映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」

2024年02月26日 | 実話系

タイカ・ワイティティ監督
ワールドカップ予選で0対31という壊滅的な敗北を喫した
世界最弱のサッカーチーム、アメリカ領サモア代表。
そこに、問題行動で左遷されたオランダ人監督が赴任し、
互いに影響を受けながら奮闘するという、
事実を基にしたコメディ映画です。
主演マイケル・ファスベンダー。

ゆるい感じのコメディ映画が好きな人はハマると思う。
タイカ・ワイティティ監督の本来の持ち味に近い。
(もっとゆるくて、もっとシニカルだと思うけど)

エンドロール後におまけがあります。

内容ばれ

サモアについて何も知らなさ過ぎて恥ずかしいですが
独立国サモアとアメリカ領サモアに分かれていることすら
知りませんでした。
当然ファファフィネのことも、
敬虔なキリスト教信者が多いこともなんも知らんかった。

映画とは全く関係ない話。
あるスポーツの名門校にいたひとからじかに聞いた話ですが
全国大会常連校だったそのチームは、体罰上等
しごき上等、先輩の命令絶対服従だったが
その人の代でそういう常軌を逸した体制を全廃したらしい。
そうすると、なんと全く勝てなくなったとのこと。
スポーツ、とくに団体競技というのはそういう面があります。

おいつめられた白色人種の初老の男性が
ピュアな島民に癒されて、人生を見つめ直す…
みたいなやつにならずギリで踏みとどまっているのは、
監督のバランス感覚だと思います。
会長のセリフ、私たちはあなたから学びたい、
でも我々が下だとは思ってないです…みたいな気持ち、
世界すべての教育、指導、師弟関係、の場に行きわたれー。

ただ監督の娘の事故死エピソードを入れるなら
(留守電のエピソード、シビルウォーのやつやね)
スカウト成功した選手が目の前で
車にはね飛ばされるコメディシーンは採用すんなし…。

サモアのお母さんのスリッパしばきは絶対入れないといかんのか?
国の伝統的な何かなの?



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「マダム・ウェブ」

2024年02月25日 | バトル映画


ヒロインは救急隊員として日夜危険な仕事をこなしているが
徐々に、数瞬先の未来が見える不思議な能力があらわれる。
彼女はその能力によって、謎の男に殺される筈だった
3人の少女の命を救い、謎の男と全面対決することになる、
というあらすじ。

スパイダーマン・ユニバース4作目。
ものすごい酷評が海外から伝わっていたが
私は好きですよ。
ガールズ3人と年上のきれいなおねえさんがわちゃわちゃする話。
ガールズ3人はティーン(という設定)なので、
じっとしてろ!つっても勝手にどっか行っちゃうし、
全然言う事聞かないし、横になったら即爆睡でかわいいよ

内容は「スパイダーウーマン」という人気映画がまずあったとして、
そのビギニングという感じの内容なんだけど、
まずビギニングからいっちゃったかー、そうかー、っていう。

めずらしくエンドロール後のおまけ映像がなかった。
確実に「あれっ?」って空気になった劇場が。

内容ばれ

ガールズ3人は、にくったらしい現代っ子と、
周囲を気遣いすぎて自分の意見がなくなった眼鏡っこ、
しっかりもののお姉さんタイプ。
あまり仲良くはなれなさそうなんだけど、
でも全員ひとりぼっち。
最終的にはヒロインのカサンドラ含めて疑似家族になります。
スーパーヒーローもの映画としては珍しい。
(眼鏡っこ、「リアリティ」の元軍人を演じた人だった!
写真を見比べてもまったく別人だ。すごい)

映画としては幾つか問題があって
まずアクションが不得手っぽく、致命的にもっさりしてる。
おそらく予算の少なさゆえに、みすぼらしすぎるシーンがある。
(カットすべきだった)
あと脚本がなめらかではない。カサンドラがガールズを放置して
どこかに行く流れが3回もあるのはひどい。
(ノートをとりに自宅へ、母のことを調べにペルーへ、
ヴィランとの会話のためにダイナーへ(夢だけど))
それとガールズを絶対守るのはいいけど、
ヘリの人々の命もできれば守ってあげてください…。
トム・ホランドピーターなら絶対守った。
それはそれとして、
きれいなお姉さんとガールズ3人の新生活が見たいので
できたら続編を作ってほしい。
料理当番とか洗濯当番で殴り合いの喧嘩してほしい。
キャシーがお茶を飲みながら予知能力で家財の破壊を防いでほしい。

ベンおじさん、人間力が高すぎるめちゃくちゃいいひとだった。
もしかしてこの世界はガールズの活躍で
おじさんが死なないんじゃないかしら。
まあピーターにめろめろのおじさん、
伯父だから楽って言われてキャシーが「どうかしら?」
って返事してたから分からないけども。

あと映画のせいではないんだけど、
「マーベル初の本格ミステリー・サスペンス」
っていう宣伝文句は100%嘘なので、
ミステリーを期待して行くならやめたほぅがいいです。
嘘はいかんよ。



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「ボーはおそれている」

2024年02月18日 | 精神系
アリ・アスター監督。
精神に問題を抱える中年男ボーは、母親の誕生日に実家へ行こうとするが、
様々なトラブルが起こり出発の機会を逃してしまう。
そうこうするうちに、母親が急死したという連絡が入り、
ボーはパニックを起こす…というあらすじ。

まずこの映画のジャンルはホラーではない。
アリ・アスター監督の抱える問題と、人生の恐怖を3時間の映像にした作品です。
ストーリーらしきストーリーはない。

家族仲が良好で、精神に全く問題のない生活を送っている人が見たら
気持ち悪い汚物を顔にくっつけられたような気分がするでしょう。
おすすめしません。
この作品が猛烈に好きな方もいらっしゃるだろうけど。

