映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「エンダーのゲーム」

2014年01月24日 | SF映画

最初の方で「あれ?なんかこれハリポタじゃない?」って思ったら
どんどんそんな気がしてきてなんとなく愉快でした。
原作小説は全然そんなこと考えなかったのに不思議(たしか読んだのはハリポタより後)。

家でいじめられていたら、お迎えが来て
変なスポーツをやって、ふわふわ浮いて、勝って、デブにいじめられて、
巨漢2人をお供にいじめっ子がやってきて、
おじいのあからさまな贔屓でグリフィンドール加点で、
男の子と女の子の味方ができて、(ねたばれ)
敵と精神が繋がって変な夢を見て、
結局相手をやっつけ
ます。

これ監督と脚本のギャヴィン・フッドさんは
(ヨハネスブルグ出身。最近多い?)
原作小説がお好きなんだろうなあ…となんとなく思いました。
でも傑作SFが必ずしも一般に好まれるエンターテインメントになる訳ではないと
理解されたうえでの改編であったような。
でも2時間に収まったのは凄いし、カットが多いだけで大筋は同じ。
がんばった!

内容ばれ

・「痛くないから」のあとのエンダー絶叫ですが、
 抜けたブツがものすごくて、むしろショック死しなくてよかったね物件。
 あれ神経接続されてたんだよね。
・大佐がグイグイ来すぎてきもい。
・宇宙ステーション内の美術はちょっとださい…と思いましたが
 バトルルームはよかったです。
・主人公は「ヒューゴの不思議な発明」の主役の子。大きくなった!
 でも体が紙のようにペラッペラで、エンダーの儚さを表現してました。
 スタイルがいいのでツナギがとてもよく似合う。特に後姿!
・またもやエンタメ映画でいいやつのムスリム出てきた!?
 何かあるの!?と思ったのですが、
 アーライのイスラム教設定は原作に準じているのですね。完全に記憶になかった。
・エンダーのガンカタ!(違う)
・ネットがなかった時代に、まるで見たかのように正確に
 「素性を隠した状態で、誰もが平等に意見を述べられる世界」を描写されているのが
 原作のすごいところのひとつでしたが、現実がSFに追いついてしまったので
 そこのところはカット。兄姉の描写がほとんどなくなりました。
・分子分離装置は700億ドルだそうです。値段言っちゃう大佐、大阪人。
 しかしパシフィック・リムのイェーガー一体が600億ドルなんですが(小説版)
 たぶんどっちかが高すぎるか、安すぎる。
 (分子分離装置=当たると分子が崩壊し、現象は連鎖して星ひとつ破壊できる)
 (えぐい武器。発射口の分子は崩壊しないのかとかちょっと考える)
 (地球の誰か一人でも地上で発射したら、空気の分子の破壊が連鎖して地球ごと崩壊ですよ?)
・シミュレーションの映像は迫力がありました。
 エンダーの動作で角度が変わるところとか。ただ欲を言えば
 ティーンが戦っているのを、おじいたちが見物しているのは何か気分が悪いので、
 「あーこれおじいには無理やわー、若いのでないと無理やわー」
 って演出がもうちょっとほしかった。
 立体映像タブレットをひゅんひゅん飛ばして、
 プロバスケ選手のように瞬時に意図を理解して受け取り複雑に仕事を交代する様子とか、
 あとペトラの仕事はボタン押すだけかよ!って思ったので
 複数の演算ソフトを同時に操って引力や障害物を計算した上での弾道とか導き出す
 スーパーオペレート演出してほしかった。
・エンダーは完璧超人でありながら、というかだからこそというか、
 繊細さも共感能力も人類越えしている子供、なんですが
 そこ100%描写しちゃうとエンタメ逸脱しちゃうので、程よくパターン化。
 でも役者の子の目の表現力がとても豊かで、脚本以上の個性を読み取れました。
・ラストの印象は違いますね。うーん、能動的?



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「大脱出」

2014年01月16日 | アクション映画

分類はアクション映画にしましたが、頭脳戦も楽しめます。
脱出不可能な監獄から、男2人が協力して脱獄する話です。
シルヴェスター・スタローンと
アーノルド・シュワルツェネッガーが主演。
看守ぶん殴ってウォォォォって叫びながら銃乱射、夕陽だろ…
って思われそうですが、これが案外クレバー。
かといって最近ありがちなシステムに侵入してエンターキーをツターン!
監獄のすべてを支配下においてめでたしめでたし、でもないのです。
ものすごい頑張ってビスとか引き抜いて、ダクトをうんしょうんしょする系。
しかも!この67歳と66歳がいちゃいちゃすること!
スタローンに興味津々なシュワちゃんに、
頼みごとを聞いてくれたら俺の個人的な話を聞かせてやってもいい、とか
落ち込んだスタローンの手をシュワちゃんが握って励ましたりとか、
ともかくシュワちゃんの押しがグイグイ激しすぎて、商業BLの攻みたいでした。
たぶん映画会社にブロマンスマニュアルがあるんでしょうけどね!
(少し前のシュワスタ共演映画に「ブロマンスは後にしろ」ってセリフがあった)
(もちろん英語で言ってた。字幕は「男同士のラブコメは後にしろ」)

