映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」

2019年12月31日 | 特撮映画

ジオウ&ゼロワン映画です。
ジオウが元々世界改変もの、他ライダーとのクロスオーバーものという設定なので、
比較的すんなり絡んでました。
平穏に学園生活を送っていたジオウ3人組だが、ある日突然
ヒューマギアというロボットが支配する世界に変わっていることに気付く。
ゼロワンの主人公或人も、自分が飛電の社長ではなくなり
ヒューマギアが会社を運営している事に気付いて驚愕するが、
邂逅した彼等は、何者かによって過去が書きかえられたのをつき止める…というあらすじ。

今回アクションシーンに力が入ってました。
バルキリーとバルカンのコンビプレイも良かったし、
レジスタンスの戦闘も凝ってた。
ウォズのアイテムを生かした攻撃も良かった。
というかウォズ…!

お父さんと一緒に来た女児ちゃんがいましたが、
女児ちゃん1人客をライダー映画で初めて見かけたかも。
やっぱりバルキリー目当てかな?格好いいもんね。
ゼロワンは、私の記憶している限りでは初めて女性ライダーが
レギュラーとして戦い、それが補佐でも無能でも感情的でもない
有能なライダーなので応援している。
あちらも慈善ではないので、おもちゃの売れ行き次第だろうけど。
売れて!

ラストばれ

本編では割と悲しい事になった迅さん滅さんが
スタイリッシュに元気よく活躍なさっていてほっこり。

ジオウは、最終回で望まない結末を迎えた主人公が
世界を作りなおすという、わりと闇なラストだったんですが(私にとっては)
今回記憶を取り戻して
葛藤とかは特になさそうなところが魔王っぽかった。
あと最後、屋上にウォズが居て、
見守ってる感じなのかな?と思った。

ウィルのあの理由のよく分からない其雄への執着、恋ですね。
ワズ、イズ、ウィルで過去現在未来になってるの、気付かなかった。
混ぜてもらいなさいウォズ。

ロボットのお父さんを笑わせるためにコメディアンになった息子、
心がないから笑えないよ、と諭す父、とってもいい話しなんですが
同じ時期に山本耕史さんが「貴族誕生PRINCE OF LEGEND」で
ものすごく悪い役を演じておられて、しょっちゅう「カーッカッカッ!」
って笑っておられるので、複雑な気持ちになりました。

ヒューマギアの権利、労働の対価について主人公はどう考えているんだろう。
そこらへんうやむやになったので気になった。



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「羅小黒戦記」

2019年12月29日 | アニメ映画

SNSで話題になっていたので見に行った中国のアニメ。
本当に良かった。立ち見で、老体にはきつかったけど最後まで集中して見ました。

https://www.youtube.com/watch?v=CoDiVu016Dk&feature=emb_logo

評判通りよく動くんだけど、でも観終わってからこの映像を含む色々な予告を見ると
「このシーンもこのシーンも彼等は言いたい事を飲みこんで戦っている、
その良さがイマイチ伝わってこない!もどかしい!」って思うので、
細かいセリフや人物描写もとても上手かった。

中国のアニメの中ではこの作品はどういう位置なんだろう。
このレベルのアニメがボコボコあるならすごい。

人間の世界の片隅にひっそりと生きる妖精たち。
森で平穏に暮らしていた黒猫の妖精、羅小黒(ロシャオヘイ)は
土地開発で住処を追われ、人間を憎んで生きていた。
ある日、危ういところを同じ妖精のフーシーに救われた羅小黒は
彼らのグループに迎え入れられて安全な家を得るが…というあらすじ。

あらすじでも全然良さが伝わりませんが、
あまり書くとねたばれだからなあ。
バトルとキャラクター設定と時々入るコメディ絵が、
ものすごくジャンプで覇権とりそうな少年漫画テイストなので、お好きな方は是非。

