映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
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「バイオハザード  ザ・ファイナル」

2016年12月27日 | ホラー映画

シリーズ通して設定矛盾やキャラクターの謎の行動が
どんどん増えてきた映画バイオですが、
なかなか綺麗な締め方でした。
アリスとクレアがメインなので、今回は女性の方が楽しめるかも。

人工知能レッド・クイーンからメッセージを受けたアリスは、
48時間以内に抗ウィルス剤を散布しなければ、
地球に残った最後の数千人の人類が完全に死滅する事を知らされる。
彼女は抗ウィルス剤を入手すべく、
アンブレラ社の研究施設に潜入する決意をするのだが…。
というあらすじ。

ねたばれ

アクションは画面切り替えと手ブレ効果多用しすぎで
何が起こっているのか分かり辛く、
またあらすじも流されるままに一行が移動していく感じで、
まあ、よくある大作アクション映画なのですが、

少女の自分と、老いた自分と、若い現在の自分が
互いに認め合って労わり合い、ひとつに収束するエピソードは良かった。
自分が複製であると知らないコピーアイザックスが、
真実を知って、自我が歪むところもよかった。
アリスとアイザックスは1つのオリジナルが分裂した存在だった所は似ていたけど、
結果は対称的でした。

お隣のカップルが、「ローラ分かった?」「ローラすぐ死んでた」
などとお喋りなさっていて、
私は「ローラってクリーチャーの名前かな?そんなのいたかなあ…」
と思っていましたが、日本のタレントさんなんですね。
うん、すぐ死んでたよ。

とんちで殺されたウェスカー、悪いけどちょっと笑ってしまった。

エンドロール後に台詞が1つあります。
(でもべつに聞かなくても問題ないです)



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「ドント・ブリーズ」

2016年12月26日 | ホラー映画

監督フェデ・アルバレス
脚本ロド・サヤギス

SNSで大変話題になって、レディースデーに見に行ったら満席でした。
(ただしホラーなので公開劇場が少なく、シアターの座席数も少ない)
興行成績も、現時点で製作費の15倍稼いでてすごい。

父親の警備保障の会社から、警報のキャンセルパスコードと
合いカギをこっそりと入手し、裕福な家庭に空き巣に入るアレックスは、
仲間のロッキーとマニー、3人チームで仕事をしていた。

ある日、娘を交通事故で失い、莫大な賠償金を手に入れた
盲目の老人の噂を聞きつけ、3人は老人の家に忍び込むが、
その老人は元軍人で、聴覚と身体能力で視覚を補い、
若者3人に襲い掛かってきた。というあらすじ。
なかなか佳作のホラーです。
「イット・フォローズ」「残穢」「死霊館」と、今年はホラーの当たり年。

ヌスットたちは老人に気付かれないように家から抜け出したいのですが、
窓という窓には鉄柵が、ドアには鍵がいくつも、
割れたところは板と釘で補修してあって、なかなか脱出できません。
しかもヌスットたちはアメリカ人だから、呼吸音がハァハァやかましいし、
やたら足音が大きい。
なんかこれは無理では…という感じが最初からしました(笑)

おちばれ注意

なんかもっと話の通じない痛快サイコパスおじいちゃんが
無双する話だと思ってましたが、ちょっと違った。
地下室のあれはびっくりしたし、
娘を失っておかしくなった設定もいいと思うんですが、
あの日本のえろ同人誌みたいな話は不要だったんじゃないかな。
ともかく誰でも娘だと思っちゃうのでいいんじゃないかな。
気持ちの悪いサイコパスVSクズで、どっちも応援する気になれなかった…。

あれだけ正しい事言って、みんなの犯行を止めようとして、
1人なら3回くらい脱出できてそうだったアレックスを、
ヒロインさんがそのチャンスを何度も潰してその結果ああなったので、
結末はちょっと腑に落ちないです。
おじいちゃんはカリフォルニアまで出張してほしい。
そして妹ちゃんだけ助かってほしい。

ヌスットたち3人とも、どんな危機的状況でも、
愛のままにわがままに僕は犬だけを傷つけない根性は凄かった。

最近のホラーはデトロイト舞台が熱いのかもしれない。
そして映画の貧困家庭は大抵子連れの母親が
悪い男に引っかかって、子供を虐待して、
昼間から酒を飲んでソファに座ってテレビを見てるんですが、
あれが黄金パターンなんだろうか。
子連れの父親が悪い女に引っかかって、
昼間から読書して青汁飲んだりはしないのか。



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「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」

