映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「2分の1の魔法」

2020年08月25日 | アニメ映画

ドラゴンやユニコーン、エルフやケンタウルスが生きる不思議な世界。
そこでは大昔、魔法文化があったが、修練と才能を必要とするそれよりも
科学技術のほうに人々は流れ、魔法は廃れてしまった。
幼いころに父を亡くしたエルフの兄弟は、
弟の16歳の誕生日に亡き父からの贈り物を受け取る。
それは父を復活させる魔法を使える道具だった…というあらすじ。
原題は「Onward」。

日本人は、「それ大丈夫?開いてはいけない扉的なものが開いて、
弟の体がなくなるやつでは?」と
ちょっとだけ心配になるかもしれませんが、全然違うので大丈夫!

兄弟の冒険と、周囲の大人たちのドタバタが描かれます。
ラストバトルが特によかった。

ラストバレ

主人公以外の登場人物はみな脇役で、主人公のために色々犠牲を払い
主人公だけが結果を得る、てきなラストでないのが今風だと思う。
ラストだけ見たら弟くんのほうが脇役みたいに見えるよね。
でもそれまでの流れで、弟くんはお兄さんの大切さを再確認しているから
あれがベストなんですけど。
あとお母さんも、よくある適度に明るく適度に抜けたところもあって
適度に女性らしい子供育成ロボみたいなのじゃなくて、
彼氏もいて、今回新しい友達もできて、夜に遊びに行っちゃうのも
自分の人生があるっぽくてよい。

ところで、かなり修練しないと使えないうえに
才能の有無がある魔法より、科学技術のほうが平等なので
そりゃ魔法廃れるわと思います。
魔法の使える悪人がいたとして、非魔法族は無力ですけど、
銃があれば応戦できる。

田舎なので、字幕1に対し吹替10くらいの割合。
志尊淳さんも城田優さんも上手かったですけど、
トム・ホランドとクリス・プラットの兄弟も聞きたかったな…。
弟くんの表情、口の中に小さいカエルがいるようだった。
あとオクタヴィア・スペンサーのマンティコア…当て書きでしょ…
聞きたかったー!



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「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」

2020年08月23日 | コメディ
モリーとエイミーは成績優秀な女子高生でイェール大学への進学も決まっていた。
将来のキャリアのために努力を積み重ねてきた2人、とくにモリーは
遊んでばかりのクラスメイト達を落伍者として見下していたが
彼らがそれぞれ一流大学や企業に進路決定していることを知りショックを受ける。
それでクラスの人気者が主催する卒業前夜パーティーに乗り込んで行き、
勉強ばかりではなく遊びもこなしているところを自他ともに証明しようとするが…
というあらすじ。
青春コメディです。女子同士の青春コメディというと、
おしゃれに恋にパーティーデビュー、とキラキラしたものが多かった。
でもこの映画は譬えるならサイモン・ペグとニック・フロスト、
セス・ローゲンといったナード同士、
やや癖の強い、あるいはちょっと駄目な親友同士が、
恋が上手くいかなくったって、お前がいれば人生最高だぜ!イエーイ!
ってやるような作品、ああいうカテゴリです。
これは本当に珍しく、他には1本も思いつきません(私は)。

あと大人が単なるモブではなく、それぞれ人生があって、
できる範囲で子供のために何かしようとして、
でもやらかしもするところよかった。

嘔吐シーンがあります。

内容ばれ

RBGやミシェル・オバマの写真を飾り、
マララさんをリスペクトするモリー、
クラスメイトの性指向について特に過剰反応はなく、
トイレがジェンダーレストイレの学校、
同性愛者の娘を応援するクリスチャンの親、等々
たぶん2人の家庭が中流以上のリベラル、
学校もランクが上なんでしょうけど(クラスメイトみんなお金持ちだ)、
ここ数年間に見た学園ものからまた1、2歩進んでいるので
わーって思いました。

でもホグワーツの寮分け話題っていまだに定番なんですね(笑)
つよい…。

エイミーのプールの潜水シーン、とても奇麗だった。
あんなに切ない失恋をしたのに親友のことを思い遣れる強い子。
そこからのクラスメイトとの口論、からの性の暴走、
そして定番の初心者ゆえの失敗、なにもかも甘酸っぱい。

