映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ゴーストバスターズ フローズン・サマー」

2024年03月31日 | バトル映画


監督がジェイソン・ライトマンからギル・キーナンに変りました。
ジェイソン・ライトマンは共同脚本に。
オリジナル版監督アイヴァン・ライトマンが
2022年に亡くなられたようで追悼の言葉がありました。

相変わらず大忙しのゴーストバスターズだったが
フィーヴィーは、未成年であることを理由に活動を禁じられる。
そんな折、古代の邪悪な魔導士を封じた玉が持ち出され、
ひそかに復活の計画が進行しつつあった…というあらすじ。

うーん、家族で楽しめる、
お子様にとってはちょっと怖いシーンもあり、
皆でワーキャーいえる映画、そういう感じです。
ビーチが凍り付いたりするので、
初夏くらいの上映のほうがよかった気はする。

エンドロール中に1シーンあり。

おちばれ

オリジナルメンバーと、新メンバーファミリーの2軸展開。
たしかに片方だけだと少し薄い気がする。

フィーヴィーが美美美美美美美少女の眼鏡っこ。
むしろ眼鏡なしのマッケナさんよりも美少女のように見える。
メロディさんとの、友情よりも微妙に親密な演出に、
ちょっと拳を握りました。
2人でプリキュアになればよかったのに!

3作目もあるみたいです。

今回のヴィラン、ガラッカくん、
どこかで見たような気がするんだけど、
アクアマンのコーダックス?
サノスの部下のエボニー・マウ?
マレキス?ステッペンウルフ?どれだっけ?
それともヘルボーイ系のヴィラン?

そういえばキンゴが出ていた。




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「オッペンハイマー」

2024年03月29日 | 実話系
クリストファー・ノーラン監督。
第96回アカデミー賞監督賞作品賞受賞。
理論物理学者ロバート・オッペンハイマーを描いた作品。
伝記映画だと思って彼の誕生から死までを予習していたが、
ロスアラモスと、原子爆弾投下以降がメインで
ポリティカルサスペンス風の場面もあり意外でした。
人物関係の把握がやや困難だった。
ノーラン監督作品のなかでは1番エンタテインメント性が低い(と思う)。

嘔吐あり注意

ラストまでばれ

私が伝記を1冊読んだ彼の印象は、
繊細で、愛情深く、理解が早く、記憶力が抜群に優れている。
才能ある学者を深く愛するが、無能な人間は冷淡に切って捨てる。
調整役に向いているので、核兵器開発の環境を整え、
人員を正しく配置する適性があった。
権力者、父権的なものに弱い面がある。
当時の科学者の多くが持っていた軍への嫌悪感がない。
社会的に見ると少し危なっかしい、だったのですが、
ノーラン監督の造形はかなり違って、
ものすごく繊細な面があるが、尊大な一面もある。
才能ある優れた科学者。しかし人間の感情に疎く、
めちゃくちゃ!めっちゃくちゃに!危なっかしく脇が甘い。
「もっと気にしろ。世間知らずめ」
と温和なローレンスに言わせるくらいに。

モノクロとカラーのシーンに分かれている。
最初は単純に過去と現在かと思ったが、すぐにそうではないと分かり、
太陽と陰のたとえ話があったからそれか?という気もしたが違った。
そういえばオッペンハイマーに果物をひと房渡して、
彼がそれを無心に食べている間にローレンスを視線で制止し、
(ローレンスもその意図を察し)
オッピーが無用に傷つくことから守ってやる場面、
何とも言えない慈愛、友愛シーンで
この映画の中で一番好きな箇所かもなのですが、
あのシーンはモノクロだったので、
もしかするとカラーはオッペンハイマー視点、
モノクロは神視点なのかもしれません。
(聴聞会で突然全裸になってセックスを始める演出はカラー。
意味は分かるんだけど、これ必要!?って言いたかった)

この映画、小さなエピソードはもちろん創作シークエンスが使われているが、
大きな出来事については現実に準じている。
なのでジーンの死のシーンについては
オッペンハイマーの主観にして自殺と他殺、両方の映像が交互に流れた。
(関係ないですがサンスクリット語を読ませながらの性行為は色っぽいなと思いました。
あれ、場面転換しましたけど、朗読を続けられない様子を楽しむんですよね)
(ジーンはノーラン監督の典型的な女性キャラクターなので
ピューさんの演技力がもったいないよぉ…と少し思いました)
(キティと描き分けできてる!?)
オッペンハイマーが自責の念にかられているか、かられていないかは
資料から判定できなので、そこは映画でも明確にされていない気がしました。

