映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ベイマックス」

2014年12月22日 | アニメ映画

主人公が日本人のディズニー映画ということで
ちょっと話題になっていたアニメです。
機械オタクの少年ヒロが、火事で亡くなった兄の残したロボット、
そして兄の友人の理工系オタク達とともに
兄の死の謎を解明するというロボットヒーローもの。

ヒロは天才なんですがウルトラスーパーブラコンで、
兄弟の相思相愛度は100%、
兄の友人たちも皆いいひとで、専門分野で大活躍、
ベイマックスは戦闘力もありますが、
ぷにぷにの姿とふわふわの性格というゆるキャラ的な一面もあり、
細部まで詰めに詰められた設定と脚本です。
王道のあらすじは、起承転結において誤選択を許さないという
繊細なところがあると私は思うのですが、
なんかこれは100問100正解を軽く叩きだしている印象です。
どきどきして、すかっとして、あー楽しかった、と帰れる娯楽映画。

内容ばれ

架空の街サンフランソーキョーは「奏京」って書くのね。

身体が冷えたヒロを暖めるために、
ベイマックスが自分の設定温度をあげてふんわり包んであげたら
ほかのみんなもフラフラあつまってきて、結局団子になっちゃってるシーン
震えるほどかわいかったな…。

エンドロール後におまけ映像があります。
アメコミファン、MCUファンは必見なので席を立たないこと。

「シンデレラ」予告
アナと雪の女王の特別編が同時上映されるとのことで、
稼げるだけ稼ぐつもりだな…と思いました。
姉妹のその後は普通に楽しみですけどね。



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「チェイス!」

2014年12月18日 | アクション映画

地方ではそろそろ公開が終わりますが、
すごいブロマンス映画だったので取り急ぎお知らせしておきます。
インド映画なので、やや長い踊りと、やや長めのカーチェイスシーンが平気で、
そしてブロマンスならどんな組み合わせでも大抵幸せになれます、
という性質の方は劇場へぜひ。

シリーズ3作目ですが、1話完結形式なので別に問題ありません。
というかアメリカ映画ではない作品が、
突然3作目からシネコンで上映するというのは異例中の異例なので、
なにかが配給会社の琴線に触れたのでしょう。
そして大きいどんでん返しが途中にあるので、検索はしないほうがいいです。

あるサーカス団の団長が、銀行の融資を受けられず自殺した。
時は流れ、成長した彼の息子がその銀行に復讐を始め、
ムンバイから特別に呼ばれた刑事が彼を追う、というあらすじ。

おちばれ

復讐する泥棒とそれを追う刑事さんが仲良くなって…って
これ「キャッツ・アイ」やがな!(泥棒も男だけど)

プリースト原作の例のあの映画を見ているので、途中で仕掛けは分かった。

シルク・ドゥ・ソレイユというか、劇団四季というか、上海雑技団というか。
インドのサーカスっていまあんな感じなんだろうか…。面白そう。
あと踊り子役の女優さんが筋肉のちゃんとあるすごい美人だった。
ダンスシーンとてもよかったです。
(カーチェイスはもうちょっと短くてもよい)

二次創作が即ねたばれになってしまう腐女子泣かせの設定だと思います。
私もこの作品の属性が大好きな友達に今すぐすすめたいのに、
すすめるとねたばれなので言えなくて苦しいです…。
今あなたの脳内に直接語りかけています。自力で気づいて!

靴ひもの設定がうまかった。
あとさり気なくあしらってある天使の羽のモチーフが良かった。
(寝室の壁とか)

エンディング、美女のセクシーダンスと男同士のいちゃいちゃが交互に流れて
もう転げまわって笑いたかったんですけど!!
どのショットもそのままBL本の表紙に使えるクオリティでした。

オタク男女がデートで見に行って、どっちも大満足できる稀有な映画と言えるでしょう。

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「ゴーン・ガール」

2014年12月17日 | サスペンス映画

フィンチャー監督のサイコサスペンスです。
後味が非常に悪いので、カップルや家族などでは見ない方がいいです。
男女の意見は割れます。特にカップルには鬼門映画でしょう。
(ディベート大好きカップル以外)
スタイリッシュ映像は今回抑え気味ですが、
それでも監督の得意分野なので熟練の腕前がたっぷり楽しめます。

