映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「クワイエット・プレイス DAY 1」

2024年06月30日 | ホラー映画
音にのみ反応するクリーチャーに支配されたアメリカで
サバイバルを繰り広げるシリーズの前日譚。スピンオフです。
監督はジョン・クラシンスキーではなくマイケル・サルノスキ。

主人公は余命を宣告された癌患者。
ホスピスのレクリエーションで出かけたニューヨークで
宇宙人襲来を目撃する。
パニックになる都市で、彼女は飼い猫を連れて生き残れるか…?というあらすじ。

サバイバルホラー色は少し薄くなって
人間賛歌てきなテーマがある今回。
主人公サムが連れている猫のフロドがかわいい。
エイリアンの襲来でめちゃくちゃになった都市でも
ぴかぴかに輝くうつくしい毛並みのハチワレちゃんです。
もちろん最後まで無事ですが、
人間の食べ物を口にする描写があるので
苦手な人はちゅうい。

ラストまでばれ

むしろ今回のクリーチャーは
死や痛みの象徴なのかな?と思った。
音楽や文学、おいしい食事、友愛があるので
人間は死や痛みに支配を受けないという感じの。
ラストはそういう人間賛歌的なあれで、
エンドロールへのつなぎかたが完璧だと思ったが、
人によっては惨めな敗北ととらえるむきもあるだろう。

10年前の映画ならサムとエリックが性愛の関係になったろうけど、
(恋愛感情がなければあんな親切はしないという認識)
純然たる人間愛の物語だったのは、私は好ましく思った。

クリーチャーくんたち、泳げないのはいいとして
溺死するのがめちゃ早かった。
というか呼吸をしている?
隕石の中にいたとはいえ宇宙を飛んできたのに?
あと人間を食っているわけではなさそうと思ってたが
まさかの草食???
「ごはんよぉー」みたいな声掛けをしてたが
案外社会性がある?

その宇宙キノコをねこちゃんが食べてたようだが、
そんなばっちいもの食べちゃだめ!ぺっしなさい。

静かにするんだおじさん、2作目のあの人か!






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「ザ・ウォッチャーズ」

2024年06月23日 | ホラー映画

イシャナ・ナイト・シャマラン監督。
シャマラン監督の娘さん、初監督作品。
父の現場で経験を積み、今回デビューされたようです。
A・M・シャインの同名小説の映像化。

アイルランドのペットショップで働く主人公は
希少種のインコを遠方の動物園に届ける道中で道に迷い、
森の中のシェルターのような建物に辿り着く。
そこでは赤の他人同士が奇妙な共同生活を送っており、
夜になると窓の外に「彼ら」がやってくるという説明を受けるが…
というあらすじ。

ジャンルとしてはホラーです。
積極的に怖がらそうとはしてないが、
ゴキブリがうじゃうじゃしているシーンが一瞬だけあるよ。

ラストまでばれ

24歳(25?)でこの仕上がりはすごい。
お父さんに似てるなと思ったのは、
クリーチャーが出てきて人間が死んでも、
そいつをやっつけるのではなく、
対話によってお引き取り願うという決着。
登場人物がどことなく優しい。
ペットショップの店長も優しいし、
主人公の姉妹も優しい。
キアラはダニエルを気にかけてやり、
ダニエルはキアラのために彼女の夫を助けようとする。
(つまり性愛による優しさではない)
お父さんと違うなと思ったのは
女性の物語になっているところ。
色々な年代の女性たちが努力して互いに寄り添おうとする。

くたくたになって3人でバスに乗るところ、
音楽の音量を大きくしてほしいというところの雰囲気が好きです。

あとでじわじわ教授のクズ度が染みわたるのですけど
重機を使ったようでもないし、当時の建設技術で
手掘りであのシェルターを建てたとしたら
完成までに何週間かかっただろう。
それを1日13人、合計で200人?300人?
おいおい、大事件やろ、というのと、
おちんぎん支払ってないね…というの(むしろそれが目的では)。
それで本人「死んで、会うべき人に会う」てきなこと言ってるけど
えっもしかして天国に行くつもり…?
お前が行くのは地獄の特等席に決まっとるやろが!
おびただしい人間を殺しておいて、やっぱり恐ろしくなっちゃった!
僕ちゃん罪深ーい!死の!とかいうフワフワしたところとか、
リアリティショーを好んでいたところとか、
何もかも気持ちの悪い年寄りだった…。
やつが楽に死ねたのが少々不満です。
ところであのシェルター、
最初の目的からするとマジックミラーの内外逆にしたほうがよくない?