ラミ・マレック氏、まさかあの
「署名しないうえにその感じ悪い態度!?」
という顔芸だけの登場か!?と思ったけど、
比較的重要なシーンを見事に決めた。
ストローズにとって人間はすべて損得勘定、
利害によって動くものなので、
ヒル博士の、単に正しいと思うことをしたあの証言は
予測できないし理解できなかっただろう。
そして彼にはオッペンハイマーとアインシュタインの会話の内容も同様に
予測できないし理解できなかったのだ。

核分裂が大気に及んで、世界を破壊する可能性はほぼゼロと彼は読んだので、
オッペンハイマーは実験を行い、賭けに勝った。
しかし社会的には大量破壊兵器の開発競争連鎖が世界に及び、
人間と星の寿命を決定的に縮めてしまった。
彼はプロメテウスとなり賭けに負けた。

そして出オチ(名前)のようなJFK。



被爆描写が無いことに関して

バーベンハイマーの件もあり、批判が多かった。
配給会社が決まりませんでした。ビターズ・エンドさんに感謝。
(バービーのページにも書きましたが、
「バーベンハイマー」という言葉自体は、全然違う映画を楽しめる自分!
という一種の自慢、ひいては映画の劇場鑑賞促進のキャッチフレーズだった)

一応科学者の間で、核兵器使用に関する反対署名や討論会があり、
敗戦濃厚な国への大量破壊兵器使用、と状況の正しい認識の言及描写もあった。

投下都市の選定のシーン、
発言後の他メンの表情から皮肉のシーンだと分かるが
(実際はもう少し時間をかけて選定されたようです)
皮肉と茶化しの判別がつかないひとが結構多いように感じられるので少々不安でした。

広島の被害状況のスライド映写、資料朗読をするシーンで
オッペンハイマーが目を背ける描写、
スピーチ前後に顔の皮膚がめくれる女性、炭化した遺体を踏む幻覚を見る場面。
全てにおいて抑え気味のノーラン監督にしては多いと感じた。
このうえ、破壊される広島と長崎を映し、劇的な音楽を流し、
膝をついて慟哭するオッペンハイマーのシークエンスが必要なら、
聴聞会のシーンとはまったく合わないので全部削って別の監督が撮るべきだと思う。

死者への愚弄は当然抗議すべきだが、
分かりやすい虐殺シーンを撮らない、時間を割かない、イコール人種差別である、
とは思わなかった(私は)。





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「デューン 砂の惑星 PART2」

2024年03月18日 | SF映画

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
フランク・ハーバートの同名小説の映画化。
シリーズ2作目。

父を殺され、一族を滅ぼされたアトレイデス家のポールは、
母と共に、砂漠に暮らすフレメンの集落に身をひそめる。
仇敵であるハルコンネン家はアトレイデス家の残党狩りと
フレメンの殲滅を試みるが…というあらすじ。

他の監督ではおそらく撮れなかったであろう、
美のちから押しでした。
科学的ガジェットや風景や、もちろん登場人物、みな美しかった。
ロングショットはどこもかしこもハヤカワ文庫の表紙のようでした。
やっぱり日没の朱色と砂の色のコントラストは映えますね。
SF好きな方むけ。

注意
げろ2回あり。

全部ばれ

復讐の成就までを描いたけど、
PART1+PART2を2時間とちょっとでやったリンチ版、
驚異のスピード。

防護スーツでスゥーっと浮くのとか
はんぺん型陸上機雷みたいなのがスゥーっと飛んでいくのとか、
コンテで見たらダッセ!って思ったと思うけど
映像で見ると格好いいんだよなあ。構図かな。
あと兵器のSEとか、破壊効果とかもクールでした。
お話はまあ典型的な王族遺児の復讐譚、貴種流離譚ですけど、
お母さんがくっついていって、お母さんの思惑もあり、
胎児の妹の思惑もあるっていうのが20世紀新機軸です。

勝利条件が違う複数の団体、たとえばベネ・ゲセリットとか、
思惑が干渉し合って世界が進んでいくので
単純な勧善懲悪にはならないののが大人向けですね。
スターウォーズとか、ナウシカとか、
ここに影響を受けているのが本当によく分かる。

今回リンチ版における鉄パンツの男が出てきた!
わりと話の通じるサイコパスだった。

ロケ地はドバイ、ヨルダン、ナミビアなど。
フレーメンはイスラム文化をモデルにしている(らしい)ので、
大規模侵攻のシーンは現実に起こっている大虐殺が重なってきつかった。
(当然SNLのコントの記憶なども蘇った)




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「DOGMAN ドッグマン」

2024年03月10日 | サスペンス映画
リュック・ベッソン監督
殺人の容疑で拘留された男性。
彼は異性装を好み、拘留前はたくさんの犬たちと共に暮らしていた。
精神科医は彼の驚くべき物語を聞く…というあらすじ。

ダークヒーロー爆誕、という宣伝文句を聞いて
そういう映画だと思って見に行ったんですが、
だいぶ違って、社会からはずれた人の話だった。
意図してないかもしれないけど2019年「ジョーカー」へのカウンターになってると感じた。

注意
人間はたくさん死にます。
主人公の少年時代に受ける虐待描写がえぐい。
犬に向けて発砲するシーンはありますが犬は無事です。
犬が人間用の料理を食べるシーンがあります。

ラストまでばれ

父親からの暴力を受け、母に捨てられ、
好きだった女性からの愛を得られず、
それでも人間の弱さを許し、
弱者を守り、愛を持ち、与えようとする。
ケイレブの中性的な顔立ちと、少し丸みが出た体、
全身に散ったそばかす、男性のような女性のような、
色っぽいような、美しいような、魅力的な見た目。
ちからで勝たないといけないとか、女を得ないといけないとか、
他者の畏怖や尊敬を受けなければならないとか、
そういうものからフリーになった、強くて優しい存在だった。
(好きだった女性にイケメンの夫がいた時点で、
ジョーカーだったらもう階段だったと思う)

ラストは、己の行動の是非を神に問うと同時に
神の采配の是非を神に問うていたように私には感じられた。
(でも脊椎の弾丸の伏線、前半でさらっと流されただけなので
みんなが覚えてるかどうかちょっと不安になった)

ところで虐待ですが、テンプレ虐待父ではなく、
兄が父を崇拝しており、支配もしておるという
短いながらもゆがんだ描写があり、唸りました。
ああいうの、好きな人は好きだろうな。

関係ないですが、
最初、ダークヒーローものだと思っていた時
ベッソン脚本作品の「ダニー・ザ・ドッグ」と設定上のつながりがあるのでは?
と思っていたがそんなことはなかった。





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「ARGYLLE アーガイル」

2024年03月03日 | バトル映画


マシュー・ヴォーン監督
ル・カレやイアン・フレミングと比較されるほど
緻密な内容のスパイ小説シリーズ「アーガイル」。
作者のエリー・コンウェイは、しかし続編の展開に悩んでいた。
列車で移動中に彼女は
スパイと思われる集団から襲撃を受けるが…というあらすじ。

楽しかったです。
もうそろそろすべての展開パターンが
出尽くしたかと思われるスパイアクションものですが、
まだまだあるぞ。
女流作家が襲撃されるというと「ザ・ロストシティ」
が思い出されますが、あれともまた違う。
マシュヴォン監督らしいトリッキーな話です。

注意
コメディ調のねこ虐待シーンが何回もあります。
ねこ嫌いなんかマシュヴォン!

おちばれ

記憶喪失アクション恋愛スパイものプラス
なめてた中年女性が殺人マシーン。
盛りすぎ!

真面目な話、
登場人物の中で一番強く一番ハンサムで、
一番活躍する男に感情移入をするタイプの世界の多くの男性観客は
途中で不思議な感覚を味わったんじゃないかと思いますが
これを機に、色々な人物に自己投影を行えるようになってほしい。

ラブラブサイケデリック皆殺しダンス、
威風堂々に比べるとちょっと柔らかくなりましたが
相変わらずのセンスで好きです。
エリーが男性パートを多く踊っているのに今風を感じます。
あと皆殺しスケートは、思いついても誰も撮らんやつ!
これも好きです。

ところでアナーキストのマークがアベンジャーズのマークに微妙に似てるんですが
マザファッカおじさんの前世となにか関係があるのかなないのかな?
あとキングスマン世界と地続きみたいですが、そうすると同時代に同じ顔のひと多すぎ問題。
(いや、正確にはエリーの作品世界と地続き…?)




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