映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「貴公子」

2024年04月14日 | 暴力orハードボイルド系


「THE WITCH 魔女」シリーズのパク・フンジョン監督、
と聞いて、じゃあ漫画っぽい流血多めのバトルものだな…
と思って見に行った。

賭けボクシングで日銭を稼ぐ主人公は
病気の母の手術代を必要としていた。
昔フィリピンに来て母を妊娠させた、
韓国人の父親を捜していた主人公だが、
その父親は大財閥の総帥だったことが分かる。
父に会いに行く飛行機の中、
不思議な笑顔の男性が近づいてきて「友達」だと名乗る…
というあらすじ。

暴力表現が多い、残虐な「カラオケ行こ!」。
(お叱りを受けるかもしれませんが)
天真爛漫でご機嫌な殺し屋が登場します。

エンドロール中に何度か映像あり。

内容ばれ

主人公、ボクサーなのに体力なさすぎ…?
それとも私が映画の超人を見すぎて麻痺してしまっただけで、
リアル人間はあんな感じなのかも…。
自分が有利になる状況でも、人の自転車を奪ったり
銃を拾って応戦したりしないところに好感が持てました。
お母さんにきちんと躾けられ愛されて育ったのでしょう。
今後も汚らわしい悪人どもとは関わらず過ごしてほしい。

邦画だったら岡田将生さんだな完全に…と思って見てました。
不思議と嫌いになれない無邪気さ。
シリーズ化するんでしょうかね。
次回は喉の調子がよくなってるといいね。
あとピンチの時にマルコがちょっとだけ出てきて助けてくれるといいね。






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「インフィニティ・プール」

2024年04月08日 | 暴力orハードボイルド系
ブランドン・クローネンバーグ監督。
海辺のリゾート地として人気だが貧しく治安の悪い国リ トルカ。
そこへヴァカンスに来た小説家とその妻。
しかし彼らは過失で犯罪を犯す。
リ トルカの法では死刑であるが、クローンを作って身代わりにすれば
刑を免れると知った小説家は…というあらすじ。

嘔吐、放尿、薬物接収、アブノーマルな性行為あり。
成人男性への執拗な暴行描写あり。
性器がボロンする。
メッタ刺しあり。頭部破壊とかあり。
残酷描写はホラー映画と同等くらいです。

美しい肉体を持つ白人男性がひたすらに酷い目に遭わされ、
破壊される映画です。
シャマランの「OLD」と
マルキ・ド・サドの「悪徳の栄え」
リドスコの「悪の法則」
を足して割ったような…。

内容ばれ

うーん、奥さんが退場してくれて安心しました。
リ トルカ国民を有色人種にしない常識を持ち合わせてくれてありがとう。
しかしあの国、文明国ではないような扱いだけど、
クローン技術だけ発達してるのはどういうアレ?
臓器とか皮膚とか売ってボロ儲けではない?
カズオイシグロ氏の例のあれみたいな…。
あと脳を焼いた奴隷産業で天下とれるのでは?

最近アレクサンダー・スカルスガルド氏と
アニャ・テイラー=ジョイ氏主演の陰惨な映画を見たばかりですが、
全然違うわ!全然違うわ!振れ幅でかすぎるわ!

強く圧倒的な男性の狂人が凶行に走り
女性をめちゃくちゃにする作品は結構数あるけども、
能動的で狂った女性の悪人(狂人)を
強く圧倒的な存在として描いているのは珍しいですね。

ものすごく言ってほしかった言葉をくれるひとが人生に突然現れたら、
最大レベルの警戒をしなさいよね…。
大ババ様から言えるのはそれくらいです。




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「K.G.F CHAPTER 1」

2023年07月19日 | 暴力orハードボイルド系


10歳で母を亡くし、天涯孤独の身の上となった少年ロッキーが、
犯罪組織で成り上がり、金鉱の利権争いに巻き込まれていくという内容。
インドの仁義なき戦い。
歌わないのかなと思ったら歌うのでご安心ください。

顔面ぢからの強い人がいっぱい出てくるので
途中でだんだん見分けがつかなくなってくる。

内容ばれ

ロッキーがともかく強くてバッタバッタと敵をなぎ倒していく様子が
ハードめに描かれるのですが、恋愛パートはちょっとコミカルで
温度差におっとっと、となりました。
「Congratulations……俺が君を愛した」は、
HiGH&LOWの「いい女はっけーん」に匹敵するセリフ。

完全にめぐりあわせの問題なんですが
死んだ母の愛エライスゴイ映画が2連できて、
うへぇ…もうお腹いっぱいだよぉ…って状態になったので
CHAPTER 2に進むパワーが出ず、撤退しました。




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「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦」

