映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「グッバイ、サマー」

2016年09月21日 | 成長モノ

ミシェル・ゴンドリー監督がここにきて突然
少年2人の友情を描いたロードムービーを撮られたので、
「勝訴」って書いた紙を持って走り回りたくなったんですが、
何があったんでしょうか監督…。
ボンクラ男子2人の友情はこれまでにもありましたが、
今回は片方がガチ美少年で、痴漢された経験とかがあるし、
2人でいるとカップルに間違われたり、
なんか、うん、そういうの知ってます…っていう。
しかもこの映画、監督の自伝的作品で、
美少年が過去の監督らしいんですよね…

でもいつものゴンドリー節もちゃんと健在で、
手製のキャンピングカーで2人は旅をするんですが、
小さな小屋風に偽装できるようになっていて、
付属のプランターにお花とか植わってて、とても可愛いのです。

おちばれ

悩み相談とか、怪談とか、トイレ問題とか、
少年冒険もの定番でわくわくします。
「お前は自分の事ばっかり喋って、僕の事はどうでもいいんだ!」
っていう理由の喧嘩とか、違うよそんな事ないよって
一生懸命弁解したりとか、仲直りしてパンツ買ってあげたりとか、
始終フフフって笑ってました。

飛行機が怖いテオの手を、ぐいっと引っ張って握ってあげるシーンの
ダニエルは男らしかった!
女性っぽい顔をしている男子のほうが男らしいのは実にいいですね。

最後にいつもの監督の白昼夢っぽい映像が出てきて、
「あ、これ銀河鉄道の夜オチでは…」って恐れたんですが、
違って良かったです(笑)。

なんかいつもみたく「ハイハイゲイじゃない」アリバイ女子が出てくるんですが、
ほとんど主人公の成長を表現するための記号キャラクターで
最後見向きもされなくなってかわいそうなので、
出さないであげてほしかったな。そこのところだけ残念だと思いました。

突然の日本語にビクっとする。最近東洋系のいかがわしいお店で働いているのは日本人って認識なの…?




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「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」

2016年09月20日 | アニメ映画

アイルランド・ルクセンブルク・ベルギー・フランス・デンマーク製作
2014年公開(日本劇場公開2016年)
アイルランドに伝わるアザラシの妖精、
セルキーを題材にしたアニメーションです。
物語のフォーマットは天女伝説に近いなと感じました。
セルキーの母親と灯台守の父親との間に生まれた
兄と妹が主人公です。
ビーズ細工と刺繍でできた絵本みたいな映画。
「君の名は。」のような絵柄も、現時点でのアニメの
最高到達点のうちのひとつだなと感じますが、
このアニメのような凝り方も別ベクトルで凄いと思います。
歌も良い。

アイルランド音楽、喋れない妹、兄と妹を守る大型犬、
夜の海、フクロウと魔女、魔法、そういうものがお好きなかたは是非。

内容ばれ

序盤ではけっこうお兄ちゃんにいじめられる妹ちゃんですが、
弱い子ではなく却って兄よりしっかりしてたりするので、
見ていて安心できました。髪を耳に掛けるしぐさがかわいい。

おばあちゃんも、孫が心配でなおかつマイペースなだけで、
別に悪い人じゃないのが良かったですね。
悲嘆にくれる息子をなんとかサポートしてやりたいという点で、
フクロウの魔女と対になっているのでしょう。
(というか、声の方が同じですね)

セルキーの歌声で妖精界が救われる云々は、別になくても良かった。
もしくは母が歌えばいいじゃんって思った。


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「超高速!参勤交代 リターンズ」

2016年09月13日 | コメディ

「超高速!参勤交代」続編です。
前作で蟄居を命じられた悪の老中が、
恩赦で処罰を解かれ、再び湯長谷藩を陥れようと策略を巡らせます。
前回は、貧乏藩がいかにやりくりして参勤交代を成し遂げるかという
頓智によるミッションクリアが話の軸でしたが、
今回はかなり戦闘中心になっているので、
前作と同じ面白さを求めていくとちょっとがっかりするかも。

内容ばれ

今回は将軍様の日光社参が描かれましたが、
人員13万人、夜中の2時に先頭が出発して、
最後尾が城を出るのが午前10時とか、すごいですね。
ジャニーズのコンサートの物販ってそんな感じでしょうか。
(ひとから聞いたことしかないからおぼろげな印象…)
まあコミケの3日間の参加人数が50数万人なので、
1日の参加者数よりちょっと少な目…とか考えていると
段々多いか少ないか分からなくなってくるという。

久しぶりにポリティカル・コレクトネスなにそれおいしい?的な映画を見たけど、
やっぱり配慮された映画に慣れていると、
ヒロインが何の必要も脈絡もなく攫われるあのくだりとか、
ちょっとコントっぽく見えてしまうのでした。