2016年12月19日 | SF映画

つい最近新作の公開されたスター・ウォーズシリーズの
スピンオフ作品です。

帝国はーとてもー強いー 戦艦はーとてもーでかいー
ダースヴェイダーは黒い! トルーパーは白い!
デス・スターまるいー

の歌で有名な、帝国の超破壊兵器兼移動要塞デス・スター1号機が
シリーズの中でわりと簡単プーにぶっ壊れたのはなぜか?という
モブの頑張りを描いた映画です。
ゆえにラストがどうなるか大体分かっているのですが、
だからこそ燃える!うわぁぁぁぁ!という感じです。
この作品単体でも話は分かりますが、
未見の方は旧作のEP4・5・6(1977~1983)を見ておくとなおよろしいです。

良かった点(腐寄り・ラストばれ)
ドニー・イェンさん演じる、盲目の僧侶
チアルート・イムウェのキャラクターがよかった。
こういうビッグタイトルの映画に出てくる黄色人種のキャラクターで、
子供が真似したくなるような格好いい演出をされているひとって本当に少ないので、
(大抵完全脇役仕様とか解説役とかコメディ要員とか)とても嬉しかった。
そしてチアルートと、相棒のベイズ。
彼等の遣り取りは、若者のバディが火花を散らすそれとは違って
とても静かなんですが、でも互いの事は全部了承していて、
自分と相容れない部分も尊重している繋がりの強さを感じました。
何か事情のある友人同士とも、
年月を重ねた恋人同士とも解釈できる含みがあって、
腐女子が千人なぎ倒される感じ。こんな絶妙の匙加減、狙っても出来ないよ…。

そして主人公のお父さんのゲイレン・アーソ。
娘と妻を愛する天才科学者です。
マッツ・ミケルセン演じるこのおじさんが、
なんかLUCKの数値が著しく低そうで放っておけない可愛さなのですが、
敵の管理職のオーソンという人から邪まな想いを寄せられています(たぶん)。
じゃなきゃあんな辺境まで直接来ないよ…。
あと妻子に対する憎悪まるだしの態度と、
貴重な人質である夫人を生きたままゲットしようとする意志が
あまり感じられなかったので、そうなのかなって…。
なんか2人は学生時代からの仲という設定で、
もうすでに公式が同人誌を出しているそうですね。話が早いな公式!
(「Catalyst: A Rogue One Novel」洋書)
関係ないけどマッツの最後のポーズがオペラのヒロインみたいで可憐でした。

あと男性向けお色気サービスのまったくない映画なのに、
なぜか男性の触手責めがあって、
しかもその男性の演技が、恐怖とか苦悶じゃなくて
どう見ても快楽のそれで、我々は何を見せられてるんだ…?
とちょっと平静になりました。あのシーン必要?
サービス?サービスを受けているの我々?

真面目な良かったところも書いておきますが、

たぶんシリーズ初の、
味方にフォースを使える人が誰もいないという状況で
ダースベイダーが出てきて、まさに一方的な虐殺が始まって、
フォースがあって当たり前の認識がリセットされたのがよかった。
ベイダー卿が桁外れに強いとはいえ、化学兵器が通じないんだもんなあ。

あと帝国との戦闘で様々な人が命を落としますが、
愛国心とか神のためとか、愛する妻子を守るためとか、そういう理由ではなく、
支配される事への拒絶、個々の抵抗だったところに配慮を感じました。

よかった点というか、この人ピーター・カッシングに似てるなーと思ってたら
CGでびっくりした!あとレイア姫も、キャリー・フィッシャーに見えたけど、
あれは別の女優さん…?それとも頭部すげ替えCG?

海岸のラストシーンは美しかったです。
考えてみれば、「デス・スター」を滅ぼす運命の子が、
父親から「私のスターダスト」と呼ばれ慈しまれていたという、
その設定からして美しい。

悪かった点(ラストばれ)

話の立ち上がりが非常に「どっこらせ」という感じで
ゆっくりしている。

父との死別が2回(実父と養父)もあって、
状況も似ているので印象が分散した。
(私はメタファ一切を考慮しない派です)

ジンのキャラクターが(勇敢で有能だけど)薄い。
そして女性キャラクターが少ない…。

帝国側がアホ。
セキュリティも組織も建造物もなにもかも、
アホの、アホによる、アホのための文明。
でもこれは伝統芸で、チャームポイントかもしれない…。

監督はギャレス・エドワーズさん。
2014年「GODZILLA ゴジラ」の人です。


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「ブレア・ウィッチ」

2016年12月13日 | ホラー映画

監督アダム・ウィンガード
脚本サイモン・バレット

17年前に大大大大ヒットした「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編。
(正確には3作目。失敗作と言われる2本目が、私は結構好きです)
モキュメンタリー形式大流行のきっかけとなった1作目は、
魔女伝説のドキュメンタリー映画を撮影するために森に入った
大学生3人組が、道に迷い、不思議な物音や声を聞き、
やがて奇怪な現象が起こり始め、仲間ともはぐれ、
パニックを起こす様子が撮影されたビデオカメラを残して失踪するというのが
1作目のあらすじ。

