。税金で養われてネサフがしたい…税金…。
松坂さんの上司のひと、怒鳴り散らされているうちは安全なんだけど
愛想がよくなったらめちゃくちゃ危険というのがよく表現された演技だった。

司法が、身分によって機能しなくなるのは
民主主義国家としてはヤバい兆候だと思うけど
激しい拒否反応が出なかったのは、
性的暴行に強い認知の歪みを持っている人が何割かいるせいだと思う。

出産直後でも髪型とナチュラルメイクが完璧で
いつもカウンセラーみたいな優しい話し方のファンタジー嫁と
泣かない赤子。高級マンション。
フィクションみたいだけど実際あるんだろうな。
というか嫁が入院したらすぐ物が散乱して魔窟化する住居と
生け花みたいになってる郵便ポスト…。
そもそもお前がちゃんと毎日ポストを見てれば
こんな事にはならなかったのに…。
(上司に戦う気概など、最早なかったと最初から知ってれば)
ポストは見ろ…毎日見ろ…。

あと、どの人ももう少し伴侶に相談とかしてもいいと思う。
せめて日常生活で背後からの車に気を付けろとか、
なるべくカメラのある場所を通れとか警告をしてあげて。

映画としては終わり方の切れ味が良かった。
残念ながら記者は詰んで投了という結末だろうけど、
海外でやり直せるし、このネタを追う事もできる。
それを仄めかすためのアメリカ育ち設定だと思う。



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「チャイルド・プレイ」

2019年07月22日 | ホラー映画

1988年の同名ホラー映画のリメイク。
旧作では、殺人鬼の魂がブゥードゥーの秘術によって人形に宿り、
子供の体を乗っ取るために動いていましたが
新しい設定では、人形を製造しているベトナムの工場で、
パワハラで病んだ男性が一体の人形の人格プログラムの
リミッターをすべて解除して自殺するという導入部になっています。

人形は家電と連動し、自分で歩いて移動し、
簡単な会話を交わし、家族のスケジュールも管理します。

チャッキーが単なる邪悪なおもちゃって訳ではなく、
アンディが孤立無援って訳でもないので、
なんとなくストレスの少ない、良いリメイクでした。

チャッキーの声がなんとマーク・ハミル氏。

内容ばれ

チャッキーは最初から邪悪なのではなく、
人間から残虐性を学習してしまったというのと、
アンディの体を乗っ取る目的ではなく、
あくまでアンディと友達になりたくて、それで彼を守ろうとして、
或いは彼の周囲に嫉妬して、という設定が、なかなか良かった。
恐めのトイストーリーと言える(うそです)。

子供の連帯ものが好きなので、
あの子たちがアンディーを見捨てなかったところが好きです。
リーダーシップがありすごく強いボスが女の子っていうのが現代風。

不倫クズや盗撮デブなど、殺される人は
一応死んでいい人セレクトになっているのかな?と思わせておいて、
全然悪くないマイクのお母さんが犠牲になるのは卑怯だと思う。

「2パックの恨み」ってなんだろうと思ったけど、ラッパーの2PACが
ノトーリアスBIGとの抗争でどっちも銃殺された事件に関するジョークか。
勉強になる…。

ねこ好きな人は注意。


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「天気の子」

2019年07月21日 | アニメ映画

新海誠さんの新作アニメーション映画。
予告の時から、これもヒットしそうだなと思ってました。
やっぱり風景の美しさがアニメ映画の中ではトップクラスだし、
RADWIMPSは5曲も提供していて、要所要所でバーンと使ってあるし。
(予告でも2曲流れました)

離島出身の16歳の主人公は、家出して東京で暮らそうとしていたが
仕事は見つからず先行きは暗かった。
東京は異常気象でずっと雨が続いている。
知り合った天野陽菜という少女に、快晴を呼べる能力があると知り、
主人公はそれをビジネスにしようと提案する、というあらすじ。

ボーイミーツガールものです。
天気を売るというプロットが面白いし、
依頼がどんどん来て、主人公達がそれをこなしていく過程が
曲に乗ってスピーディーに流れて行くシーンはわくわくした。
雨の描写はさすがだったし、あと今回は何度かあった食べ物のシーンが印象的だった。
複雑な料理じゃなく、製作者の趣味丸出しの和風料理でもなく
チキンラーメンとポテトチップスを使ったチャーハンとか、十代っぽくて面白かった。
あれはどうやって作るんだろう。
ただ、怒鳴ったり殴ったりのシーンが少しあるので前作よりは子供向けではないかも。

ラストばれ注意

新海誠監督の好みからすると
ラストで世界のゆがみを引き受けてヒロインが死に、または離れ離れのまま、
主人公の恋は美しい永遠になるという定番の形の方を選択されたかったのでは?
という気はしますが今回もちゃんと商業的ハッピーエンドを完遂された。