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蛇の道

2024年06月17日 | サスペンス映画
1998年の同タイトル映画を
黒沢清監督がセルフリメイク。
舞台はフランスに、新島が女性になりました。

8歳の娘を殺された父親は、日本人カウンセラー新島の助けを借りて
犯人を拉致し、尋問する。
しかし犯人と目星をつけた男は犯行を否認し、
父親は焦り始める…というあらすじ。

序盤から中盤にかけてはオリジナルとおおむね同じですが
後半から終盤はかなり違って、
サイコサスペンスとしてまとまった感じになってました。

ラストまでばれ

オリジナルの最後のほう、かなり荒唐無稽だったからね。
その荒唐無稽の主要因、コメットさんが消えた。
ちょっと残念な気もする…。

哀川翔さんの演じた新島は、「善なる絶対者」
みたいなイメージだったが、
柴咲コウさんの新島は、「狂える女神、邪悪、蛇」
みたいな印象で、違いが面白かった。
ラストのあとも10人か20人か、殺し続けるのだろう。
黒沢監督作品で重心のおかしい人、
シルエットの状態でなんか言う人はやばいの法則。

オリジナルにはあった、
チャイルドマレスター要素が削られていて、
(香川照之さんは表情だけで宮下のペドフィリア傾向を演じていて凄かったが、
アルベールはまったくそんな気配なかった)
普通に臓器密売と人身売買になって個人的にはよかった(?)。

糞便の話をしますが
ペドフィリアは削られたが便おもらしは残った。
というか登場人物みんなお通じが規則正しいのな。

そしてリメイク版で新たに付け加えられた聖闘士星矢。
本当に好きなの新島?ちょっと推し聖闘士を言ってみて?







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「チャレンジャーズ」

2024年06月16日 | 恋愛映画

ゼンデイヤさんが魔性の女で、
男子テニスプレイヤー2人を手玉にとって
弄ぶやつかなーと思っていたら、かなり違いましたね…。
新時代の恋愛映画を見ているわ…という気分になりました。

ジョシュとマイクは「ファイア&アイス」と呼ばれる
名コンビのテニスプレイヤーだった。
しかし女子ジュニアの天才プレイヤー、タシと出会い、
彼女を同時に好きになって、彼らの友情は変化していく…
というあらすじ。

少しねたばれになりますが、
夏目漱石「こころ」のお嬢さんが、
Kと先生をビンタして、「まぐわえ」と言う、てきな内容です。

ルカ・グァダニーノ監督。
なんか「サスペリア」におけるサスピリオルムが
今回のタシなのか?という気がする。
あと今回初めて気付いたが
作品の恋愛表現傾向がどことなくポリアモリーっぽいような。

ラストまでばれ

タシの描写がよくて、
彼女はテニスによって対戦相手と一瞬にして相互理解ができる
テニスのミュータントにしてテニスの鬼、テニス教の教祖。
彼女にとってテニスは人生でありすべて。
テニスのために人を殺してもよいとさえ言う。
それとゼンデイヤさんの手足の長さ、
天才テニスプレイヤーという説得力があった。
どこに打っても打ち返されそう。
胸のすぐ下が足。腹の面積が狭い。

タシにとってジョシュは自分のなかの畜生を肯定してくれる相手。
タシにとってマイクは自分の中の善性を引き出してくれる相手。
そしてジョシュとマイクは
「俺たちはヘテロ!友情フォーエバー!」
と思い込んでいる両想いのバイ。
私くらいになると最初でもうピンときましたね。ほほ。
最初って言うか、「マイクに自慰を教えたのは俺!」
って話をジョシュが始めた時にニュータイプのSEが鳴った。

ラストシーン、ポカーンとした人が多かったら
どうしようと心配になりましたが、
友情、決別、からの怒り、憎しみ、そして
自分でも気付かなかった愛への覚醒、愛の成就、
というのをテニスを通じて完成させた世紀のベストバウトを
己の手で創造したタシは、
「わしが育てた…」と思ったはずです。
つらい日々も、あのタシの理想のテニスを完成させるためにあったんだよ…。
タシと同じ顔で拍手したよ心の中で。

不満というほどではないが
視聴者の集中を切らさないために、
大音量音楽をチャカポコ鳴らす頻度が高い気がしたので
もう少し静かに頼む。
ボール視点のカメラワークは酔うのでできればやめてほしい。

三角関係もダブルヒロインも当て馬もハーレムも
全然ドキドキしないし(私は)好きじゃないんですが、
3人全員から自分以外の2人に対して
性愛の対象として矢印が出ていて、
なおかつ3人とも面白い人なら引き込まれる、
ということが分かりました今回。




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「ナイトスイム」

2024年06月09日 | ホラー映画

多発性硬化症でリハビリ中のメジャーリーガーと
その妻子はプール付きの家を購入する。
夫の症状は改善し、
プールのある生活を楽しむ彼等だが
次第に不可解な出来事が起こるようになり…
というあらすじ。ホラーです。

初期のころのキングっぽい話だなと思ったら
キングがネットで褒め意見を表明して
監督が喜んでいた。

注意 猫が死にます。死ぬシーンはない。

ラストまでばれ

というかプール版シャイニング
(ちょっとだけペットセマタリー)だった。
ずっと水中撮影が続いて、
地味にすごいなと思った。
泳いでいる時に人が立ってるのが見えるけど
水から出ると誰もいない…という映像はよかったが
ぶよぶよのオバケ本体が
ウヴォアー!!って出るのはいまひとつ。

息子の病気を治すために
娘を生贄にする母親のエピソードはえぐいけど、
ありそうという気がした…。
というかカナダの地名にTemagamiはあるけど
関係あるのかないのか?

子供に暴力をふるったので
おそらく助からないなこれ、と思いました。
シャイニングのジャックもそうだったけど、
このお父さんも最初からものすごく大丈夫じゃなさそうだった。





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