映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「アイアンマン3」

2013年04月28日 | バトル映画

御存知パワースーツを着て戦う大富豪のオッサン映画の3作目です。
一時は死を覚悟しなければならなかったアベンジャーズの熾烈な戦いは
本人も気づかぬうちにトニーの精神を蝕み、
彼はパニック障害と不眠症を患っていた…という結構暗い始まりですが、
トニーの素の性格とRDJの演技で軽減されて、まあ娯楽作品の範疇です。

今回はスーツの使い方のアイディアが秀逸でした。
こんな使い方もできる!こんな使い方も!こーんな使い方も!
と、どんどん披露してくれます。

アイアンマン1とアベンジャーズは見ておいたほうがよい。

内容ばれ

ただその雑多なアイディアを使用するために
あらすじがウロウロしているようなところはありました。
でもまあ社長が可愛かったから許す!
ペッパーさまが格好良かったから許す!
あとインセンが…まさかのインセン登場で…ちょっと記憶が混乱するくらい盛り上がりました。
それから博士もまさかの友情出演でした。
最近博士の中の方が、海外腐のトニバナ二次創作をご覧になり、「これがロバートでこれが僕なんだよ!」
「僕たちは科学組って呼ばれているんだ!」「こんな素敵なこと、どうしてだれも教えてくれなかったんだ!」
と記者相手に語ったと聞いていたので、サプライズのご出演にはふきださずにはおられなかった。

ポスターでは凛々しくバトルポーズをとり、ペッパーの腰を抱いている社長ですが、あれは逆じゃないかな。
むしろペッパーが社長の腰を抱いて身構えているポスターの方が内容に即しているのではないかな。

・エアフォースワンから全員救出するシーンすごく好き!
 スペック的に4人しか助けられない!でも落ちた人間は遥かに多い!どうする!?
 っていう状況での社長の行動、私がハリウッド映画を好きな理由そのものって感じがする!
・ハッピーの大好きなイギリスのドラマ、「ダウントン・アビー」だそうです。
 私、そのドラマ見たいんですよハッピー…。
・初老の大統領にパワードスーツを着せて両腕縛って宙吊りとかどんなマニアックなプレイなのか…。
 なんだかこのあたり何がやりたいのかよく分からない。
・あとキリアンが闇落ちした理由がミジンコ過ぎて生温かい目で見てしまう。
 それくらいのことは普通に何度だって経験するでしょう誰しも。
 あと社長の性格的にあと999回くらいやらかしてそうだから全員ヴィランになったら大変だね。
・社長がパトラッシュのようにスーツを引いて雪道を歩むシーン、
 スーツって何キロあるんだろうと思った……。
・不器用アームくん、よかった…!社長ならああしてくれると思ってた…!信じてよかった!

マーベル映画恒例のあれがありますので、
エンドロールが終わるまではお席を立たれませんように。
今回は特におまけ映像のあとに今後製作される映画の予告編も入ります。
映画が終わってもわくわくが続くぜ!って感じでいいですね。

予告映像ばれ
「私に助けを求めるとは」ってロキさん喋ってましたが
一体そのヘアスタイルはどうしたことか。
どうして昭和の女子大生みたいなソバージュにしているの。
あにうえに雷ドーンされて、ちりちりになったのか?

あとなんか牢獄にしては明るく白く清潔そうでしたが、北欧の刑務所事情に準じている?のかな?



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「HK 変態仮面」

2013年04月26日 | バトル映画

ジャンプで短い期間連載されていたあの妙に有名な漫画を、
「33分探偵」や「東京DOGS」や「勇者ヨシヒコと魔王の城」の福田さんが映画化。
原作からして顔と股間をパンツで隠した全裸男が悪を成敗するという話なので、
完全なバカ映画なのですが、そのバカを全力でやりきっている所がいい。
とくに主役をやったひとは、長身に加えてビルドアップがすばらしく、
漫画に描かれていた通りの数々のポーズや技を披露してくれました。
あのコスチューム、完璧に美しい肉体でないと正視に堪えないものになってしまうので、
(特に尻)そういう意味で彼は変態仮面としてパーフェクトだった。
「ヌードデッサンモデルビデオとして使えるな…」と思ったくらい。

