映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ダンボ」

2019年03月31日 | 動物系

1941年のアニメ「ダンボ」をティム・バートン監督が実写映画化。
とはいっても、耳の大きな子象が、母象と離れ離れになり、
サーカスで芸を披露させられる、という部分のみが同じで
それ以外はほぼ新規のストーリー。
音楽ダニー・エルフマン、衣装コリーン・アトウッドのいつものティム組。
でもお話にティム・バートンっぽさはあまりないように思う。

メディチ・ブラザーズ・サーカスでかつて花形乗馬曲芸師だったコリン・ファレルは
戦争で片腕を失い戻ってくるが、妻は亡くなっていた。
団長は彼に象の世話係の仕事をあてがうが、
象のジャンボが出産した子象は耳が大きい不思議な姿をしていた。
男とその娘、息子は象を世話するが…というあらすじ。

中期以降のティム・バートン監督作品には
当たりティムと外れティムがあるんですが、
今回は珍しく泣けるティムでした。
泣ける映画が好きな人には当たりだし、苦手な人には外れ。
ダンボがかわいすぎて、特に違和感とかもなく
え…?なんで馬鹿にするの?この程度の耳は誤差の範疇では?意味がわからない?
となりました。
私は結構好きです。

ラストばれ

なぜならば、「この人は意地悪なのでは…?」と思わせて
「いい人でした!」っていうのが何回かあって、それでなんとなく
見終わった後にぽかぽかするというか。
団長はダニー・デヴィートだから
悪そうに見えてもまあいい人だろうとは思ったけど、
ダンボをヒールで蹴ったりする要員と思われたエヴァ・グリーン様が
まさかのいいひとで、あと名前忘れたけど部下の人まで
「動物にひどいことするので仕事やめたったわ!」
とか言ったのにはびっくりしました。

サーカスにはあまりティムの熱を感じませんでしたが、
あの業界最速のクズの死は、子供が人形の手足をもぐような素早さだった。
「早っ」って思った。
ドリームランドは、一度行ってみたい素敵なデザインでしたけど、
あれを燃やして叩き潰す(しかも最後こらしめランドにする)映画を、
ディズニー配給で撮るところは若干ティムっぽいと言えなくもない。
あとピンクの象。このシーン好きだったんだろうなあと思った。

ダンボが姉弟を助けにいくところでウッって泣いた。



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「PRINCE OF LEGEND」

2019年03月27日 | 恋愛映画

聖ブリリアント学園で3年に1度開催される伝説の王子選手権。
様々な魅力を持った14人の男性が集結する理由が
ドラマ版で描かれましたが、勝敗の行方は映画版で完結します。

序盤の20分ほどはドラマのあらすじ紹介なので
ドラマを見ていた人は遅刻して行っても大丈夫!
壁ドン勝負とか、にらめっこ勝負、3人4脚、
椅子取り、姫抱っこ、アクション等々
様々な選考競技に熱中するイケメンと、
その仲間達によるわちゃわちゃが見られるぞ!

うーん、でも私はHiGH&LOWのが好きかな…。

結末ばれ
ドラマからずっと引っ張ってきた、
果音の頬をつねる癖と、捨てようとした写真の伏線が回収されます。
そして満を持してパッヘルベルのカノン…。
あっなるほど、果音と奏だから、誰とくっつくかは
最初から明白だったわけねハイハイ(遅い)。

大多数の若い女子の萌えである無理矢理キスが
大年増の私には大地雷なので何度もあるのは正直きつかった。

壁ドンの練習とか、姫だっこの練習とかを
男子同士でキャッキャやってるのは楽しかったですね。
あと、下剋上王子が眼鏡くんへの恋心を自覚して終わります。
そこもうちょっと詳しく…!

えぐざゆゆの人、どなたか
「映画見ながらずっと喋ってる女は嫌い」
ってインタビューかSNSで言ってくれ頼む……。




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「バンブルビー」

2019年03月26日 | バトル映画

監督トラヴィス・ナイト
脚本クリスティーナ・ハドソン

どうして誰も気付かなかったんだろう。
殺してやるとか、顔の皮を剥いでやるとか、
そういう物騒なオートボットとディセプティコンの果てなき抗争は一旦置いて、
かわゆいビーとかわゆい女子高生で、
青春異種間友情ムービーを撮ったらいいんじゃないかって。
ものすごいかわゆくて、よく出来た話なので
製作会社と配給を2度見した。
これまでは上映中に何回か「え?なんて?」って首を傾げたけど
(それも味があったけど)今回はまったくそういうのがなく
キメが整っていて滑らかなお話。
監督は「KUBO」のトラヴィス・ナイト。

