映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ビースト」

2022年09月12日 | サバイバル系


妻を亡くした医師が、娘2人を連れて妻の故郷である南アフリカを訪れ、
サファリ見学をする。
しかし途中、立ち寄った村の住民が皆殺しにされているのを目撃し、
その殺戮を行った狂える雄ライオンとの死闘を繰り広げることになる…というあらすじ。
動物サバイバルホラーです。

もちろん人間の死体などが映ります。

娘ちゃん2人が結構自由なので、
そこにいろ→いない
動くな→動く
が何度も繰り返されるので、ちょっとストレスだった。
お父さん大変だ。

ラストまでばれ

特にお父さんがライオンの近くにいて身を潜めているとき、
娘たちがトランシーバーでお父さんを呼んでみよう!
とデッカイ声で通信してきて、ウワァァー!ってなった。
「ワールドウォーZ」を見ていればあんな事にはならなかったのに。

人食いライオンくんでも、やっぱりヘビは嫌なんだね。
きゅうり見て飛びあがるネコチャンと反応がおんなじだった…。
最後お父さん、人食いライオンとステゴロで勝負を始めて
発狂したということかと思ったら違った。
一応育てられたライオンたちが仇を取った形だね。

それにしても動物に魅せられて南アフリカに定住し、
1人や2人ではない密猟者を殺していて(でないと確率的に顔バレしているのはおかしい)、
性愛か友情かは分からないが強いシンパシーを抱いた女性(埋葬の件でも分かる)を
医師の友人に紹介したら2人は結婚するが、彼女は癌で死にアメリカに埋葬されてしまう。
自分が紹介しなければあるいは彼女は生きていたかもしれない、
しかし医師の友人はいいやつで、娘たちもいい子だ…という複雑な葛藤を持った
シャールト・コプリー演じるマーティン、
なんでそんな主人公みたいな属性をいっぱい付けるのだ?と思った。

得体のしれない強大な何かに監視されていて家や車から出られないという状況は
最近封切られた「NOPE」とかぶっていて、ちょっと不利だったかなと思わないでもないです。



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「1917 命をかけた伝令」

2020年02月20日 | サバイバル系

1917年、西部戦線において作戦指揮を執るエリンモア将軍は、
ドイツの巧妙な後退偽装を察知する。
前線のデヴォンシャー連隊がこの戦略に乗って総攻撃をかけると
多数の犠牲者がでるため、攻撃中止を伝える必要があったが、
断線により連絡手段はなかった。
将軍は二人の若い兵士を選び、伝令に立てる。
彼らの命がけの行軍が始まる、というあらすじ。

命令を受ける直前から、最後の場面までがワンカット風に撮られてます。
臨場感がすごい。
あと塹壕も。塹壕すごい長い。
調べたら700キロ以上掘ったらしい。
なな…ひゃ…?(白目)
様々な死因の死体が映りました。人間や他の動物。
あとネズミ。こんなにたくさんネズミの映る映画は珍しい。
ドラえもんと二階堂くんは見ないほうがよろしい。

英国俳優大集結です。

内容ばれ

これ「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」がモチーフにになっていて、
二人とも辿り着いた先でマッケンジー大佐に射殺されたらどうしようと思ってました…
違って良かった。
(あの不吉きわまりないマーク・ストロングさんの助言はなんだったのか)

まさかポッチャリくんがあんな事になるとは…。
大事な伝令をたった二人に、ろくな装備も与えずやらせるとか、
本気で前線を救う意思はあるの?と思ったけど、
ああいう伝令は一つの指示に対して複数派遣する、とあとで読んで納得しました。

エクーストの夜の、照明弾が次々と放たれ影が生き物のように動く光景は美しかった。
「地獄の黙示録」の川のシーンを思い出しました。

蛇足ながら言わせていただくと、
コリン・ファースさんとマークス・トロングさんの転生もの映画がまたひとつ増えた。



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「ジュマンジ ネクスト・レベル」

2019年12月15日 | サバイバル系

前作から数年後。それぞれ違う道に進んだ4人だが、
命懸けのゲームを乗り越えた絆で、今もSNSを通じて繋がっている。
しかし仲間たちの華々しい生活に気遅れを感じ、
また大学生活を楽しんでいる様子のマーサからも距離を置いたスペンサーは、
ジュマンジ世界の強い自分に魅力を感じ、帰省の際に出来心でゲームを起動してしまう。
しかしゲームは正常に作動せず…というあらすじ。