続編である今回は、20年前失踪した女学生ヘザーの弟が、
動画投稿サイト「YouTube」で姉の映像を発見し、
彼女を探すために仲間をつれてバーキッツヴィルの森へ行きます。
今回はGPSやドローンなど、先端技術の装備を揃えて行くんだけど、
あんまり意味ないんじゃないかな…と思ってたら、
やっぱりあんまり意味なかった。
アダム・ウィンガード 監督の「サプライズ」が好きなので見に行きました。
ただ「ブレア・ウィッチ」は制約が多くて、健闘はしたんだけど残念でした…
という感じでした。

内容ばれ
カメラの数が多すぎて、もはやPOVなんだか、
普通に映画なんだか分からんという感じ。

同数の男女が森でキャンプしているのに、
隙あらばまぐわおうとするギラギラした勢いはまるでなく、
みなさん普通に人間として親切なのは好感がもてました。

私は1作目の
「部屋の隅で、知っている人が壁を向いて立っている。理由は不明」
というシチュエーションがすごく優れていると考えていて、
そしてその説明として、
「犠牲者が殺されている間、次の犠牲者は壁を向いて立たされていた」
という台詞が確かあった筈なんですが、
今回、「魔女の目を見ると殺されるので、壁を向いている」
という理屈が付けられてしまい、それは残念でした。
(魔女の目を見ないようにカメラとモニタで前方確認しながら
移動するというアイディアはギリシャ神話的で面白かったけど)

アイリーン事件、コフィン・ロック事件、ラスティン・パー事件、
そして前回の3人と、犠牲者はいつも奇数のような気がするので、
今回もレーンだけ生きてるのかな?って思います。

それにしても成人であるケドワードの両手足の関節がはずれて
伸びるくらいの負荷って、一体何キロくらいの重りが必要なんだろう。
設置するの結構大変だったんじゃない町の人たち…?
あと、1人で隠遁生活をしていた割りには、
パーの家、めちゃくちゃ広いな!?映像酔いしたよ…。




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「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気」

2016年12月12日 | 実話系
監督ピーター・ソレット
脚本ロン・ナイスワーナー

※真面目な映画なのに不真面目な感想です。

ニュージャージー州の優秀な刑事ジュリアン・ムーアは、
機械工のエレン・ペイジと出会い、
エレン・ペイジの熱心なアプローチにより付き合い始める。
秘密主義のジュリアン・ムーアとひたむきなエレン・ペイジは
時々衝突するが、やがて1軒の家を買って共に暮らし始める。
しかしジュリアン・ムーアが末期癌に蝕まれている事が分かり
彼女は恋人に年金を残そうとするが、女性同士のカップルは
男女の夫婦と同じ権利を受ける事ができなかった。
余命幾ばくもない彼女のとった行動は……という実話を元にした映画です。

私は恋愛もの+病気ものは敬遠する傾向にあるのですが、
これは予告で見る限り、エレン・ペイジが攻っぽくて、
歳の差カップルでエレン・ペイジが攻とか見たいに決まってる!
という非常に不純不真面目な動機で見に行きました。
ジュリアン・ムーアも攻がやりたい人なんですが、
エレン・ペイジの子犬のような勢いに負けて好きにさせているという
期待通りの経緯がさり気なく描かれてました!ごちそうさまでした!
2人の出会いからお付き合いの序盤が割と丁寧に描写されていて、
でもあれがなかったら後半辛すぎるので丁度いい配分だと思いました。

後半はLGBTと、悪の組織白人ヘテロ男軍団の、
やや誇張された闘争になります。
「俺達の税金がレズに払われるのか」とか
「(同性愛者のカップルと、自分達男女の)夫婦は違う!」とか
「旧約聖書では!」とか
「(あいつらに味方するやつは)オカマ野郎だ」とか
軍団側も悪意があって差別している訳ではなく、
というか差別している意識はなく、
たぶん自分達が依って立つ価値観を守ってるんだろうな
と思わせる必死な様子でした。

内容ばれ
ジュリアン・ムーアと長年コンビを組んできた男性刑事が
すごくよかったです。
彼女の能力を認めていて、
コンビだから互いに秘密は無いって考えていたのに
セクシャリティの事を隠されていてショックを受けて、
彼女に片想いもしていて、
でも冷静になって彼女に味方し戦ってくれる。
恋愛要素を含まない相棒としての関係に萌えました。
一周回って男女萌え。
(エレンの勤務先の工場長や、若い刑事さんもいい人だった)

地方都市の映画館だからなのかもしれませんが
客の少なさに笑ってしまいました。マイナーなホラーより少ない!
これが同内容で別の障害の男女難病ものだったら
2倍の人数が入っていただろうし、
同内容で別の障害の男女難病もので邦画だったら
4倍の観客が来ていたと思います。


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