機械いじりが趣味のチャーリーは父の死後
成績優秀だった飛び込み競技も引退して
鬱屈した日々を送っていた。
踏ん切りをつけて前に進む家族にも違和感を持っていた彼女は
ある日、おじの経営する修理工場の片隅で放置されていた
ビートルを見つけるが…というあらすじ。

登場するトランスフォーマーの数を絞ったので、
そのぶん人間のドラマ、ビーの愛らしさに尺が割けて話が整った。
哺乳類など要らん!メカ見せろメカメカメカメカァ!
って人には不満かもしらんけど。

ラストばれ

砂に顔を埋めて隠れているつもりのビー、
家具を壊してはわわするビー、
気に入らない音楽のテープをペッするビー、
どれも編集してずっと見ていたいくらい可愛いですね。
あとビーのカーチェイス、車幅をキューっと縮めたり
手だけだしてリフトしたりも地味に良かった。
ビーって、かわいさもさることながら
オートボットの中でも耐久力NO1じゃない?頑丈!

それで、チャーリーと母(と義理の父)は
感性が違ってて相性はあんまり良くないんだけど、
でも関心と愛情がない訳じゃなくて
家族は命懸けで助けに来てくれるし、
チャーリーはちゃんと花柄ヘルメットを忘れないし、
共闘した親友のビーに誘われても
断って家族のところに帰るのとか、いいなあって思いました。
チャーリーとビーだけじゃなく、
サブキャラクターのメモくんも、エージェントバーンズも、
弟君、お母さん、お義父さん、シャッター姐さん、ドロップキック、
みなさん良かった。

ところで今回シリーズリブートしたとかいう話を聞いた気がするんですけど、
今回の話が1987年、このまま時間が経過しても
ビーはシャイア・ラブーフくんとは出会わないのでしょうか。
それはちょっと寂しい。


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「ブラック・クランズマン」

2019年03月25日 | 実話系

監督スパイク・リー
ロン・ストールワースの回顧小説を元にした映画。
ロンは署内で初のアフリカ系アメリカ人警官として採用され
紆余曲折あって潜入捜査班に配属、
黒人の差別反対運動などへの潜入調査を行っていた。
ある日新聞広告で、KKKの構成員募集の案内を見つけたロンは
電話でコンタクトをとり、差別的な発言を連発する事でKKKの
信用を勝ち取り、面談の約束を取り付けてしまう。
しかし有色人種である彼が行く訳にはいかず、
同僚の白人男性が影武者としてKKK団へ赴く…というあらすじ。

ブラックジョークと差別ねたてんこもりです。
あと怒りのパワーがすごい。
実在する人物、元KKK最高幹部デービッド・デュークなども登場しつつ
KKKの内部が描かれますが、徹底して絶対悪かつアンポンタンの大マヌケという描写です。
同僚の刑事を演じるアダム・ドライバーの、ちょっとふわふわした感じが、
いい具合に緩衝剤になってました。

ラストばれ(映画の感想のようなそうでないような…)

最初の映像、何か分からなかったので「ミード先生」と「南部」で検索したら
「風と共に去りぬ」の一場面でした。うーん、過去に見てるけど記憶にない。
この映画、しょっぱなが一番キツイと言っても過言ではないです。
黒人は嘘つきのサル、清らかな白人女性を狙う暴行魔、ユダヤ人は寄生虫、
屈辱的にも白人の子供たちが黒人と同じ学校で学ばなければならない、
我々はキリスト教的価値観を守らなければならない、等々
映画「ドリーム」や「デトロイト」「ヘアスプレー」等々で描かれた、
有色人種が傷付き勝ち取ってきた道程を
当時の白色人種の価値観から全否定する意見です。

白人のイントネーションと黒人のイントネーションの件、
私には全然聞き分けられなかったけど、面白い事は分かった。
あとジェシー・ワシントンリンチ事件に関する講演と
KKKの会合が交互に進行していく演出は緊張感がありました。
しかし「国民はそんな男を大統領に選ばない」というロンの台詞で
十分現実を皮肉っていることは分かるので、
ラストの2017年シャーロッツビルでの暴走車による攻撃の映像は
余剰に思った、というか、
ショッキングすぎて映画の印象の半分ほどが飛んでしまった。(私は)