そして強敵として出てくるニセ変態仮面が
これまた底抜けの変態っぷりで楽しませてくれました。

内容ばれ

スパイダーマンパロディがあったので、
冒頭のコミックがパラパラ流れていくシーンもマーベルのパロディなのかもしれない。
愛子ちゃんはフォーゼのユウキでした。前髪は作らないほうが美人だよー。
塚本高史さんがものすごいチョイ役で出てらした。
惜しいなと思ったのはラストバトルですね。
巨大ロボットはいらなかったな。たぶん大多数の意見だと思う。

原作からの目立った変更点
・ゲイの部長さんや中華姉弟は出てこなかった。
・愛子ちゃんはお嬢様じゃなかった。
・狂介は普段は弱い設定だった。
・わりと狂介が恋愛脳だった。
・当たり前だけどお父さんはダーティー・ハリーじゃなかった。
 (でもお父さんとお母さんの出会い、かわいかったです)



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「リンカーン」

2013年04月22日 | 歴史映画

最近やたらリンカーンの映画ばかり見ているような気がします。
といってもまあ、「声をかくす人」は暗殺に関する裁判の話だし、
「リンカーン/秘密の書」は吸血鬼と闘う大統領だった訳ですが。

スピルバーグはリンカーン大ッ好きで、
アメリカ人もまた基本的にリンカーン好きなので、
そこのところをまず理解していないといけません。
この映画は南北戦争とかゲティスバーグ演説とかメジャーな部分ではなく、
憲法第13条修正をメインに描いています。

うんまあなんか大統領への愛がだだ漏れている映画なので
リンカーン好きには楽しい150分になるでしょう。
(「リンカーン/秘密の書」を見ると大抵は大統領を好きになりますよ)
主演のダニエル・デイ=ルイスは亜弓さんとマヤが合体したみたいな完璧俳優らしいですが、
まさにリンカーンが甦ったような、畏れ多いと感じさせるオーラの出まくった演技をなさっています。
彼はこの映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞。
1人で3回主演男優をとったのは歴史上この方だけだそうです。

内容ばれ

汚い裏工作も描かれると聞いていたので、
リンカーンの負の部分も出るのかと思いましたが全然そんな事はなく、
大統領は高潔でした。彼は筋斗雲に乗れる!
票獲得の裏工作も、国務長官(ファンクラブ会長的な)やロビィストたち(ファン)が
大統領のために積極的に頑張ってくれたわけで、
大統領のやったことと言えば、和平使節団の存在を隠蔽したことと
あと少し票が足りないってときに大っぴらに切り崩しに走ったことくらいです。
反対派もそりゃもう寝返りますよころりと…。

・最初の方、奥さんとリンカーンが向かい合って立つ所、
 奥さんがちっこくて可愛かった。リンカーンは身長193センチの巨神兵ですが、
 ダニエル・デイ=ルイスは187センチらしいので、やや上げ底だったのかな?
・メアリー・トッド・リンカーンは、映画のように心の不安定な女性で
 リンカーンはしばしば執務室に寝泊まりしていたらしいですが、
 サリー・フィールドも迫真の演技でした。
 (あのトミー・リー・ジョーンズを罵倒するところとか…足震える)
 彼女はERでアビーのおかんを演じた女優さんでしたが
 あのおかんも「アビー…家でて正解だよ…」と思わせるのに十分な演技だったので
 心に問題のある人を演じなさるのが上手いのでしょう。
・息子役のジョセフ・ゴードン・レヴィットは、やや存在が希薄でした。
 うんまあシナリオがな……。
・リンカーンは話術がともかく巧みだったそうです。
 この映画でも様々な大統領の小噺が聞けました。
 たとえ話から入って、なんとなく本題も納得させてしまうという大統領のトークテク。
 落語の枕のような。みんなをリラックスさせるために喋った、肖像画の話が好きです。
・脚本はミュンヘンのひとで、ドキュメンタリがお得意なのかな?
 あまりエンタメー!という話の作りではない。
・曲と、その使い方が、ややもっさりしてたな……と思ったら
 ジョン・ウィリアムズ御大だった。あれれ!?御大どうしたの!?
・トミー・リー・ジョーンズの演じていたおっさんがかわいかった。
 相手を罵倒する時まず臭さから攻めるのは癖なのか。
・しかしなんといっても国務長官のリンカーンへの愛の深さ。
 尽くさずにはいられない器の人なのだという事がよく分かりました。
 あと国務長官は襟元が常にお洒落だった。スケッチしたかった。
 なかのひとの首が長いのか、タイがよくお似合いでした。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アンナ・カレーニナ」