アイシャドウが濃くなった悪の老中陣内孝則を
最終決戦でナンパしようとする殿は相変わらず攻っぽかった。

斬られ役で有名な福本清三さんが、ちょこっと出ておられました。


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「キング・オブ・エジプト」

2016年09月12日 | バトル映画

古代エジプト神話の、父オシリスを殺した叔父セトを討つ、
ホルスの復讐譚がベースになった映画です。
基本はファンタジーテイストのエジプトでありながら、
ちょっとSFっぽいような、一部聖闘士星矢のような、
尖ったビジュアルが面白かった。

予告でかなり損をしている。
人間で盗賊のベックが、恋人のザヤを守りながら
トンチキでベタベタな冒険をするみたいな宣伝がされてますが、
(この映画を見に行くのが決定済みの人は下記読まない方がいいです)
本筋は、人間には何の価値もないと思っていた傲慢なホルスが、
無神論者のベックと旅をし、人間にも知恵や勇気や愛情がある事を知り、
ベックに敬意を払うようになり、神として成長するという話なので、
その部分をもう少し見せるべきだった。

内容ばれ

端々が微妙に個性的で、ちょっとポカーンとする。
たとえば太陽神ラーおじいちゃんは宇宙戦艦に1人で乗っていて、
宇宙の向こうからやってくる特大のグラボイズ(inトレマーズ)みたいなやつを
追っ払う仕事をしていたり。
(セトくんが訪問したとき、おじいちゃんは手回しハンドルみたいなのを
キコキコしてたけど、あの宇宙戦艦まさかおじいちゃんの運動エネルギーで動いてる?)
知恵の神トトは自分以外信用しないので、数十人の自分と一緒に暮らしていたり。

弟神が兄神への嫉妬こじらせてみんな殺してやる!ってなるの、
なんかすごく覚えがある…マーベルにいたよねそんなひとが!
でもカップリングはベクホルだと思います。
神と人間はかなりサイズが違うので(CG地味に大変そうだった)
おもしろいことになりそうだけど。

ところでエジプト神話の血縁関係よく分からないって思って
帰ってから調べたんですが、
セトVSホルス戦、ホルスが目をえぐられたのは神話の通りなんですが、
「セトは睾丸と片足を失った」って無情にも書いてあって、
一体何があったんだ……って思いました。
というか神話って世界どこでも性器エピソードが豊富ですけど、
聞き手の食いつきが違うんだろうなと思ってる。




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「スーサイド・スクワッド」

2016年09月11日 | バトル映画

DC・エクステンデッド・ユニバース作品。
バットマンやスーパーマンと世界が繋がっています。

スーパーマンによる大災害で、メタヒューマンの襲来を警戒する米政府高官が、
凶悪犯罪者のみで構成された決死部隊、
通称スーサイド・スクワッドを発足させる。
首に小型爆弾を埋め込まれた彼等は、危機に見舞われた都市から、
重要人物を救出する任務を与えられるが…というあらすじ。

全員DCヴィラン、極めつけのサイコパスを含むので
どんな気の狂った話になるだろうと思っていましたが、
割とマイルドめに性格改変がしてあって、
デートムービーにできなくもない感じにしてありました。
努力、友情、勝利もの、と言えるかも。
ハーレイさんとジョーカーさんの基地外カップルが大変かわいかった。

部隊をサポートする剣士役に日本の役者さんが出ていて、
ネイティブ発音で日本語を話していたのが地味に嬉しい。
日本人メインキャラクターって珍しいので。

内容ばれ

ヴィランズが1人1人紹介されていく最初の部分が秀逸で
一気に引き込まれました。テンポもとてもよかった。
主にバットマンさんが捕縛していくのですが、
バットマンさん悪人からするとすごい怖いな!
夜だし、コスチューム黒いし、目が光ってるし、声が恨めしそうだし。
フラッシュも出てきますが、コスチューム赤いし明るいし、あまり怖くない。
いま彼のドラマを見ている途中なので、見慣れた人がいると嬉しい。

後半はちょっと苦しいというか、DC映画の特徴って気がしてきましたが、
こだわりがあって、切りたくないシーンをゴリゴリと割りいれてしまう。
薬剤に落ちるハーレイのシーンとか、原作リスペクトなのかもだけど、
あっ、えっ、今入れちゃう!?って感じだった。
ラスボス戦の途中でみんながバーに行って自分語りしてしまうあたりも。
評価が割れるのはそれが原因だと思います。
(キャラクターと勢いと熱意を重視するかたはたぶん高評価だと思う)
なんかみんな仲良しで、部活みたいなの結構良かった。
大佐ばっかり狙われてみんなで守ってあげるのも面白かった。
(狙われる理由はあとで判明する)

あ、演出が超絶によかったシーンがあって、
会議室でのエンチャントレス出現シーン。
女性が机の上に置いた手の、下から黒い指がでてきて、
そっと内側から握りしめて逆転するの、
怖いのとエロティズムと両方あって、出来が良すぎて背中がぞっとした。
ハーレイを狙撃するシーンの演出も良かったな。
ああいう細かいところは脚本にあるのか現場で加えられるのかどっちだろう。

最初のエンドロールの後に1シーンあります。


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