2023年07月03日 | 暴力orハードボイルド系

芭流覇羅との抗争を描くシリーズ2作目の後編。
東京卍會を抜けた場地を連れ戻す使命を受けたタケミチは…
というあらすじ。

タイミング悪く、公開直前にメインキャストの1人が事件を起こし、
公開が危ぶまれたが、封切られた。
最近公開直前に事件が起きて公開延期になった邦画があったが、
基準はやはり死者の有無だろうか。

内容ばれ

ヒナタさんに別れを告げるのってこのタイミングだったろうか?
というか何回やり直しても、誰かが思いもよらぬ行動をとって破綻するので、
廃墟ホテルとかに全員拉致してずっと監禁しておくか、
ヒナタさんを連れて2人で国外へでも行きたいな(大人なので気が短い)。

一虎役の村上さん、イメージに近いかと言えばそうでもないけど
演技力が高いのと、あの怨嗟の言葉が似合う声が印象的な役者さんなので
休業は惜しいな。
というか続編はどうなるんだろうか。


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「ヘルドッグス 地獄の犬たち」

2022年09月18日 | 暴力orハードボイルド系
過去のとある事件をきっかけに警官を辞めた主人公は
現在は組織犯罪対策部の命令で、暴力団への潜入捜査を行っていた。
寡黙で仕事の的確な主人公はどんどん出世し、
部下にも慕われていたが…というあらすじ。

岡田さんのアクション目当てに行った。原作未読。
アジアンノワールをやろうとしていて、比較的上手くいっている。
感情のためのシーンが少なくて、湿度は低め。
暴力のシーンは多いが陰惨度は少し低く、日本で上映するにはベストだと思う。

岡田さんの作られるアクションは、一撃必殺ではなく
次の技にどんどん連携していく組み立てが、起承転結あって好きです。
むしろ隙のでる大技は避ける傾向にある。
つまりとてもテクニカルなので、
骨が折れても首が折れても情念がこもらなくてドライ。そこも好き。

性加害がほぼないのも良いと思う。
抵抗の手段のない女性を傷めつけるシーンがない。
邦画(一部アジア映画)は、怒鳴る・女に加害する=過激!って思ってる作品が多いんですが、
なんでもかんでも怒鳴ってる人は耳が遠いのかとしか思えないし、
女性への性加害は「ホモソーシャル忘年会かくし芸大会!」くらいにしか思えないので、
本当に過激な映像が撮りたければ監督の愛猫の目玉をくりぬくシーンとか入れれば…?(CGで)
と大変白けてしまいます……。

腹パン嘔吐が少しあるので注意。

ラストまでばれ
感情控えめな「新しき世界」。

みんなが岡田さんのことを好きで、最後はもう取り合いみたいになってて
ちょっとクスっとした。
反隠喩主義過激派の私ですが、
MIYAVIさんとの最後のアクションシーン、なんの隠喩かわかりますよ。
(MIYAVIさん演じるラスボス、キックで粉々に割った瓶を
あとでしゃがんで自分で片付けているところとか味があってとてもいい)

宗教二世の設定は極力表にださないようにしてあるけど重要だと思う…。
最後、裏切られたと逆上して岡田さんを殺そうとすると予想してたが
私の予想をはるかに超えて岡田さんのことが好きすぎたんだなサイコボーイ…。

大竹しのぶさん、出て喋ってるだけで映画の格が上がる。
大竹先生のマッサージ、相場の10倍出すのでやってほしい…。凝り取れそう。

冒頭のシーンで岡田さんが呟いていたのはフレイザー「金枝篇」の祭司殺しの部分。
この本は「地獄の黙示録」でカーツ大佐が読んでいる。
「地獄の黙示録」の元ネタはコンラッド「闇の奥」。
映画内で「闇の奥」って3回くらい言ってる。
(あと闇の奥の主人公には象牙を運搬する役割がある)
(象牙に関しては、そういうルポを読んだと監督はインタビューで仰ってますが)
(予告で「闇の奥は深いぞ」ってセリフを聞いたときは寒くて背筋がぞっとしたんですが
映画を見たら「ああ、書物匂わせかー」って安心しました)
「闇の奥」は有能な人物が地獄のような場所で狂ってしまったのを主人公が看取る話ですし
朗読されていた部分は、王殺しの部分、
よそ者がやってきて祭司を殺し成り代わり、その祭司もまた次の来訪者に殺される、
というくだりです。フンフンなるほどね、と思った。しかし潜入者多すぎ問題。

原田監督、前作でハバネラの使い方にギョっとしましたが
今回もアルハンブラの思い出で「!?」って感じでした。
スペイン繋がり…?と思ったがビゼーはフランス人だった。はい解散。
吉原光夫さんのお歌の使い方はぽかぽかした(笑)。

あと前作のロケ地もすごかったですが、
今回のロケ地もよかった。
福島県 ヘレナ国際ホテル
https://helena-international.jp/location/hotel





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