オチばれ含む箇条書き

・なんという空間の無駄遣い設計な刑務所。
・収監されている黄色人種が皆無だったけど、
 実際のアメリカの監獄の人種比率に準じているのかな?
 まああんなマッスル集団のなかに黄色人種の男が入ったら
 どういうことになるかアホでも分かるしな……。
・ラスボスが「パーソン・オブ・インタレスト」のリースくんなのですが、
 悪人に見えないんですよね…私がドラマを見ているせいかな。
 でも鹿顔といういうか目が綺麗すぎる……。
 あと背が高すぎる…足が長すぎる…顔が小さすぎる…。
・スタローンとシュワちゃんのくっつきぶりが異常なので、
 周りの人は「がんばれ…」「ガンバ!」「応援してるぞ」
 とシュワちゃんの恋を見守っていたと思う。
・ラスボスはスタローンの書いた監獄の本を愛読していて付箋がいっぱい。
 なにか困ったことがあるとすぐに本に頼る。ファンやないですか。
・お前の母親INマラケシュの売春宿ってイスラム教徒への定番煽りかなにかなの?
 と思って調べたけど分からなかった。とりあえずマラケシュはモロッコの街。
・北半球と南半球の排水溝ネタは某ミステリであったけど、
 実際は変わらないってどこかで見た。
・手作り六分儀。精度が低そうだ。
・こういうアクションものでイスラム教徒の格好いい役って初めて見た!
 でも祈りの儀式を脱獄に利用するってイスラム教徒的には抗議物件だろうか。
・上司の人が最後に閉じ込められていたコンテナに
 「MCS」とあったのであとで調べたら
 Multipurpose Conversion Systemの略のようでした。リサイクル廃棄物?
 でも上司のあの設定は余計だった気がする。
・オチは読めなかったのでびっくりした。いいサプライズでした。
・「俺はてっきりあんたが俺に…」「うぬぼれるな」から始まる恋ですね。
 分かります。

監督は「1408号室」や「ザ・ライト-エクソシストの真実-」
「シャンハイ」を撮ったスウェーデン出身のミカエル・ハフストロームさん。
この映画のネタみっしり感は、脚本のマイルズ・チャップマンさんのちからなのかな?
過去作品が特に見つからないのでこれが大作脚本デビューかもしれない。


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「インシディアス 第2章」

2014年01月13日 | ホラー映画

幽体離脱体質の父と息子の肉体を狙って死霊達がどしどし家に押しかけてくる、
シリーズ第二弾です。
前回出てきたカメラパフォーマンスの激しい悪魔は
さっくりリストラされていなかった扱いされており
それは大変よかったと思いました。
死霊ものなのに悪魔が出てくるっていうのは、
パスタとラーメンが同時に出てくるランチのようなもので
どっちも冷めやすいうえにダブル炭水化物であまり有り難くないんですよ…。

さて今回は、
インシディアスビギニング・バック・トゥー・ザ・フューチャーちょっとシャイニング
という内容の意欲作で、前作の何倍も面白かったです!
(内容のリンクが多いので1は見ておいたほうがよい)

内容ばれ

殺人鬼の家に行って死体を見つけたりとか、
降霊会をやって霊が質問に答えたりとか、あのあたりすごくいいです!

前作で死んだエリーズが相変わらずの大活躍をします。
もうこれ日本だったら神になって神社に祭られてるレベル。

それに引き換えランバートの家の人は初めてのことでもあるまいに
またいちいち心霊現象にヒャーって驚いて段取りが悪い。
理解しかねるのは、もう何度も赤ちゃんが怪奇現象に巻き込まれているのに
それでも赤ちゃんを1人で寝かせるのが謎です。
欧米の人は赤ちゃんと一緒の部屋にいると爆発でもするのか…?

エリーズのちょっぴり頼りない助手、スペックとタッカーですが
(スペックを演じているのは本作脚本家のリー・ワネル。なんという倹約)
ボスのエリーズを失って成長したか?と思わせて、
やっぱり彼女がいないと駄目なんだ系でした。
しかしランバート家の音声を2人で車の中で聞いていたとき、
スペックがタッカーの太ももに手を置いて、
その手をタッカーがじっと見ていたシーンは何を意味するんだろう。
気になる気になる!

怪奇オタク男2人+霊能者の霊のチームのシリーズになるのか、
それとも女装おじいの霊VS霊能おばあの霊のシリーズになるのかどっちでしょうね。



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「ハンガー・ゲーム2」

2014年01月05日 | バトル映画
ふんわりバトロワ風味の洋画の続編です。
支配者層による少年少女たちを殺し合わせるゲームから見事生還した主人公は、
地方巡業の旅をしていたが、彼女が革命のシンボルとなりつつあるのを察知した統治者は
邪魔者を消すために、これまでの勝者ばかりを戦わせる特別なゲームを企画する。
というあらすじ。

脚本を「トイ・ストーリー3」脚本担当のマイケル・アーント氏が書かれています。
この人はぐいぐいと盛り上げるのが上手い。(原作小説はありますが)
2の特別なゲームは一応終了しますが、話は3へ続きます。

ラストばれー

お話はハンガーゲームから、体制を転覆させるほうへ移っていくみたいですね。
今回はゲーム開始が中盤以降だったこともあり、バトルはあまり本格的ではないのですが、
会場全体の仕掛けなどが面白かったです。
あとなにげにCGを駆使した未来のお衣装が好きなので、
今回も炎のドレスやウェディングドレスは大変楽しめました。
お屋敷のプロジェクションマッピングによるデコや、富裕層のトンチキなメイクも。

カットニスは可愛くて強くて判断が早い、無敵のサバイバルヒロインですが、
ふたまたはアカーン!!と思いました。
片方とはちゃんとお別れするべきですよ?
カットニスを思う2人の男子、どっちもけなげで迷うのは分かりますけどね。
(ヘムズワース弟の無意味に長い鞭打ちシーンいただきました…)



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