2013年04月16日 | 古典名作

まあ端的に言えばお花畑不倫脳の女性がやらかしちゃった話…
なのですが、監督が時代もの大好きな完璧主義なので、
圧倒的な美しさです。浴びるように贅沢に、ザブザブと美しい。
最初は舞台劇の体裁で始まります。
めまぐるしくセットが組み換わり、天井の簀の子の上や
本来なら客席のあるスペースもセットとして使われ、
人々はときにバレエのような、パントマイムのような奇妙な動きを見せ、
あるいは停止し、音楽に合わせて動き、演奏者が画面に姿を見せ、
様々な表現の交差した、不思議な世界です。
でも題材が古典で、衣装と美術はクラシカルなものなので
尖りすぎていて疲れるという事はありません。
たっぷりとして優雅なロシアのドレス!(とマントとマフと帽子!)

フリンアカン
カレーニンくんが気の毒すぎる。演じたのはジュード・ロウ。
眼鏡のジュード・ロウを捨てるなんて!アンナのばか!オタンチン!
アンナの兄のオフロスキー(違)も家庭教師とよろしくやっているので
たぶん不倫DNAが受け継がれているんでしょう。

映画を見て気付いたが、私たぶん原作未読です。
世界の文学ベスト10には必ず入る古典なのに!あらやだ!
そういえばマッシュアップ小説の流行っているアメリカでは
「アンドロイド・カレーニナ」って本も発売されているらしいですね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヒッチコック」

2013年04月10日 | 実話系


その内容のあまりの過激さに、
配給会社から資金を出してもらえなくなったヒッチコックが、
自宅を抵当に入れてまで完成させた映画「サイコ」の誕生秘話です。
サスペンスの巨匠と言われた監督を陰で支え続けた妻アルマと、
プレッシャーで折れそうになるヒッチコックのすれ違いを描いた
老夫婦の物語でもあります。

「天才が人格者である必要はない」という言葉で私が思い出す
幾人かの有名人のうちの1人がヒッチコックです。
若い金髪美女大好きの、仕方のない助兵衛爺、でも天才、という認識ですが、
この映画はヒッチコック萌えの人が撮ったのか、
愛する妻に接近する男への嫉妬をたぎらせ、
世間の評価や映倫からの重圧に悩み苦しむ
ラブリー駄目おじいちゃんでした。
演じるのはアンソニー・ホプキンスですが、
顔全体を特殊メイクで覆っているのか、一見彼だとは分かりません。
(妻アルマ役はヘレン・ミレン。水着姿も下着姿もあるので熟女萌えのかたはぜひ)
そして常にヒッチコックの顔の角度なので、
常にキメ顔でプリクラ写るひとみたいでちょっと面白かったです。
ジェームズ・ダーシーもなんかすごくノーマン役の俳優さんに似てた。
あれもメイクなのかな…。

えーと「サイコ」は見ておいた方が良いです。

内容ばれ

これアルマのプライドが終盤で二重に折れたことを考えると
「おまえがいないとワシだめなのよ」くらいで
彼女の心は癒されただろうか…とか考えてしまいました。
いっそヒッチコックの才能など全然分からなくて、
世間がすごいって言うから、まあ凄いんでしょうね、
くらいの方が幸せじゃないかと思う。

しかも現実のヒッチコックは次の「鳥」で
主演女優に性的関係を迫ってのちに暴露されてるし…60越えて…おじいちゃんたら…。
伝記映画ってむずかしいですね。

むかしの映画って、トイレが映るだけで映倫に叱られたんですね。
むかしのひとが「トレインスポッティング」なんか見たらきっと気絶するな。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする