映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「マジック・マイクXXL」

2015年10月29日 | 成長モノ

ストリッパーを廃業した主人公は、
従業員1名の小さな規模ながら注文家具の店を持ち、
忙しく暮らしていた。
しかしかつての仲間に再会してダンス熱のぶり返した彼は、
コンテスト参加のための旅に出る、というあらすじ。

相変わらずチャニング・テイタムのダンスシーンはすごいです。
前作に比べて、ダンサー1人1人の夢や人生を掘り下げた感じ。
あと女性賛美というか、女性も男を性消費していいし、
全ての女性は美醜年齢に関係なく女王だぜ!
という強いテーマがありました。
前半ちょっとロードムービー風。

派手なショウのシーンが減ったので、
少しだらだらした印象になったかも。
途中に1つくらい大きなショウがあってもよかったかもですね。

内容ばれ

ラストの、鏡像がテーマのダンスが凄く良かった。

途中、ヴォルデモートねた、アイアンマンねた、
トワイライトねた、スターウォーズねたがあって、
脚本家がおたくなのか、普通アメリカ人はこれくらいの頻度で
キャラクターの事をネタにしているのかどっちなんだろう…って思いました。

「トワイライト」ねたのストリップショウが
大受けしているのを見た主人公たちが、
「当時の読者がストリップを見る年齢になったんだよ…」
って言ってて、ちょっと笑ってしまいましたが、
もうそんなに年月が経つのかーってびっくりしました。
そういえば「インサイドヘッド」にもトワイライトねたがありましたが、
社会的な大流行だったんですね。日本じゃそうでもなかった…。

あと、もしやアメリカではアベンジャーズネタのストリップや
ハリー・ポッターネタのストリップが実在するのでは…?
という気がちょっとした。




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「ジョン・ウィック」

2015年10月27日 | バトル映画

ガソリンスタンドで給油中のヴィンテージカーと
その寡黙な持ち主に目を付けたロシアマフィアのボスの息子は、
その男の自宅に夜中に侵入し、男を叩きのめし飼い犬を殺して車を奪う。
被害者は泣き寝入りするはずだった。しかし事情を知ったマフィアのボスは顔色を変える。
その男こそ、組織を拡大させた伝説の殺し屋で、5年前に一般人の女性と恋に落ち、
裏稼業から足を洗って静かに暮らしていたジョン・ウィックだった…というあらすじ。
コミックのような世界と、現実世界のちょうど中間のような世界観です。
殺し屋たちが手出しをしないという協定を結んでいる聖域「コンチネンタルホテル」、
すべてを心得ていて訛った英語を話すフロントマン、
ディナーという隠語で呼ばれる遺体処理サービス。

車と銃と格闘シーン、最強の男が無双するという男性ホイホイの黄金パターンですが、
この映画の特色は、キアヌ演じるジョンが最愛の妻を病で失い、
その妻がジョンを孤独から守るために最後に贈った子犬デイジー
(これがもう、観客がショック死するほどかわいい!)を殺されて、
悲しみで気が狂いそうになっているところ。
敵以外のキャラクターはそんなジョンに妙に優しく、
組織の人間たちがきちんと奥さんの死にお悔やみを言ったり、
または殺し屋仲間がお葬式に来てくれたりします。
ひたすらマフィアをぶっ殺す映画ですが、それでも妙に悲しくて妙に優しい印象がある。
あと登場人物の個性が強く、彼等のしぐさや、ふと漏らす本音が面白い点です。
テンプレマフィアではなく作りこまれた生きている人間という感じがしました。

犬が殺されるところは映ってないので、
なんとか耐えられるって、犬好きの人が言ってた。
(残念ながら犬の死体は映ります)

内容ばれ

事態を聞いたマフィアのボスが、息子をぶん殴って
まずジョンに謝罪の電話を入れるあたりは、
うむ現実的!って思った。
ああいうのは、ジョンというキャラクターもボスも物語内で格が上るいいシーン。
残念ながら正解は息子を拘束してジョンに差し出す事だったんだけども…
もっと言うなら息子を3人ほど作っておくべきだったな。

キャラクターの中ではボスが特に面白かったです。
人を殴る時に丁寧に上着を脱ぐところや、
最後のほう、激おこジョンに追いかけられながら思わず笑ってしまうところ、
生きるか死ぬかの瀬戸際で早く部下に銃を渡さないといけないのに、
ついおふざけをして引っ張り合いっこしてしまうところ。等々。

ボスは「こここそが我々に相応しい世界だから、
神はお前から妻を取り上げた」ってジョンに言ってましたが、
東洋っぽい非科学的な話をしますと、
以前職場の人が「運の強い人は、自分の受ける厄を弾いて
家族や近しい人に肩代わりさせてしまう」というような話をされたことがあり、
その法則で言えばジョンは自分の大量の殺人で本来なら受けるべきだった罰を、
妻と犬と例のひとに肩代わりさせたのではないでしょうか?
(などと耳元で囁いて、ジョンを泣かせたい)

DVD特典は奥さんとジョンの生活映像30分ほどと
デイジーとジョンの生活30分ほどがいいな。それなら買います。
犬友達ができて、「デイジーちゃんのパパ」って呼ばれて
困惑するジョンが見たい!

