映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「サユリ」

2024年08月29日 | ホラー映画

白石晃士監督
マンションから一戸建てに引っ越した7人家族。
しかし吹き抜けのあるその明るい家には
恐ろしいものが憑りついていた…というホラー。

予告で分かるように、家族のうち認知症を患っていた祖母が覚醒し、
悪霊と真っ向から戦うという、邦画では珍しいパターンです。
前半が悪霊無双のホラー映画、
後半が祖母無双の心霊バトル映画として味変が楽しめます。

しかし人を選ぶ要素があります。

ねたばれありの注意箇条書き

・子供への家庭内性加害設定あり
・げろ2種計3回(若い女のげろが好きな人は見るとよいでしょう)
・刃物による男性器突き刺し(好きな人は見るとよいでしょう)
・鉄の棒による男性のアナル串刺し(興奮する人は見(略))

注文建築なのか、贅沢な家のつくりを生かした
高低差のある心霊現象はなかなかよかったです。
バールのようなものの新しい使用法を見ました。

ラストまでばれ

家族の中で長男くんだけ(師範を継がせると見込まれた)才能があって、
それで生き残ったんだろうね。
お祖母ちゃん、煙草サングラス謎の人脈、過去に何をやってたんだろう。
どうして普通の主婦に収まってたんだ。

認知症のお祖母ちゃんを抱えながら明るい家族で
あまり嘘くさくなく、ありそうかも…?と思える演出だった。
(食事のシーンがすごく多いのもなんかよかった)
今のお子さんって皆あんなに従順なんだろうか。
家族がほんわか好ましければ好ましいだけ、
サユリの祟りに蝕まれていく様子がつらかった。
ゆ、許さんーーーー!と思ったが、
サユリも犠牲者で、それはどうやら原作にはないオリジナル展開らしい。

白石監督作品で、性加害に遭った女が怪物化するの、
連続して見ているので、ちょっともやっとするというか
カジュアルな変身アイテムみたいじゃない?
とりあえずそのお気に入りの性加害展開、一回床に置こうか監督。

たぶんお祖母ちゃんが何も悪くない人を殺していくと
ラストのハッピー感が失われると監督は考えたのかもだが、
なんも悪くない人を殺してサユリを痛めつけてくれたほうが私はスッキリしたよたぶん。
5人殺されてどうして相手の不幸を気遣わないとならないの。

サユリ母は、自認が「弱者善人」の、
その場にいる一番の強者を敏感に察知して恭順を示すタイプの人。
あの場の強者がサユリになったから、それで愛してるのなんだの言い始めたのでは?
愛してるならどうして助けなかったのか。どうして元の家族に戻ろうなどという鬼畜なことを言ったのか。
彼女が助かったのは納得いかねー。
加害父はあと2つ3つ他の穴も何かで刺されて黒ヒゲ危機一髪になればよかったのに。

長男くんのガールフレンドさん、言動がかわいかったが
どうしてBL漫画を読んでるシーンを入れたのだろう。
原作漫画使用料代わりの幻冬舎販促なのか?





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「呪葬」

2024年07月16日 | ホラー映画

諍いをして実家を飛び出し、
仕事の掛け持ちをしながら娘を育てていた主人公の女性は、
叔父の電話を受け、祖父が亡くなったことを知る。
祖父の初七日に参列するために娘を連れて実家に帰るが
父や母や姉たちの態度はよそよそしく…というあらすじ。
台湾のホラー映画。

変な物音がして様子を見に行くパターンが30回くらいある。

ねたばれ

どんでん返しがある。
最初から霊が出るの、遺伝する病理的なにかかと思ったが
どんでん返しのための設定かー。

ちょっと、納得いかないのは
弱者同士が噛み合いをさせられているところ。
祖父と孫娘のいい話ふうになっているが、
婚外子を冷遇したおじいちゃんが悪いのでは…?

あと霊のパワーは家父長が一番強いのか?
じゃあ仮に家父長の霊同士だと社会的地位が高い方が強いのか?
夢も希望もないよ…。

そんななか、「親友が傷つけられた」という理由で
邪法に手を染めた名前も分からんモブのひと、
光るものがあった。

少女の中身は叔父?てきバッドエンドだが、
普通に終わったほうが良かった気がする。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「クワイエット・プレイス DAY 1」

2024年06月30日 | ホラー映画
音にのみ反応するクリーチャーに支配されたアメリカで
サバイバルを繰り広げるシリーズの前日譚。スピンオフです。
監督はジョン・クラシンスキーではなくマイケル・サルノスキ。

主人公は余命を宣告された癌患者。
ホスピスのレクリエーションで出かけたニューヨークで
宇宙人襲来を目撃する。
パニックになる都市で、彼女は飼い猫を連れて生き残れるか…?というあらすじ。

サバイバルホラー色は少し薄くなって
人間賛歌てきなテーマがある今回。
主人公サムが連れている猫のフロドがかわいい。
エイリアンの襲来でめちゃくちゃになった都市でも
ぴかぴかに輝くうつくしい毛並みのハチワレちゃんです。
もちろん最後まで無事ですが、
人間の食べ物を口にする描写があるので
苦手な人はちゅうい。