話は脱線しますが、今回コメディ部分はもっとやれる!がんばれ!
って思ったんですが、世界的に見ても女性のコメディアンが少ないのは
ねたが難しいっていうのがある気がするんですよね。
定番の全裸ネタや性器ネタでも、
男性が言うのと女性が言うのでは意味合いが変わってしまう。
それからジョークって一種攻撃的な部分があるんですけど、
(あ、攻撃的というのは、つっこみがキツイのとは違いますよ)
そのせいか、ジョークがキレキレの女性って
異性に、または場合によっては同性にも敬遠される傾向にあるように思う。
なので女性によるギャグの定型の蓄積ってあまりないような…。
(2人が薬で見る幻覚のシーンや、衣装を変えるたびに褒めまくるシーンとか
ああいうの今後増えて洗練されていってほしい)

ピザの配達人さんすごい意識高い!って思ったらオチで笑った。
笑ったといえば、どこにでも出てくるジジ、ホラーめいてたけど
キャリー・フィッシャーの娘さんだったの!
ちょっと大人顔だけど高校生に見えたよ。



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「ディヴァイン・フューリー 使者」

2020年08月14日 | ホラー映画

総合格闘技の世界チャンピオンの主人公は
クリスチャンの家庭で育ったが、幼少期の出来事が原因で
信仰を失っていた。
海外遠征の帰路で、彼は手のひらに痛みを覚え、
いつの間にかできた傷から血が流れている事に気づく。
検査をしても異常の見つからないその謎の傷について
調べるうちに、彼はヴァチカンから派遣された
悪魔祓いのスペシャリスト、アン神父と出会う…というあらすじ。
ワクワクB級ホラーです。原題は「使者」。
柔和だけれど案外押しの強い年配の師匠と
短気でファザコン、つまり年配の男性に弱い最強の弟子のバディが好きな人におすすめ。
あ、「NY心霊捜査官」が好きな人にもおすすめ。
信仰心がないものに能力があり、神父と組んで悪魔を払うところが同じ。
「エクソシスト」のカラス神父とメリン神父萌えの人にもおすすめ。
(繰り返しますがB級ホラーですよ。怖いのが苦手な人は無理です)

主人公の手の傷は聖痕なんですけど、
格闘技の選手なので、悪魔をパンチでぶちのめすんですよね。
ほらなんかワクワクするでしょ。

出演者のどなたかが人気なんだと思うんですが、
上映1時間前で残り座席僅かでした。危なかった。
主人公くんは「パラサイト」の長男くんの友達の元々家庭教師だった子、
逃げ出した神父くんは「パラサイト」の長男くん。

ラストまでバレ

師匠がかわいかった。
デリバリーの包装の開け方が分からなくて、主人公の開け方を真似るところとか、
主人公くんが「あなたは信頼できる」って言ったら
「ついでに神も信頼しては?」って押すところとか。

韓国は、行ったときに教会が多くてびっくりしましたが、
キリスト教徒が多い。
信仰が渡ると同時に悪魔も輸入されるんでしょうね。
日本よりは悪魔祓いの物語に違和感がない。
面白かったのは、土着信仰の巫女てきな女性にも悪魔が見えて
アドバイスができるところ。
内科ではだめだから耳鼻科に行きなさい、みたいな感じだろうか。

主人公の祭服がパツパツで、ふいてしまいました。
その上に革ジャンを着込んで、バイクに乗った!
日本で映画化するならこれLDHだな絶対…。

ラストにドラマ「ハンニバル」のトーテムポールっぽいのが出てきて
「キャッ」って思ったけど(トーテムポールが好きだから)
戦わずにすぐに引っ込んでしまった…恥ずかしがり屋さん。
ところで悪の社長は本来の仕事を全然してなくて大丈夫なのかと途中思った。

ラストの確率は五分五分だと思いましたが、ハッピーな方に転んでよかった。
ジェラートとかもう…ありがとうございます!そうですか!お幸せに!
(最後はMCU的に終わった)
(私はチェ神父にとり憑いた悪魔がどうなったかを見落としたっぽい…)



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「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」