スタントコーディネーターのかたの初監督作品なので、
アクションも色々アイディアを見せてくれて相当楽しい。



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「ヴィジット」

2015年10月26日 | ホラー映画

シャマランの新作。彼の作品の中では一番ホラー寄りです。
前評判が良かった。
適度に引かれた伏線と、きちんとした回収、
扉を開けるたびに展開する恐怖、ホラー映画としてとても出来がいいです。
そこにシャマランの持ち味である、自分の傷を自分で修復しようと試行錯誤する人々、
味のある人物描写が加わって、なかなかいい感じでした。
ただ割と怖いので(しかも嫌な怖さ)、ホラーが苦手な人には絶対無理なのと、
あと本格的な恐怖シーンに到達するまで30分以上を要したりとか、
地味な人物描写が嫌いな人には向いてないという、2つの理由で人を選ぶ映画です。

見に行くつもりの人は、下記は読まずに、
ネットでねたばれを踏む前に見に行った方がいいと思います。
(上映館が少ないようですが)

主人公の姉弟は、父親が昔女と逃げたため母と3人家族。
母とその彼氏を旅行に行かせるために、
祖父と祖母の家に一週間滞在する事にする。
過去に母は両親と諍いをして、それ以来絶縁状態で、
姉はそんな彼等の復縁を計画していた。
迎えにきた祖父母は穏やかな人達で、姉弟は田舎暮らしを楽しむが、
夜に自分達の部屋の外に出た姉は、異様なものを目にする。
というあらすじ。
姉が、ドキュメンタリー映画を作成しているという設定なので
POV方式です。
日本の配給会社が適当に付けたあの3つの約束とかは忘れた方がいいです。
話にはあまり関係ないです。

おちばれ…?

お姉さんと弟の描写がよくて、弟くんは生意気なんだけど
おねいちゃんの命令には渋々従うし、
お姉ちゃんは辛辣だけど、弟が発作を起こしたら気長に付き合ってあげる。
2人とも父親に捨てられた件がトラウマになって、
お姉ちゃんは鏡が見られなくなり、弟くんは潔癖症を発症しています。
なので2人とも他人の弱さにとても優しいです。

電車での出発を見送るお母さんが、最初はふざけて本気走りの真似とかしているけど、
段々泣き顔になるのとか、ああいうちょっとした描写がシャマランぽいなーと思った。

最初の夜の恐怖シーンとか、ホラーではツカミに当たりますが、
人が歩きながらゲロを吐いているってかなりショッキングでした。斬新だな!と。
ていうか役者さんすごい熱演でした…。
ただ、病理的なものを誇張して、一種のクリーチャーとして撮っているので
抗議が来ないのかなこれ……と、ちょっと心配にはなった。

POV方式なので、余計な音楽や、あのホラー映画独特の
やかましい効果音がなかったのがよかった。
エンディングが微笑ましく、かつさりげなく2人の再生と傷の克服を表現していて
とてもとてもよかった。あれがあるとないとでは大違いだ。



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「図書館戦争THE LAST MISSION」

2015年10月16日 | バトル映画

原作「図書館危機」の近代美術館の話でした。
陰湿な女子のいじめの部分とかはカットして、アクションと陰謀で補填してありました。
(でも最終巻図書館革命から一番いいエピソードを使ってたけど、次回作はどうするのかな)
前半は割と計略にはめられていくパートなのでストレスがたまりますが、
こまやかなラブコメで癒され、ラストで盛り返します。
ドラマと映画をテレビで放映した効果なのか、お客さんが多かったです。

私は半分以上岡田さんのアクション目当てで行っているのですが、
今回少々物足りず。もう少し明るい場所で、手足の動きの良く見える服装でお願いしたい。

内容ばれ

敬愛する稲嶺館長を偲ぶため、わざわざ日野図書館跡まで
稲嶺館長の写真を持って行って、思い出に浸る仁科司令…うん…。

玄田さんの「モウヤメロー!ズバババーン」は原作の方がいい…と思ったんですが、
(あれじゃ玄田さんがあほみたいじゃないの)場所が変わったので仕方ないか。

栄倉奈々さんの背が段々伸びているような気がするけど錯覚ですよね。
岡田さんとの身長差がすごいことになってるんですけど…。

自分は本の扱いは雑な方だと思ってましたが、
あの状況で、たとえ大怪我をした大事な人を横たえる時でも、
「あ、本が汚れるな」と無意識に平積みの本を横に除ける気がする。
意外に本を大切にする方なのかも。