今回は予告にもあった通りスペンサーのおじいちゃんとその友達も
ゲームに強制エントリーされて、うまい具合に変化になってます。
相変わらず4人とも友達思いのいい子達。特にベサニー!
誰が見ても楽しめますが、前作を見てないと話が分からないかも。

ラストばれ

ドウェイン・ジョンソンによるダニー・デヴィートの真似、
一番最初が一番うまくて、あとはドウェイン・ジョンソンだった(笑)
ジャック・ブラックは安定のジャック・ブラック。
でもやっぱりベサニーのジャック・ブラックが一番魅力的な気がする。

メインはおじいちゃん2人の和解と別離で、
しかも音楽がヘンリー・ジャックマン氏だったので、
新たな扉が開いてしまうところでした。あぶなかった。
異種間のあれこれはもうちょっと大人になってからにします…。
しかしスペンサーの問題
現実のコンプレックスからのゲーム依存は
根本的な解決をしているとは言い難いので、何とかした方がいい。
あとスペンサーが暗い家の中をウロウロしていると
ペイモンが出そうなのでやめてほしい(ヘレディタリー)。

ノラの店のノラ、ジュマンジのおばさんなの!?
ネットで見るまで気付かなかった。

予告で見た、ジュマンジ世界がバグっておかしくなりつつあるシーン、
(ダチョウが無限増殖したり、喋りがスクラッチ気味になったり)
が全部カットされて差し替わってた。
相当改変されたんだな。



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「スイス・アーミー・マン」

2017年09月25日 | サバイバル系

ダニエル・シャイナート監督・脚本
ダニエル・クワン監督・脚本

無人島に流れ着いたハンクという青年が、同じく島に流れてきた死体のメニーと共に、
サバイバルする過程で2人の間に友情が芽生えるというブロマンス映画。
類似作品を全く思いつけないとても変わった物語です。
死体と一緒に悪戦苦闘する話は「世にも奇妙な物語」にあった気がするし、
「キャスト・アウェイ」のウィルソンが死体になったような感じ…とも思うんですが、
ハンクとメニーの暖かい(そして馬鹿馬鹿しい)交流はやっぱりそれらとも違う。
死体をダニエル・ラドクリフさんが演じます。
ともかく変な役がやりたい彼は、脚本を読んで即決だったようですが、
彼の見事な死体演技は一見の価値ありです。

腐敗ガスおならネタとか、勃起した男性器がコンパスになったり、
ダニエルさんのお尻まるだしとか、一部下品なので、
ご家族での鑑賞向きではない気がしますけど、
見た事のない独創的な話が好きな方におすすめです。
本当に、どうやったらこんな話を思いつくのか。

タイトルは、死体のメニーくんには信じ難いほど色々な機能があって
お役立ちのところから、スイスアーミーナイフに譬えています。
映画「グリーン・ホーネット」でブリットが有能なカトーに対して
人間スイス・アーミーナイフって言ってたのを思い出して、ふふってなりました。
あれも大好きなブロマンス映画です。

ラストばれ
ハンクとメニーの距離がどんどん縮まって、
酔っぱらってキスしそうになってからの甘酸っぱいおやすみと
危機的状況での満を持してのキス、一体何を見せられているのか…ってなりました。
でも2人には好きな女性がいるし、これは行き過ぎた友情表現…?
と思っていたら監督が質疑応答で
「ハンクとメニーが恋に落ちるに任せて、意図せずしてゲイ・ネクロフィリア映画を作った」
って答えておられたので、やっぱりこれは恋愛映画でいいような気もしました。
でも恋愛映画って言ったらネタバレかもと思ったので伏せます。