嘔吐あり。

ラストまでばれ

天井に中年男!からの全裸脱出!撃つ気満々の警官!
そして割礼全裸殺人鬼!の流れはわりと面白かった。
このリズムで3時間だとしたらすごいやん…
と思ったがそんなことはなかった。

不条理な状況全て、ボーの認識能力のせいかと思わせ、
そこから実はすべて母のマネーパワー&従業員による仕込みか?
と引っ張り、最終的には審判?なに?よく分かりません。
監督曰く、「ユダヤ人にとってのロードオブザリングス」。
???????
序盤に、迷子になった息子を怒鳴っている女性が出たり
カメラの映像を早送りしたシーンに後半の映像があったり、
全体の筋としては審判なんだろうなとは思うんだけど。

柄の悪い友達が家に入ってきて母親の使用済みのぱんつの臭いを嗅いだり
そのまま盗んだりするのを黙認したってエピソード、
詳細すぎて、監督またはほかの誰かのリアルメモリーなのでは…。
弱い犬や猫って、他の動物がテリトリーに侵入してきて
自分のエサを食べられたりしてる時ああいう佇まいをしてるよね。

「ヘレディタリー」との共通点、
息子の母、その母の母、3代にわたる呪縛、そして屋根裏…。
なにがあったんだろうか。

森のパートで少し寝てしまった。
「オオカミの家」のアーティストによるものだそうで、
私と相性がよくないのかもしれない。

全体的にボーが「え…あの…ボクは…」ってモゴモゴ言ってるうちに
周りがどんどん話を進めてくれ、
セックスまで女が乗っかって
全自動でやってくれるコメディ仕様に少しイラっとしますが、
そこは終盤に、ちゃんと鬼詰めされるのでよし。

監督のことが少し心配になりました。
また他人に阿ったホラーも撮ってほしいです。



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「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」

2024年02月12日 | ホラー映画

原作は人気ホラーゲーム。
フレディーズというピザ屋で、夜になると勝手に動き出す
動物型のロボットの襲撃から逃げ回る警備員、という内容。
ホラー映画としては怖さが控え目だけど(でもまあ人は死ぬ)
なかなか良かった。キング的な面白さ。

幼いころ、目の前で弟を誘拐された主人公は
両親を亡くし、年の離れた妹の面倒を見ながら暮らしていた。
彼女の養育のために定職を必要としていた彼は
夜の警備員の仕事に就くが…というあらすじ。

エンドロール途中に映像あり。
最後にも少しだけメッセージあり。

ラストまでばれ

死んだ子供たちと頭のおかしいペドフィリア(?)もの。
妹の絵がキーになるところとかよかった。

死亡判定は厳しめ。
悪い兄を持つベビーシッターとか、
彼女だけは助かるかなと思ったが死んだ。叔母さんも。
叔母さんはあれ、どういう扱いになってるんだろう。

主人公に言いたいのは、仕事中に寝るな。
お巡りさんに注意された後も寝てたけど、仕事中に寝るな。
夜勤って、夜に職場で寝ることじゃないぞ。
それはそれとしてどこかで見た顔だと思ったが、
ハンガーゲームのピータじゃないか!
あのモヤシ男子が大きくなって!





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「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

2024年02月11日 | 実話系
2021年に騒動になった、ゲームストップ株の価格変動を映画化。
ポール・ダノ氏主演です。
「あの件、映画を見たら理解できるようになるかな…?」
くらいの熱量だったんですが、面白かったです。
ここ数年とくに、どの国でも
平民と上級国民の経済格差が酷くなった気がしますが、
そんな鬱…とした気分を吹っ飛ばしてくれるエンタテインメント寄りの内容でした。

世界レベルの成功者のルポを読んでいると
必ず登場するのがファンド関係の人々。
彼等が重要視するのは利益をもたらすユニコーン企業と
主に中東方面の大口投資家のみで、
個人投資家などはゴミカス以下なのだそうです(と書いてあった)。
成長する会社に寄生し、思う存分吸血し、
弱い企業を見つけると襲い掛かり肉を食らう。
天敵のいない頂点の生物です。
世界の富を独占する巨人を相手に
ごく普通の市井の人々が戦います。

ラストまでばれ

私はなんとなく多人数のチームがやったことだと思ってたのですが違って、
本当にキース・ギル1人が訴えかけたことが偶然に広がった、
奇跡的な現象だったのか。

やっぱりポール・ダノ氏演じる善良な人には圧倒的説得力がある。
おっとりとした人柄の描き方も良かったが、
故人の姉、弟、妻子などの周囲の人とのやりとりもよかった。
ゲイブ・プロトキンはセス・ローゲンでした。
WEBインタビューの直前にストレスでよれよれしている様子がかわいかった。
(セバスチャン・スタン氏はブルガリアからの移民でオンライン証券CEO役)
(デイン・デハーン氏はショップの店長だったのか!)

金があればなんでもできるなあ、と思ったのは
SNSによる情報共有を、サービスダウンにより分断したことと
買い付けの強制停止。
平民はゲームのルールを勝手に変えられながら戦わなければならない。

結果としてメルビンは大大大損害を出して潰れるんですけど。
ライオンとハイエナに譬えられてましたが
パワー的にはライオンとカメムシくらいの差があったと思う。
失業した人には申し訳ないけどスカッとしましたね…。
この件が「金融界のフランス革命」と言われるわけですよ…。

この件以降、ファンドはSNSを監視し、
派手な空売りも控えるようになったとのことです。
なんとなく猫のTシャツが欲しくなりました。


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