オチばれ

これ最初から執行人視点だとごく普通のX-MENになってしまうので、
羅小黒(ロシャオヘイ)視点にしたのが大勝利だと思う。
それに加えて、4分の1ほどの時間を羅小黒(ロシャオヘイ)とムゲンの旅に充てて
ロードムービー風にしたのは、ものすごい大胆な構成だけど、めちゃくちゃ効いてる。
羅小黒(ロシャオヘイ)がムゲンへの警戒を解くのと、
観客がムゲンへの警戒を解くのがほぼシンクロして、
ラストバトルは羅小黒(ロシャオヘイ)と一緒に葛藤できた。
(おいしそうなものを食べるシーンが多い映画は好きです。肉まんと桃がおいしそうだった)

ムゲンの人物設定、アニメによくいる長髪達観系でしょ!って思ってたけど
もっと細やかで、たとえばセリフひとつとっても
羅小黒(ロシャオヘイ)に対して「偉い」って上から言わずに
「偉いと思う」ってぽつりと言うところとか、
仲間から尊敬はされているが微妙に距離を置かれているところとか、
たぶん設定はあれの3倍くらいあるんだと思う。魅力的なひとだった。

あとアクションもよかったけど
モブ執行人たちの能力発動シーンもよかった。
無意味にビルの屋上に立って執行人ごっこしたくなる!
というか中国の子供らは多分やってるよな!?

ジャンプで連載してたら、たぶんしばらく師弟執行人編が続いて、
途中からムゲン様の昔の弟子のメガネが出てきて、そのひとが実は闇堕ちしてて、
「お前はなぜあの人のそばにいられるんだ!?」って羅小黒(ロシャオヘイ)を拷問する話があって、
それから今回の映画の人達の脱走話、
あとムゲン様がなぜあんなに強いかという過去編からの
現在の妖精界で突如決定するムゲン様の処刑判決、
もちろんムゲン様側につく羅小黒(ロシャオヘイ)、
このあたりで2人の強さが逆転して、
それで最終編は、羅小黒(ロシャオヘイ)のもうひとつの人格が
人間を滅ぼすと決意して…という話ですね(この段落息つぎなしで)。

ところで霊域でのラストバトル、相手の意志を奪って操り人形にできるという設定の筈ですが、
どうしてそうしないんだろう…?ってちょっと不思議でした。
女性向けのアダルト同人誌がたくさん出てしまうからですかね、やっぱり。(息つぎなしで)




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「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」

2019年12月24日 | アニメ映画

ドリームワークス作製のアニメシリーズ、3作目の完結編。
このシリーズは面白いのになぜか2作目は劇場公開されないという憂き目に遭い、
3作目の劇場公開など絶対に無理だろうと思っていたら
このアナ雪とスターウォーズの大混雑期に公開してくれた。
集客は苦戦しそうだけど有難い事です!

冒頭にこれまでのあらすじをざっとまとめてくれてるので
大体のところは分かるんですけど、
この作品の良さって王道から外れた面白さなので、
(主人公がマッチョ陽キャではなく、
コンプレックス、ハンディキャップ持ちの頭脳派、
父親ではなく母親が使命のために家庭を捨てた強キャラ、等々)
できれば前作2本を鑑賞してほしい…。
監督のディーン・デュボアは「リロ・アンド・スティッチ」の人。

ドラゴンの保護に精を出すヒックたちだったが、
数が多すぎて島は飽和状態だった。
ヒックはかつて父が話してくれた、この世の果てにある
ドラゴンの聖域の伝説を思い出す。
そんな折、最悪のドラゴンハンターがトゥースに目をつける…
というあらすじ。

綺麗に収まった完結編でした。
トゥースをはじめとするドラゴンたちもみんな可愛かった!

ラストばれ

ドラゴンはペットではなく、
人間と対等の生物なんだよね…?と思ってたので、
本当に良いラストでした。共に暮らせる日が来るまではお別れ。
自分たちの世代では無理でも、次の世代か、または次の次の世代で。

終盤に唐突に女子が降って湧いて
カップリング☆ハッピーエンド!は苦手なんですけど、
同族異性いないとトゥースは本当に独りぼっちだし
種としても滅んでしまうのでな…。
(あとアスティも、ややヒロインムーブしすぎかなとも思いましたが)

様々な色や形のドラゴンが無数に舞う空は
自分が描くことを想像したら発狂しそうだったし、
聖域と、そこに入ると別の色に輝く
ドラゴンの鱗が綺麗だった(「リメンバー・ミー」の聖獣のような内側から発光する感じ)
それと2匹のフューリの動きが本当の生物っぽくて魅力的だった。
特に好悪で瞳孔の大きさが何倍も変わる所と、
ギャロップした時の背骨がたわむような動き。

地震や噴火は勘弁してほしいけどね!(笑)



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「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」

2019年12月22日 | SF映画

旧三部作、新三部作に続く、続三部作の完結編。エピソード9です。
再びJ・J・エイブラムス監督がメガホンをとりました。

カイロ・レン率いるファースト・オーダーに抵抗するべく、
レイア将軍のもとに集ったレジスタンスたちは、
早急にとある重要人物のいる惑星を突き止める必要にかられていた。
俄かにフォースの増大を見せるレイは、
相変わらずカイロ・レンとの精神同調に苦しみ、
そしてとうとう自らの出自の秘密を知ってショックを受ける…というあらすじ。

スターウォーズ女子主人公編、完結しました。
女子主人公だからって依存的ではないし弱くもない、
過度に世話焼きでもないし献身的でもない、母性を強調されない、
意志の強い、スペックも高い、良い子だったレイちゃん。

キャリー・フィッシャーがEP8のあとに亡くなり、
未公開映像をつないでなんとか形にしたという事情と、
(レイア将軍に関してはかなり変更を余儀なくされたろう)
それとEP8が本当に無駄筋&無駄尺の多い暴れん坊映画だったので、
それらを飲みくだした結果、ストーリーハチャメチャ祭だったが、
レイとカイロ・レンの物語としては100点満点でした。
ああいうこじらせ男子の激重矢印と、鋼鉄女子による
永久のすれ違い、特にオタクの大好物なんだよね…。

公式から注意が出てますが
冒頭にかなり強い光の点滅シーンがあり、苦手な方は用心ください。

ラストばれ

相変わらずのおつかいゲー展開で、
前2作でまったく触れられなかった事実が唐突に明らかになり、
レイちゃんは誰の話も聞かず勝手にどこかへ行ったり消えたり、
あと何をやりたいのかよく分からない人もいましたが
(名前を言ってはいけないPとか、
レイちゃんを殺したいのか、女帝にしたいのか、
エネルギーを吸いとりたいのか何なのか。大丈夫?寝てるの?)
でもラストのセリフはよかった。
ホラー文脈で見るとスカイウォーカー家って物凄く呪われし血筋なので
(普通に死ねた人がいない)ベンくんが最後に呪いを断ち切って、
そしてレイアとルークの志を受け継ぎ、ベンを愛した
レイちゃんが名前を継承したってことでいいんじゃないかと思う。

JJ監督の作風=調和だと思う。
逆に言えば偏ったもの、尖鋭的なもの、時代を先取ったものは彼には撮れないし、
バランスのめちゃくちゃになった物をまとめる場合は今回のような事になる。
でも健闘したと思います。お疲れ様でした。
あのレイとカイロ・レンの思考と視界を共有する描写、
ああいうオタク燃え描写はやっぱりJJ監督がうまいですね。
とうとう物理共有までやってライトセイバー受け渡しとかしてましたが、
あそこも最高に燃えました。
JJはフィン贔屓だと思うので、
新しい女性キャラクター、ジャナが出てきていい感じになるけど、
ポーからフィンへの矢印がぶっとすぎて怖かった。銀河の恋泥棒フィン。
前回フィンとフラグを立てかけたローズは空気でしたが、
あれはバッシングが酷かったのでそれを斟酌したのか、又は中の人の要望なのか、なんだろう。
でもフィンの矢印はずっとレイに向いてたように見えた。

ポーといえば、「敵が多すぎた……」ってセリフで本当に、
誇張でなくふきだしてしまったんですが、もうちょっと事前に
アンケートをとったり、出欠ハガキをだしたり、あるじゃない?
レイアはああいう目ヂカラの強いチョイ悪おとこに弱いから、
最後の人選を誤ったのだと思う。いやでも仕方ないな。最期バタバタしたし。

結局ベンを真人間にするために父も母も死ななければならなかった訳ですが
(元々予定されていたストーリーは違うでしょうけど)
なんかレイちゃんを助けに駆け付けた格好が、
帰省した息子が実家でだらだらしているときの部屋着みたいだったので許した。
お前もうちょっと他にSFっぽい服を持ってないのか。

レイちゃんは、例の名前を言ってはいけないPにとどめ刺すときのウガーって顔が、
奈良美智さんのイラストの女の子みたいでかわいかったなあ。
色々なひとががんばれ電報をくれたけど、
残念ながら一番の推しジェダイのクワイ=ガンの声が聞き分けられず無念だった。

ハックス将軍渾身のオチにはびっくりしたんですが、
びっくりしたとほぼ同時に死んだので、「ハッ…エッ…死!?」みたいな印象でした。
チューイ爆発イリュージョンについてはトリックが良く分からない。
フィンが上空を指差したのを、レイと我々が輸送船を指していると誤認したのか?

前作EP8について結構ボロカスに書きましたが、
ライアン・ジョンソン監督はもっと閉じた空間か
限定された登場人物による作劇のほうが向いている気がするので次回作を楽しみにしています。

エンドロールが名曲メドレーでしたが、ジョン・ウィリアムス、神…!と思いながら聞いていました。
何十年聞いても聞き飽きない。どこかが国歌にすればいいのに!と思います。
おそらくまた新シリーズが始まるでしょうけど(今度こそキャラクター総入れ替えになるとよいのですが)
テーマ曲はずっとこのままがいいです。



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「屍人荘の殺人」

2019年12月16日 | サスペンス映画

同名推理小説の映画化。
日本の映画界はなぜかゾンビ映画である事を隠す傾向にあり、
この映画の予告もそうでしたけど、ゾンビが苦手なひとは本当に苦手なので、
「映画見るのもうやだ…」っていう人を増やして自分の首を絞めてるって
早く気付いてほしい。
(ゾンビ部分が途中の意外な展開にかかわっている訳ではない)
(学園生活とJKとゾンビの例のあの作品とかならまあ隠すのも分かる)
ゾンビミステリーです。
ゾンビ部分が推理の法則の根幹を為すという種類の作品で
同様の推理小説に「生ける屍の死」等があります。

推理小説好きの葉村は、ミステリー愛好会の明智に強引な勧誘を受け
同サークルに所属して、探偵ごっこが趣味の明智に、
アシスタントとして使われていたが、
あるとき同じ大学の剣崎という美少女から、
ロックフェス研究会で起きた脅迫事件の謎を解いてほしいと依頼を受け、
彼等の合宿に同行する事になる…というあらすじ。

原作は推理小説にラノベのキャッチーさをちょいと混ぜたような感じでしたが、
映画は万人受けするように推理小説のエグ味を抜いて、
ラノベっぽいところも極力抜き、登場人物はユーモラスにしてあって、
大変楽しめました。
しかし原作読んでない人が、他の映画と比べて楽しめるかどうかは分からない…。

2人のホームズと1人のワトソンがとっても可愛かった。
3人の作画を楽しみに行くと良いと思います。

ラストばれ

冒頭の謎解きや、途中のオリジナルの謎解き要素が上手く足されてました。
微妙に明智さんが上げてもらってた気がする。
明智さんと、葉村くん、剣崎さんの描き方は
映画のほうが好きです。
原作の映画研究会をロックフェス研究会に変えたり
登場人物の設定を少しいじったのは、より分かりやすかったです。
ゾンビパンデミックの仕掛け人、斑目機関についてバッサリ切ったのは、びっくりしたけど。

ただ勝手ながら明智さんの生死が不明な感じだといいなと思ってたので
例のシーンが最後までなくて、あっ?これは…?
と期待したのですが、なにもラストにすることないじゃないの…。
というかなんか最後にホンワカしたシーンを入れた方がよくない?
大丈夫?役者さんのファンのかた、ポカーンとなさってない?
ポカーンと言えば、冒頭の横溝ネタ、
7割くらいの人が分からないと思うけど、
あんなに意味ありげに出しちゃって大丈夫?伏線だと勘違いされない?
監督脚本がTRICKの人だそうなので、TRICKっぽくしたかったのかな。




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