5年目の結婚記念日にニックが帰宅すると、
そこに妻の姿はなく、室内には荒らされた形跡があった。
警察は失踪事件として調査を開始するが、
ニックの行状が明らかになるにつれ、警察はニックに疑いを持つようになり、
マスコミの報道は日に日に苛烈なものになっていった。というあらすじ。

内容ばれ

登場人物全員、あまり好きになれなかったので、
誰にも感情移入せず見ていたのが良かったようです。
そんなにつらくなかった。
あと「ニンフォマニアックVOL2」を最近見ていて、
後味の悪さに対する防御力がMAXだった。

女はパートナーの男に合わせて自分を変える。
という妻の独白部分で、最初に出てきたのが
男がオタクだったら、という例だった。その次が脳筋。
アメリカでも脳筋はモテなくなったとは聞いてたけど
オタクが増えてるのか?

オチバレ

立ち上がって「異議あり!」と言いたかった…。
だって、あの別荘の使用開始日は証言と食い違っているのだから
水道ガス電気の使用状況を調べようよ…。
別荘内の録画された映像も日数が足りない筈だよ。
他の場所にいたのならそれはどこで証拠は何?
誘拐されたと証言した日の同級生さんは何か別の事をしていた筈ですよ?
絶対証言してくれる人が出るよ。
本当に誘拐犯だったなら、移動手段はたぶん車で、
目撃情報やカメラに記録が残るよ。走行距離に給油に。調べようよ。
同級生さんに事情を話した日のレストランのカメラや、
お客さんによる目撃情報もある筈。
あとクレジットカードの使用記録。婦人用品を買い始めたのは何日か。
……右 京 さ ん が い れ ば !
って思いましたね。
そうしたら今頃花の里で例のテーマが鳴って
「僕は結婚がどういうものか分からなくなりましたよ……」
とかカイト君が言っておしまいだったのに。

原作小説は分からないけど、映画はたぶんミステリ要素は主流じゃないから
これでいいんでしょうけど…。
考えたんですけど、「ローズ家の戦争」みたいな解決のほうが
遥かにまともで健康的でハッピーですね。
殺し合って死人が出た方がまだましな場合ってあるんだな。

地獄の釜の蓋が開いて、
ミソジニストとミサンドリスト、関ヶ原の戦い!
みたいな映画感想が飛び交うかな…どうかな…。
あるいはアナ雪のエルサと比較されたりとかするのかな…。

「もう浮気はやめる」的な男性の感想を読んで
そういう見方をするならこれは「危険な情事」のハイエンド版だな…と思いました。

さーて来週のサザエさんは
「ハイスペックなのにフリーなひとは、それなりの理由があります」
「ハイスペックな配偶者を持って、
そのうえ若いのと浮気とか調子こいてると地獄を見るよ!」
「カツオおおあわて!」
の3本です。 来週も見てくださいね。

原作者(兼脚本家)さんは女性で、
夫さんと息子さん、猫と暮らしてらっしゃるそうです。


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「ホビット 決戦のゆくえ」

2014年12月16日 | 児童文学系映画

3部作完結編です。
原作の終盤は事実だけを簡潔に記すスタイルなので、
今回、原作4割、PJの盛りが6割という感じ。
でも観客の知っている指輪の花形スターたちが特別出演で活躍して、
オリジナルキャラクターたちが彩りを添え、
主要登場人物たちはどんどん補完され、
心情を表現するためのセリフやエピソードが足されました。
そして正統派ファンタジー世界の美術に関しては
いまだ王者PJ揺るがず!右に出る者なし!
という建造物の作りこみでした。

見終わると猛烈に指輪3部作を見返したくなるので、
おうちにDVDをスタンバイして、
今回の映画を見たあと
スライディング帰宅で上映会に移行する冬休みもいいかもしれません。

