映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ビューティフル・ドリーマー」

2020年11月14日 | 学園物
原案:押井守
監督:本広克行

1984年のアニメ映画「うる星やつら2
ビューティフル・ドリーマー」を元にした映画。
この作品は、当時のアニメとは一線を画した
メタファーを多用したペダンティックな演出で
多感な少年たちを魅了、いまだに神聖視する高齢オタクも多い。

映画化ってどうするんだろう…?と思って見に行った。
大学の映研が、部に伝わるいわくつきの台本を撮る、
その台本「夢みる人」の内容が
ビューティフル・ドリーマーという風にしてあって、
そこはなるほどと思った。

ただ問題は幾つかあって、一番「えっ」と思ったのは
小学館と高橋留美子先生の名前がなかったこと。
連絡くらいは入れてあるんだろうけどさ…。
あと部員たちがワイワイしているシーンが相当白々しいなと思ったら、
大筋あり台本なしアドリブで撮ったのだそうで、
作為ない雑談が聞きたい時はファストフード店にでも行って無料で聞くので、
どうか有料の映画は情報の発信者と受け手のやりとりが
効率よく設計されている人工の会話を聞かせてください。

「うる星2」を見ていないと訳がわからないけど、
懐古層を当て込んだ企画だろうからこれでいいのだと思う。
実写で「うる星2」を再現するところは面白かった。
思いつきで始めたようには見えない撮影技術。
360度PANとか、ぶっつけでできてしまうのはすごい。
しのぶと白い帽子の少女のシーンは再現度高かった。

ラストばれ

その反面、みんな映画が大好きという割には
あまり映画の話をしないというか、
随分古い映画の名前ばっかり出てきて、
21世紀の大学生なのにもっと最近の映画の話をしないのか?
それに映画好きと一言でくくっているけど
エンタテインメント洋画好きと邦画好きと韓流映画好き、
ボリウッド系、シネフイル系全然違うし、
下手すると会話が成り立ちませんからね?
映画女子3人集まってサークルのだれそれはだれそれ子が好きで
三角関係どうのこうの…って話をするだろうか…
最近見た恋愛映画の話になるんじゃないの?違うの?

権利の問題であたるがアタリベツ、面堂さんがボンボン、
サクラ先生アヤメ先生、等々名前が変えられてましたが、
ラムがカーチャだったのはネタが分からない。
愛称のカーチャなのかそれともタニカーチャラム監督...?

今後、到底予算が足りない漫画の実写化は全部、
映研が映画化しようと頑張りました!路線でよいのではないかと思う。
20分の1くらいの予算で撮れるのでは。

終盤は、これ撮影が再開する夢なのかなあ?と思いました。



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「貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-」

2020年03月15日 | 学園物

ドラマ「貴族誕生 -PRINCE OF LEGEND-」の完結編(だと思ってたが違った)。
順番としてはドラマ「PRINCE OF LEGEND」→映画「PRINCE OF LEGEND」→
ドラマ「貴族誕生 -PRINCE OF LEGEND-」の次となります。

王子を誕生させる事を究極の目的とする、
富裕層の令嬢子息を集めた聖ブリリアント学園に、
貴族を名乗るホスト集団が乗っ取りを掛けてくる、というあらすじ。

ドラマ版「貴族誕生 -PRINCE OF LEGEND-」の主人公が
突然悪役になって、キャラクターも変わるので大変混乱します。
聖ブリリアント学園視点の話なので、もしかすると
-PRINCE OF LEGEND-を見て、
そのまま映画の「貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-」を見た方が混乱しないかも…。

ラストばれ

真の悪人の企みにより戦わせられるのはEXILEのお約束だけど
今回の学園乗っ取りには義がなさすぎるというか、
信虎ちゃんの仇はどうしたの?とか、全日土木のことはもういいの?とか。
シンタロウの突然のフレンチリスペクトとかもよく分からなかった。
あと黒幕の山本カカカが酷い目に遭わなかったのでスッキリしない。
それにしてもカカカは、昼はバスケ夜はホストでいつ寝てるの。

よかったところは顔が良いところ。
顔が良い。とくに奏さまの子は、
しみじみ綺麗な顔に撮るな~と思ってました。
「HiGH&LOW THE WORST」小田島有剣、高城司、花岡楓士雄が
それぞれメガネ王子、ダンス王子、京極弟なのですが
みんな綺麗に撮れてた。
メガネ王子は、幼馴染かつ主人への秘めた恋が露見、からの裏切り、
という非常においしい役どころでした。
友人からの想いに応えられない奏が歌う「Honesty」、
ぐっときました。

各組のコールはとっても元気が出るので
コールだけの楽曲集とかあったらほしいです。
一番好きなのはタイガーコール。


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「複製された男」

2014年07月27日 | 学園物


平凡な毎日を繰り返す中年の歴史学教師が、
ある日同僚にすすめられて見た映画のDVDに
自分に瓜二つの男が出演しているのに気付き、
その俳優に接近するが、
彼は顔や声だけではなく誕生日や体の特徴までまったく自分と同じであり
次第に彼は恐怖を感じる……というあらすじ。

上質のミステリーとか、2回見れば答えが分かるとかいう売り出し方をされていて、
そしてこのタイトルなので、ダンカン・ジョーンズ監督作品系の話なのかな?
と思ったけども、どっちかといえば不条理寄りでした。
特にラストとか「ハァ??」って声出るくらいの。
もうアルバトロス・フィルムのことは信じないんだから!
(というかモックバスター映画を配給する会社か…)

原作はポルトガルのノーベル文学賞作家、ジョゼ・サラマーゴ。
この人は「白い闇」も「ブラインドネス」として映画化されていますね。
「複製された男」は原作の邦題ですが、
映画原題の「ENEMY」のほうが内容には合ってる気がします。

直球おちばれ、やや下品注意ー!褒めてないー!