でもわりとさらっと3年間雨がやまなかったことや、
東京の半分が水没したことが告げられ、
なかなかショッキングな光景も見せられるというラストは挑戦的でした。
こういう場合大抵は女が自己犠牲の精神を発揮して命を捨てるのが定番なので、
世界より自分、他人より自分達、という選択は清々しかった。
(ここに引っかかる人も多いだろうけど)
触れられてなかったけど、ものすごい死者がでてるだろうなあれ…。

主人公の男女がメインですが、
くたびれた中年男と美少年、色っぽいおねえさんなども登場なさり、
そしてまた人気が出そうだなと思いました。
子供じゃなくなって随分長いので、
子供だけで街の夜を越すのがあんなに難しいって忘れてました。
十代だったらリピーターになって劇場に通ったかも。

過去作品の登場人物がちょっとだけ出てきます。
ソフトバンクの犬のお父さんはすぐ見つけられたよ。


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「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」

2019年07月17日 | SF映画

月面にナチス残党の秘密基地があり
地球と全面戦争になるという荒唐無稽な映画、
「アイアンスカイ」続編です。
核兵器で滅んだ地球から逃げ延びた人間は
月面基地で暮らしていたが
エネルギー問題で全滅の危機に瀕していた。
前作ヒロインの娘オビが、基地と母を救うべく立ち上がるというというあらすじ。
フィンランド・ドイツ・ベルギー合作のSF映画。

前作以上に色々やばいですが、
ネタが散らかってきて、ごちゃごちゃした印象。
ちょっとモンティ・パイソンっぽい。
観客は8割が男性でした。

ラストばれ

恐竜に跨って突進してくるヒトラーを、
金髪美女がサマーソルトキックで倒すという
その筋の映画愛好家大興奮のシーンがあります。
あと、ヒトラーを筆頭に、サラ・ペイリン(仮)、プーチン、サッチャー、
金正恩、ビンラディン、アミン、ローマ教皇、毛沢東、スターリン、
ジョブズ、ザッカーバーグが、
みな効率よく人類を滅ぼすために地上に潜入していた
二足歩行爬虫類の地底人だったというネタ、
これ国外に輸出して、シネコンで上映していいんだ…
って軽い驚きでした。
(ウルバヌス2世、磔刑象のスリングショットで攻撃してたし、
最期の叫びが「ホーリーシット!」だし、やりたい放題だ)

スティーブ・ジョブズを神と崇める新興宗教ねたが面白かったので
地底国はなしにして、半分くらいはあのねたで良かった気もする。
(最後の晩餐ビジュアルのところは一瞬盛り上がったけれども)

次作もあるようですけど、エンドロール後のあれから察すると
ロシア人の彼氏はどうなの?裏切るの?


エンドロール後に1シーンあります。




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「ハッピー・デス・デイ 2U」

2019年07月15日 | ホラー映画

6月28日封切りの「ハッピー・デス・デイ」の続編が
2週後に上映開始です。有難い!面白かった!

TOHOのサービスデーに朝イチ行ったんですが、
1日4回上映のうち3回が満席、最終回のみ7席残だったので、
電車に乗って隣りの都道府県まで行った…
上映館が少ないとはいえホラーの2作目でこんなヒット滅多にないよ。

前作で何とか事件を解決した主人公だが、
今度はカーターのルームメイト、ライアンがループに捕われてしまう。
動揺するライアンの説明を聞いた主人公は、すぐさま状況を把握して
逆襲をかけるが…というあらすじ。

注意なのですが、「ハッピー・デス・デイ」と「ハッピー・デス・デイ 2U」は
続編というよりほぼ1本の作品と言っても過言ではないので、
2から見るのはやめておいた方がよいです。
そして劇場で見るにしろ配信で見るにしろ、
できれば間を空けず連続して見た方がよいです。
今ならまだ1を上映しているところもあります。

オチばれ

ユニバーサルロゴ、前作のがループだったんですが、
今回のは分離して、もうそこで何のネタかピンときた。
なぜならエンドゲームの時、多元宇宙についてめっちゃ調べたからだ!
(厳密には、この映画は多元宇宙映画ではないと思う…)
(私の見た多元宇宙映画は今のところジャコ・バン・ドルマル監督の「ミスター・ノーバディ」1本だけ)

ライアンの話を聞いたらすぐにバットを引っ掴んで飛び出していくツリーが好きです。
さすがは経験者、話が早すぎる!それとなんのかんのいって優しい子なので、
出来る限り全員を助けようとするところも。
善良でチャーミングなお父さんとお母さんに愛されて育った子だなという感じ。

1でのスタートの印象が最悪だったので、
好感度がどんどん上がって天井知らずなのも映画の面白さと関係していると思う。
あとこの映画の科学組、自分達の研究が影響を及ぼした結果に
ちゃんと責任をとろうとするのがえらい。学生なのに。
最後、アベンジャーズに合流しても違和感ない感じだった。
(というかあの装置なら色々解決できるのでは?)

カーターが机の下で何を探していたのかやっと分かってよかった。
わりとみんな笑っていて、連帯感が生まれた。
1と合わせて一体何回彼が机の下ゴソゴソするのを見ただろう。

ツリーが抜けてきた世界がどうなったかちょっと心配です。



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