内容ばれ

・スマウグさん、街の燃やし方が丁寧。
 トーストのバターとか、満遍なく均一に塗りたいタイプ?
・光はひとつではない、からのオールスター登場の流れは神。
 ペンライトとか振りたかったです。
・でも本気だした奥方はちょっとジャパニーズホラーだった。
・あいかわらずのガンダルフ(物理)
・スマウグどんの体をばらして、それを売って再興資金にしちゃどうだね?
 と思うパシリムファン。
・何を隠し持ってるんだ、見せろ!からのドングリの流れは神。
・大ミミズはあのあとどこへ行ったんだろう。出オチ芸人みたいだ。
・出オチ芸人といえば、頭突きドーンで壁を壊して
 そのあと気絶してたやつもそう。
・まゆげエルフことスランドゥイルさまの必殺技「ヘラジカ断頭台」が最高でした。
 すごい複雑な入力コマンドがありそう。
・ヘラジカ(なのか?)に乗っている時はスターマリオ状態で
 降りるとなんかダウナーになってしまうのはかわいかった。
・首飾りが欲しくて、やる気満々でやってきて、
 エルフの戦死者を見たら「もうやだ!帰る!」って女子か!
 ってつっこみを入れたくなりました。
 (首飾りは実は彼にとって妻にまつわる大切な物だという設定があるらしいですが)
・相変わらずレゴラスのアクションはスタイリッシュ物理無視エルフアクションで、
 (お父さん譲りかなと思わなくもない)
 特に崩壊していく石畳の上を飛んでいくところは
 「タイミングを合わせてAボタンを連打しろ」って
 画面下にメッセージが出そうでした。
・私、実は原作ビルボの終盤の行動が唐突すぎてついていけなかったのですが
 映画の描写だと納得できました。一応相談もしているし。
・そのせいで、ややトーリンが割を食ってしまった感ありましたが
 (憑りつかれすぎというか)これは仕方ないですね。
・永遠の別れに際して、あのまさにビルボそのものの取り乱しかた。
 マーティン・フリーマンの仕事が完ぺきでした。
・淡白な終わりかたで、それが良かった…。



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「ニンフォマニアック VOL2」

2014年12月05日 | R18

色情狂の女性の一生を描いた映画の後篇です。
1よりは2の方がきついです。
まさかの満席でした。洋画で満席なんて滅多にないんですが、
あのひとたちが全員トリアー監督のファン…な訳はないし、
やはり半分くらいは性的なシーン目当てのひとなのか…?
ブラックユーモアの発想といい間の取り方といい本当に巧いですが、
全方位に耐性がある人以外あまりおすすめしません。

内容ばれ

身構えていたのでそれほどダメージはなかったです。
むしろそんな雑な手段で観客に傷をつけようとは、ヤキが回ったな!
という印象(←戦っている?)

VOL2ではSMとカウンセリングと同性愛が描かれます。
15歳×50歳(役柄の年齢)の百合かー!と思ったけど、
あまり百合萌えのひとたちの喜ぶ百合ではなかった。

今回サディスト役で出てきたジェイミー・ベルが素敵でした。
ある程度の経済状態、性格の水準を満たして(たぶん)選ばれた女性だけが
事務所のようなところで夜通しひたすら待ち、
その日、彼に選ばれた者だけが鞭を受けることができる秘密の会合。
金銭の授与はなし(たぶん)。性行為もなし。
服装は普段着で部屋も素っ気ない事務室なんですが、道具は使い込まれていて
なによりSM行為にのぞむ彼の真剣さ。
あっ、なんかこの人の事が理解できると思いました。
なんとなく趣味の創作をする姿勢にすごく近いものがあったような…。
このひとはジョーにキスをされて動揺して拒絶するのですけど、
ああ、真剣に合同誌の内容を検討している時に
突然せまられた感じなんだろうなきっと…とそう思いました。
そしてこの人は全然ヨゴレのシーンがなく、
上半身すら脱がないままフェイドアウトした。
(脱がないまま終わったと言えばウィレム・デフォーもそうですが)
このひとが縛り上げられる二次創作小説が読みたいです。英語ならあるかしら…。

独白の聞き手セリグマンのつっこみも、後篇なだけあって冴えてきて、
わりと頻繁に笑いがおこっていました。

セックス依存症題材の映画は
スティーヴ・マックイーン監督の「SHAME」がありますが
見比べるととても面白いです。
「SHAME」のほうが主人公に対して優しく甘い。感傷的。
「ニンフォマニアック」は主人公に対して冷笑的。
むしろ性的な事柄すべてへのリスペクトと探究心を強く感じます。



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