結局のところ某有名作品とオチは同じだと思うんですが、
チャック・パラニューク原作の例のあれは、
登場人物およびそのやりとりの1つ1つが魅力的だったのに対し、
この人たちは、状況を把握するや否やなぜか
すわっ!ぴんぐ!に異様に執念を燃やし(片方はそれに唯々諾々と従い)、
へぇー…あ、そうなんだ…って思ってるうちに終わりました。

蜘蛛は映画オリジナルの暗喩で、
家庭における女の支配的な面や母性をひょうげんしたそうです。
そうですか……。

ジェイク・ギレンホールは目の造形がすごい。
こんなに立体的な目の人ちょっといない。
そして左右非対称なんだけど、画家が計算して少し歪めた、みたいな絶妙なバランス。

やけに数字のプレートが強調されるシーンが多かったですが
(「74」とか「3650」とか?色々)
これもまた聖書のどうたらこうたらなんでしょうか。面倒なので調べない。



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「プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち」

2014年03月19日 | 学園物

眠ったまま目覚めないという症状の子供が何人も出て、
プリキュアが真相究明に乗り出すよ!というお話。

内容ばれ

・最初に妖精学校が映って、1秒で子供が「またかー」とつぶやいて
 大阪の子供のツッコミの速度は聖闘士なみだなと思いました。
・映画オリジナルキャラクターのグレンとエンエンが再登場、
 そして同じく映画オリジナルのプリキュア、エコーも出てくるよ。
・目覚めない子供たちは、バクの母親が息子の為に
 ずっと遊んでくれる友達を確保していたせいなのでした。、
 副題の「永遠のともだち」がちょっと怖い意味になってる。
・バクの母親は平野文さん。
 特別ゲストで剛力彩芽さんと野沢雅子さんが出られてました。
・ももゆりサービスあざまーす!
 プリキュアたちですらセリフのない人もいるのに
 このもも姉の愛されっぷり。
・例によってプリキュアたちも自分の夢の世界に閉じ込められて
 みんな小説家になったり総理大臣になったり女医になったり
 教師になったりしてるんですが、
 エレンだけ…エレンだけが
 「コタツでハミィとおしゃべりしている」のが将来の夢で
 目頭が熱くなった。
 エレン=サリエリタイプのツンデレで闇落ちからのプリキュア参加。本体は猫。
 ハミィ=あほのこ天使でモーツアルトタイプ。猫。
 エレンはどうやってあの世界が幻想だって気付いたのか。
・女医になったかれんさんが男前すぎる。
 あんなシリウスみたいな顔の女医さんいたら通うわ…。
・バトルを見ていると攻撃方法が、
 物理の子と魔法の子に分かれる事に気づきます。
 物理の筆頭は初代。
・衣装が凝ってて一番かわいいのがスイートだな…。
 一番……なのが正直言うとハピネスチャージ…ごめん…。



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「クロニクル」

2013年10月17日 | 学園物


高校生3人がある日突然超能力を得て、それがきっかけで仲良くなり、
色々な遊びを思いついては実行し、大笑いし、楽しく過ごしているが
やがて……。という話。

監督デビュー作ですがすごくうまい。
3人のうち、アンドリューはスクールカースト最下層で
友達がいないし、女の子にはスルーされ、家は貧乏で母親は病気、
アル中の父や近所のチンピラや学校の脳筋に暴力を振るわれる毎日。
アンドリューと最近仲良くなった従弟のマットはカースト上位、
超能力がきっかけで仲良くなったスティーブもたぶんカースト上位。
そんな3人も、超能力で女子高生のスカートめくったり、
駐車場の車を勝手に移動したり、買い物用カートを動かしたりといった
他愛ないいたずらをして笑い転げているところはすっごく楽しそうで、
普通の3人組といった感じでした。
マットとスティーブがアンドリューのことを脱最下層させてやろうと
色々世話を焼いちゃって、青春映画でもあるんですよ。

展開ばれ

超能力を得た原因とか長々説明するとテンポが悪くなるので、
登場人物が撮影したカメラ映像という設定にして
バンバン切っていったのが勝因だなと思いました。
(終盤はちょっと無理があったけど)

監督も影響受けたって言ってらっしゃいますが
「AKIRA」と「キャリー」を足して2で割った感じ。
あと小説「クリスティーン」と「X-MENファーストジェネレーション」を足して割るのでもいいです。

強いものは弱いものを殴っていい、という世界で黙って耐えていたアンドリューに、
誰よりも強い力を得て「人間を傷つけてはいけない」というのは酷だろう。
スティーブとマットがそう思うのは、それは2人がたまたま生まれに恵まれていたからで。

でもあんなにきらきらしていたのに、人生で一番幸福だって言ったのに、
あんな風になってもだれも悪くないなんて。
うーん、やっぱり超能力はアラサーになってから!!
(この映画を見てからだと、「XFG」のエリックとか、すごい大人に思えてくる)
(高校生のアンドリューを演じた子、実は26歳ですけどね…)

興行収入は製作費の10倍はあがってるみたいだし、大成功だ!
続編とかじゃなくても、監督の次回作に期待!




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