映画の最初から最後までを
端末の液晶画面に映る各種アプリや映像で表現するという面白い試み。
(ホラーだと「アンフレンデッド」があります。
あれは部屋を暗くして普段使いの端末で見るのをおすすめ)
(サスペンスの主人公一家がアジア系というのも
これまでは数少なかったですね)
先鋭的な部分が宣伝されていますが
骨子は、しっかりしたサスペンスです。
最終的な結末には、色々ちゃんと伏線がある。
残酷描写がないので、怖いのが苦手なひとにもおすすめです。
友人の家で徹夜で勉強すると連絡のあった娘が翌日になっても帰らず、
父親は娘の友人に連絡を取るが、勉強会は9時頃に終了し
娘は自宅に向けて出発したことが判明。
さらに大学に登校しておらず、
他の友人との約束も無断でキャンセルしていた事が分かり
父親は娘のSNSを次々覗いていくが、そこには彼が知らなかった
娘の姿があった…というあらすじ。
主人公はスター・トレックでスールーを演じているジョン・チョウ。
冒頭の、娘が誕生してから大学生に成長するまで
一家に何が起こったのか、アプリだけを使って表現するところ、
めっちゃ上手いな!と思いました。
メッセージを書き直したり、スケジュールを変更したりする、
そのカーソルの動きで色々な感情が読み取れますね。
犯人ばれ注意!
非公開になっている娘のSNSのパスワードを
お父さんがどんどん割っていくところがホラーでした(笑)
ちょっと自分のアカウントのパスワードの再確認をした。
よくある薬物!売春!堕胎!殺人!
みたいなあれかなと予告では思ってましたが、
娘ちゃんがとっても良い子だったので安心した。
この犯人とお父さんは完全対称になっていて、
立場が逆ならお父さんも同じことをやったかもしれない。
鑑賞者として見ていると犯人の認知がさりげなく歪んでいて、
責任の一端が犯人にあることは分かるけど
自分があの立場だったら自分の歪みに気付けるかどうかは自信ない。
自分由来の、自己顕示欲や支配欲や様々な欲望願望が原因の認知のゆがみは
頑張れば認識できそうだけども、
ああいう自分に利のない本能的な献身からくる歪みは抗い難いんじゃないだろうか。
「たった1度の過ち」っていうのは実際に
マスコミに向けてそう発言した人がいたように記憶してます。
(その時も、この人は認知が歪んでいて、いいことを言っているつもりなのだ…
わあ…って思いました)
でもその権限のない人間が判断してはいけないし
大抵の場合は「たった1度」ではなく、それ以前の積み重ねがある。