原作「図書館革命」ばれ


王道のラブコメなのに、女性が負傷した男性を
肩の上に担ぎ上げて移動するという展開が大好きなんですが、
今回堂上さんの負傷を使っちゃったので、担ぎ上げはもうないかな…残念…。
身長差があっても筋肉が重くて岡田さんを持ち上げるのは無理なのかな。
ワイヤーで吊ったらどうだろう。超地味なワイヤーアクション。

ロケに使われていた図書館が素敵でしたー。
最近は書架の上に照明がついているのが普通なんですね。
閲覧しやすそうでいいなあ。
水戸市立西部図書館
新潟県 十日町情報館
北九州市立中央図書館
宮城県図書館
どこも格好いいので画像検索してみてください。


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「ファンタスティック・フォー」

2015年10月13日 | バトル映画
監督ジョシュ・トランク

超能力ユニットの副題で映画化されていたシリーズのリブートです。
原作はマーベルコミックスですが、映画化の権利を持っているのが
ディズニーではなく20世紀フォックスなので、
アベンジャーズにはつながりません。
先に公開されたアメリカで、ものすごい酷評を受けました。
暗いとか、無駄にぐろいとか、だるいとか、主演と監督が殴り合ったとか。
先に書いておくと私は監督の前作「クロニクル」が好きなので監督擁護派。

天才的な頭脳を持つリードは、学生の頃に物質転移装置を完成させる。
彼は、ストーム博士からスカウトを受け、転移装置開発チームに加わる。
チームには、リードと並ぶ頭脳を持つヴィクターとスー、
そして彼女の弟ジョニーがいた。
猿による実験を成功させた彼等は大喜びするが、
実験がNASAに引き継がれる事を知り、
人類で最初に異次元へ降り立つ人間になりたいという一心で
許可を得ず転送実験をする。
リードは子供の頃から側で支えてくれていた親友のベンを呼び出し同行させる。
しかし実験で事故が起こり、彼等の身体は異常な変化を起こす。というあらすじ。

よいところ。内容ばれ。

リードとベンが子供の頃からの友人で、
周囲から浮いていて才能を認められないリードを、
ベンだけが理解して支えてきたという改変がとてもいい。
あとヴィクターが最初から悪人ではなく、
彼もまた天才で、そのせいで少しコミュ障なだけだとか、
ジョニーとお父さんの関係とか。
スーが単なるお色気ねえちゃんでなく才能ある科学者なのもいいです。
そして漂う彼等の学生っぽさ。研究室でごはんむぐむぐしたり、
ちょっぴり男女関係の嫉妬があったり、転送先で自撮りしたり。
学生生活と、ちょっと苦い友情と、それが悪い方向へ転がってしまうのと、
広がりのない世界、濃い不安が滲んだ画面は監督の持ち味なので、
普通に本領を発揮した仕上がりになっていると思う。
これが駄目なんだったら、監督選びが下手なんだよ…。

悪いところは反転。

時間を15分伸ばして大規模戦闘をもう1つ入れたほうがよかったかも。
あと異次元に行っちゃおうZe!って言い出したのはリードなので、
ベンだけではなくヴィクターにも謝ったほうがよいのではないか。
しかも元々関係なかったベンを夜中に電話で呼び出して
巻き込んだのはかなりギルティなので、「運命だったんだ!」は酷いと思う。
ベンが言うのはいいがおまえはだめだ。ベンが一番醜い形状変化だし。
しかしマーベル3大天才、トニー・スターク、ピム博士、リード博士、
厄災の半分くらいは3人が余計なことをするせいらしいので、
これって原作リスペクトなのかも。
だからってリードだけが1年逃げ続けて、他の仲間は軍事利用されているとか
その設定はリード下げが過ぎるけど。
頭が弾けるシーンはマイルドだと思ったけど、
手足が伸びるのはリアルなCGで見ると気持ち悪かった。モザイク掛けてほしい。
前半はあれでいいと思う。
ベンとリードの子供時代描写がなくて
実験の失敗から始まってあとずっと戦闘だったら、そっちのほうが退屈だ。


ところで監督が問題のあるツイートをして炎上したらしいという記事を見て
ツイート内容を検索したら
「一年前は素晴らしい映画になり多くの論評を得られるはずだったが、
おそらくそのような様子が訪れることは決してないだろう。本当に辛い」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150811-00010012-realsound-ent
という文で、これの何が問題なのか全然分からないよアッハッハー!という気持ちです。
だって実写進撃のスタッフによる炎上書き込みに比べたらこんなの…!


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