2020年08月11日 | コメディ

「スイス・アーミー・マン」監督の
ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン作品だと思って見に行ったのですが、
今回はダニエル・シャイナートのみの参加で、脚本は別のひと。

ジーク、アール、ディックの3人組は趣味でバンドを組んでいるボンクラ仲間。
いつものように練習が済んだ後はお楽しみの大麻に花火に銃の試し撃ち、焚火への放尿、
いつものくだらない遊びをしていたが、ディックにある異変が起き、
彼らはそれを何とか隠蔽しようとして四苦八苦する…というあらすじ。

サスペンスではないので謎解きは期待しないほうがよいです。
駄目な人間がもがいてもがいて、どんどん駄目になっていく状況を
ただぼんやり眺めるのが好きな方や、
脱力系のばかばかしい映画が好きなかたにはおすすめ。

オチばれ

クロゼットゲイがハチャメチャに罵倒されるのと、
ゲイフォビアのゲイによるゲイ罵倒があるので、
「トラウマのある方は注意」と書きたかったが、微妙にねたばれだからな…。

元になったのはたぶんイーナムクロー馬姦事件だと思うんだけど、
そうか、当時はまだ獣姦に対する法が整備されてなかったのか。

ジークとアールは悪い人ではないんだろうけど、
うーん、なんだろう、問い詰められるとなんか嘘ついちゃう人っていますね。
ああいう感じ。整合性とかは全くない。
獣姦ではなくても、人には言えない性癖があって、
そのために色々なことが滅茶苦茶になって、
友達を物のように地面に放り出して逃げて、皆が傷ついて、
いいことなど一つもない。
(ところでディックの死体を演じているのは監督です。死体、好きだね?)

「スイス・アーミー・マン」のときの笑いのセンスは下品でも好きなんですけど
今回は女児に性的な言葉を言わせて親がたじろぐコメディとか、
なんか泥臭い。監督がピン活動のせいなのかな?
奥さんの顔芸すごかったけど、女性を出さないほうがいいように思う。
一応探偵役の保安官も部下も若くない女性とか面白かったし、
女性カップルも出てきましたが、
ゲイを差別する映画ではありませんというアリバイ以外の意味は
あまりないように思えた。

次回作は2人揃って監督、脚本も兼任のようなので期待してます。

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「カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-」

2020年08月02日 | ホラー映画

何度か映像化されている、
H・P・ラヴクラフトの「宇宙からの色」の映画化。
アメリカ・ポルトガル・マレーシア製作。

アーカムの農場で暮らすガードナー一家は
家族思いの父と、療養中の母、
長男と次男、長女の5人家族だった。
ある日、彼等の土地に隕石が落下し、
少しずつ周囲の植物が変容し、影響は家族にも及ぶ…というあらすじ。

宇宙人のせいでなんかおかしくなるホラーって難しいので
トンデモ映画になりそうだなと思っていたけど、
わりとちゃんと商業ホラーになってた。
ニコラス・ケイジが全力で怪演します。いい人だ。
でもみんなで見てキャー!っていう内容じゃないので
ホラー好きな人だけどうぞ。

かわゆい動物たちは残念ながら無事じゃないです。

内容バレ

隕石の描写を極力削ったり、ガードナー一家を元都会人にしたり、
隕石の影響の恐怖だけではなく、
親の様子がおかしくなっていく人間こわい演出も混ぜたり、
水質研究者を支柱にしたり、細かな工夫がありました。
(ラヴクラフトはガチの差別主義者なので、墓の下で激怒してるかもだけど)
(それと原作にはない癌の話って、病気による愛する家族の変容のメタ(略))

アルパカちゃんたちの合体は、遊星からの物体Xの犬小屋を思い出しました。
ピノをうっかり溶かしちゃって、慌ててもう一度冷やしたみたいな!懐かしいです。
お父さんが必死だったので、いくらするのだろうと調べたら
アメリカだと250万円くらいらしいです。4頭で1千万円かー!まあ怒るなそれは。

アメリカの包丁ってよく切れるんだな!?ってびっくりした。
あとネクロノミコンどこで入手したの!?

話とは関係ないが、
上水道に水を供給するダムにタバコをポイ捨てする描写が生理的にだめだった。
宇宙トマトと宇宙カマキリのほうがまだマシだ。

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