ハンクとメニーがごっこ遊びをするために作ったバスや、
レストランや映画館がとってもロマンチックでした。
バスの窓の風景が手動で流れるところとか、
ミシェル・ゴンドリーっぽい工作感というか、
絶対監督はミシェル・ゴンドリー作品が大好きだと思う
女装するハンクの格好も、滑稽なはずなのに
バスの映像はすごくすごくキュートに撮れてたし、ポール・ダノさんの演技も良かった。

でもこの映画、現実から乖離しないよう、
「メニーとの交流一切が、ハンクの幻覚」とも解釈できるよう撮ってます。
ハンクが死体を動かし、メニーとして喋っているともとれる。
(ハンクと幼女以外はメニーとコミュニケーションをとってない)
というか、最初の島を脱出して、
自分の住んでいた地域に到達できていたというのはかなり非現実的なので、
どこまでがリアルなのか考え出すとちょっと難しい。

監督2人組はこの作品がデビューのようなので、
これからも変な映画をどんどん撮ってほしいです。
それにしてもあの曲、ジョン・ウィリアムズ御大からよく使用許可とれたな!
あ、全体的に音楽のセンスもとてもよかった。

映画予告
https://www.youtube.com/watch?v=cmmxUF1Sy_k


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「レヴェナント 蘇えりし者」

2016年04月25日 | サバイバル系

映像美が凄かったです。
色がきれいとか風景が美しいとかではなく(いや風景も美しいですが)、
世界の奥行や空の高さを感じさせる撮影技術が。
普通人間がアップになっていると後ろの自然は背景ですが、
遠景がくっきりと鮮明なので手前にいる人間が
妙に小さく心細く見えるという不思議。
梢はどこまでも伸びて遠く、空は果てしなく大きく、
人間ってちっこいんだなーって思いました。
あとオープニングの交戦シーンが圧巻です。
逆にあらすじは単調なので、小さなモニタでの鑑賞向きではない。

19世紀初頭、アメリカ先住民族の妻を持ち子をなした白人の主人公は、
土地勘をかわれて毛皮業者の一団に道案内として雇われるが、
好戦的な部族に追われて山に分け入った際に、
熊に襲われて大怪我を負う。
主人公を看取る役目を金で請け負った男は、
本隊から遅れるのを嫌い、まだ息のある主人公を殺そうとする。
止めに入った主人公の息子をはずみで刺殺してしまった男は、
主人公を埋めて逃げる。
主人公の復讐のためのサバイバルが始まるというあらすじ。

結構血が出て体の部分が取れたり、動物が死んだり、
内臓が映ったりします。苦手な人にはハードル高いかも。

照明は自然光のみ、役者さんは雪を求めて地球を大移動したり、
川に漬けられたり生肉食わされたりして過酷を極めたそうです。
トム・ハーディーさんは自分が監督の首を絞めている写真を
Tシャツに加工してスタッフに配ったらしい(笑)
あっでも瞳孔の散大収縮による瞳の変化とかが
綺麗に映ってましたよ。

内容ばれ

熊こわいし、頭撃っても止まらないし、
あの「お腹空いてないけどとりあえず殺しとくか」っていう嬲り殺し
すげえ嫌だし、銃は連射できないし、
主人公がゴールデンカムイを読んでいれば…って思いました。

事前に熊×レオって聞いてたんですけど、
本当に熊×ディカプリオさんのシーンが長くて、
これ以上続いたら笑ってしまうのでやめて!って思いました。
あと隊長さんがディカプリオさんの事を狙いすぎていました。

ずっとディカプリオさんがハァハァフゥフゥいうのを聞いている156分です。
もうちょっと短くしてもいいと思う。
あと演技で言えば「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のほうが
テクニカルだと思うんだけどどうだろう。
役者が過酷な目に遭うのと演技のうまさはイコールじゃないですよね。
まあでもともかくディカプリオさん主演男優賞おめでとう。

実在の人物の話のようです。熊に襲撃されて見捨てられたけど、奇跡の生還をして、
自分を見捨てた連中に復讐するため追跡するという。
作中の主人公、ちょっと超人すぎって思いましたが実話なら仕方ない。



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