「ブラックパンサー」、「グリーン・ブック」
そして「ブラック・クランズマン」
評価されたり批判されたり人気を博したり支持されたりした3作品ですが、
とりあえず哀れな奴隷が鞭打たれ、
理不尽な暴力に震えて泣く作品フェーズは終了したのかな?などと感じました。
「ブラックパンサー」は差別を経験していない、
むしろ世界水準よりも進んだ科学技術と豊かな資源を持った富める
南アフリカの小国が、世界に対して、差別を受ける同朋に対して、
どういう立場をとるかというファンタジーです。
(「ブラックパンサー」を試写で見たローレンス・フィッシュバーンくんが
「こいつは大変だ…こいつは大変だ…」ってずっと言ってたエピソードが好きです)
「グリーン・ブック」は怒りの感情のない物語です。
差別よりはむしろ、立場の違う2人の人間が
互いに影響され親しくなっていく過程が主体の物語のように思います。
逆に「ブラック・クランズマン」はブラックユーモアにくるまれてはいますが
ものすごい怒りと、あと少しの恐怖が伝わってくる話です。
しかしむしろこの作品を見て、有色人種に悪感情を持つ人も出るのでは?
というくらいの激しさがありました。
(作中で「国民の創生」という映画に影響されて
ジェシー・ワシントンリンチ事件が起きたという証言が語られましたが、
フィクションは現実に大きな影響を与えることができると私も思う)
3つの作品は出るべくして同時期に出たという感じ。

しかし「ブラック・クランズマン」がアカデミー作品賞をとるべきだったかといえば
残念ながら私にはそうは思えなくて、
それは爆破を防ぐくだりがあまりにもユルユルというか、
なぜ嫌っているアダム・ドライバーを爆殺計画の打合せに呼んだとか、
なぜ爆発物の受け渡しを会食の場で、とか
なぜ鞄を置いて帰らないとか、なぜスイッチを別の人間が確認もなしに押す?とか色々、
KKKの過激派が全員アホだからといえばそうかもしれないけど、
捜査班側が頭いい風に描かれているかといえばそうでもないように見える。
あと人種差別への怒りはキレキレだけど、性差別(セクハラ)への怒りはフワっとしている。
踊って楽しくして忘れようぜ、てきな。
セクハラ警官の仕置きも、そ、そんな雑な…みたいなやつだったし。
(バランスを鑑みて、作品賞は「女王陛下のお気に入り」が妥当だったのでは)

余談ですが、差別集団あるところレベル・フラッグ(南軍旗)ありで、
映画の中でも何度も見掛けますが、
これが掲揚されている場所には有色人種は近付かないほうが無難なので
覚えておいた方がいいですね…本当。




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「映画 プリキュアミラクルユニバース」

2019年03月22日 | アニメ映画

何作品か前から、全員登場させるのはやめて、
3チームに絞る方針ですが、今作もそうです。
「スター☆トゥインクルプリキュア」
「HUGっと!プリキュア」
「キラキラ☆プリキュアアラモード」
のプリキュア達が登場。それ以前のプリキュア達は姿だけ出ます。

遠い星のミラクルライト製造工場で原因不明の事故があり、
運よく逃げられたピトンが振ったライトの力で、
3チームのプリキュア達が呼び寄せられる、というあらすじ。

予告で聞いたときから思ってましたが
工 場 で 造 っ て た ん や …という驚き。
ファンタジーな木に実る、不思議な果実とかそういうのかと思ってた
ミラクルライト…。
思いっきりベルトコンベアで流れ作業で作られてた…。

内容ばれ

今回の舞台になる星、
確たる証拠もなしに「この騒動の原因はピトン」、
「あれはプリキュアを名乗る偽物」って決めつけて
集団で拘束してくるの、「こわ…野蛮…」って感じでした。

ラスボスが、応援する側から応援されるほうになりたい
という欲望を持ったのは面白い。
HUGプリのラストが、人は皆プリキュアだ!って
人間全員がプリキュアに変身したんですけど、
この映画では登場しなかったプリキュアたちが
ミラクルライトを振って応援する側に回っていたし、
役割は常に流動的であるということなのかも。

しかし今回はミラクルライトを女児に振らせて
結果上手くいかなかったり、
あまりにも長すぎたり、
果ては次回映画予告を見るためだけにライトを振らせたり
ライトの使い方があまり上手くなかったように思う。

プリキュアのはるみち、またはみちはるであるところの
キュアショコラとキュアマカロンさんは、
相変わらず違う番組のようなアダルトな雰囲気を醸し出しており
サービスシーン盛りだくさんでした。



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