ラストまでばれ

むしろ今回のクリーチャーは
死や痛みの象徴なのかな?と思った。
音楽や文学、おいしい食事、友愛があるので
人間は死や痛みに支配を受けないという感じの。
ラストはそういう人間賛歌的なあれで、
エンドロールへのつなぎかたが完璧だと思ったが、
人によっては惨めな敗北ととらえるむきもあるだろう。

10年前の映画ならサムとエリックが性愛の関係になったろうけど、
(恋愛感情がなければあんな親切はしないという認識)
純然たる人間愛の物語だったのは、私は好ましく思った。

クリーチャーくんたち、泳げないのはいいとして
溺死するのがめちゃ早かった。
というか呼吸をしている?
隕石の中にいたとはいえ宇宙を飛んできたのに?
あと人間を食っているわけではなさそうと思ってたが
まさかの草食???
「ごはんよぉー」みたいな声掛けをしてたが
案外社会性がある?

その宇宙キノコをねこちゃんが食べてたようだが、
そんなばっちいもの食べちゃだめ!ぺっしなさい。

静かにするんだおじさん、2作目のあの人か!






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ザ・ウォッチャーズ」

2024年06月23日 | ホラー映画

イシャナ・ナイト・シャマラン監督。
シャマラン監督の娘さん、初監督作品。
父の現場で経験を積み、今回デビューされたようです。
A・M・シャインの同名小説の映像化。

アイルランドのペットショップで働く主人公は
希少種のインコを遠方の動物園に届ける道中で道に迷い、
森の中のシェルターのような建物に辿り着く。
そこでは赤の他人同士が奇妙な共同生活を送っており、
夜になると窓の外に「彼ら」がやってくるという説明を受けるが…
というあらすじ。

ジャンルとしてはホラーです。
積極的に怖がらそうとはしてないが、
ゴキブリがうじゃうじゃしているシーンが一瞬だけあるよ。

ラストまでばれ

24歳(25?)でこの仕上がりはすごい。
お父さんに似てるなと思ったのは、
クリーチャーが出てきて人間が死んでも、
そいつをやっつけるのではなく、
対話によってお引き取り願うという決着。
登場人物がどことなく優しい。
ペットショップの店長も優しいし、
主人公の姉妹も優しい。
キアラはダニエルを気にかけてやり、
ダニエルはキアラのために彼女の夫を助けようとする。
(つまり性愛による優しさではない)
お父さんと違うなと思ったのは
女性の物語になっているところ。
色々な年代の女性たちが努力して互いに寄り添おうとする。

くたくたになって3人でバスに乗るところ、
音楽の音量を大きくしてほしいというところの雰囲気が好きです。

あとでじわじわ教授のクズ度が染みわたるのですけど
重機を使ったようでもないし、当時の建設技術で
手掘りであのシェルターを建てたとしたら
完成までに何週間かかっただろう。
それを1日13人、合計で200人?300人?
おいおい、大事件やろ、というのと、
おちんぎん支払ってないね…というの(むしろそれが目的では)。
それで本人「死んで、会うべき人に会う」てきなこと言ってるけど
えっもしかして天国に行くつもり…?
お前が行くのは地獄の特等席に決まっとるやろが!
おびただしい人間を殺しておいて、やっぱり恐ろしくなっちゃった!
僕ちゃん罪深ーい!死の!とかいうフワフワしたところとか、
リアリティショーを好んでいたところとか、
何もかも気持ちの悪い年寄りだった…。
やつが楽に死ねたのが少々不満です。
ところであのシェルター、
最初の目的からするとマジックミラーの内外逆にしたほうがよくない?




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ナイトスイム」

2024年06月09日 | ホラー映画

多発性硬化症でリハビリ中のメジャーリーガーと
その妻子はプール付きの家を購入する。
夫の症状は改善し、
プールのある生活を楽しむ彼等だが
次第に不可解な出来事が起こるようになり…
というあらすじ。ホラーです。

初期のころのキングっぽい話だなと思ったら
キングがネットで褒め意見を表明して
監督が喜んでいた。

注意 猫が死にます。死ぬシーンはない。

ラストまでばれ

というかプール版シャイニング
(ちょっとだけペットセマタリー)だった。
ずっと水中撮影が続いて、
地味にすごいなと思った。
泳いでいる時に人が立ってるのが見えるけど
水から出ると誰もいない…という映像はよかったが
ぶよぶよのオバケ本体が
ウヴォアー!!って出るのはいまひとつ。

息子の病気を治すために
娘を生贄にする母親のエピソードはえぐいけど、
ありそうという気がした…。
というかカナダの地名にTemagamiはあるけど
関係あるのかないのか?

子供に暴力をふるったので
おそらく助からないなこれ、と思いました。
シャイニングのジャックもそうだったけど、
このお父さんも最初からものすごく大丈夫じゃなさそうだった。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする