映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」

2015年12月21日 | SF映画

帝国の残党により「ファースト・オーダー」という武力組織が結成され、
各惑星に対する支配が拡大していた。
最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーは失踪しており、
彼に再びジェダイの育成をまかせ、戦況を逆転しようとする
レイア・オーガナ将軍と、
それを阻止しようとするファースト・オーダーは、
彼の居場所を記した地図を探し求めていた。
という設定です。

封切日の初回上映時間前に映画館の前を通りましたが
すごい人だかりで、外国の方が多くおられました。
コンサートのように、「初回チケット1枚譲ってください」
のプラカードを持っている人もいて、お祭りみたいだった。
私が鑑賞したときは隣が外国の一家で、
終盤のあるシーンでは、お子さんがウェーンって泣いてて
ちょっと可哀そうだった。

あの例の奥へ流れていくテロップや、
メインテーマがジャーン!と鳴る事に対する反応は
もはや生理的なもので、自分では止められません。
旧3部作冒頭の流れをうまくアレンジして、
人物を入れ替えて新しい話にしてありました。
往年のファンにとって歴史は繰り返す感あって感慨深いし、
キャラクターには最新のディズニーの男女観や人種観が生きてて
EP7から入った人が見ても、古めかしさを感じないと思う。
(ビジュアルや場面転換の演出はあえてレトロだけども)
(さすがに他の単発SF映画と比べてあらすじが先鋭的とは言えないけど)

内容ばれ

懐かしい皆さんが集結して、同窓会を見ているようです。
でもあのあたりの皆さん、全員血がつながっていて
すごい閉塞感あるので、フィンの存在がありがたい。
レイもフィンもとてもいい子で好きです。

あと新登場のあの黒いやつは、中2病すぎて笑ってしまった…。
ちょっと!何回お部屋で大暴れしたよ!
大昔から言ってますが、人間色々なタイプがいるのに
1つの型にはめようとしすぎなんですよねジェダイの皆さんは…。
フォースの力が強大でも、気性の向いてない子のために
フォースを完全封印する方法を確立すべきだ。
あとルーク、心が折れたからって隠遁するなし。

チューバッカとソロが相変わらずキャッキャしていて大変なごみました。
2時間2人がキャッキャしているだけの映画でもよかった…。
最近お前は上、俺が下だとか言うのは流行りなのか。
(関係ないですがwikipediaのチューバッカの項目書いた人、
チューイのこと好きすぎかよ!?)

ラストシーン、アイルランドの世界遺産スケリッグマイケルなんですね。
SWの聖地となりそう。
マーク・ハミルは「キングスマン」で見た時は結構むくむく熊さんでしたが
一体何キロ痩せなさったのだろう…。

有名な俳優さんが顔を出さずに何人かカメオ出演されているようです。
私は顔出し役柄ありで出ておられると聞いたヤヤン先生
(「ザ・レイド」マッドドック先生)を探していましたが見つけられず。

スター・ウォーズの権利がディズニーに移った事に対して、
ガチファンの中には穏やかならぬ気持ちを持つ人も多いと聞きますが、
ぬるーいファンの私はディズニーとJJに感謝したい。
OPにディズニーロゴを出さないという細やかな気配りもさることながら、
男女ダブル主人公制という、これまで試してみたけど
興行の上でちょっと失敗に終わった形を、
めげずにノウハウ蓄積して、この失敗の許されない大作で使った英断に対して。

なので小学生女児に見てほしい。
主人公を心配するだけの完全サポートヒロインではない、
かといってメスゴリラでもない、
選ばれし普通の女の子が活躍する映画を見て、
のびのびと感情移入してほしい。


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「仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス3」

2015年12月21日 | 特撮映画

チェイスが出る、ベルトさんが出る、というのを予告で知り、
見たいよね…?という事になり見に行ってきました。

ゴースト組とドライブ組が共闘して、
主役2人が突然出現したワームホールによって10年前に飛び、
タケルは父の死を阻止しようとします。
あれっ!その話って本編中にやらなくていいの?って気はしました。

内容ばれ

2人が過去に飛んだことにより、未来が変わって
ロイミュードとチェイスが復活します。
そして10年前のベルトさんと進ノ介が出会います。
「気安いぞ!」とかプンスカしながら変身させてあげるベルトさんとてもかわいかった。
あと私は変身の時のベルトさんの声が景気良くて好きだ。
公式が剛とチェイス推しなのがとてもよく分かりました。
なんかチェイス復活に関しては独立作品を撮るみたいです…CMを見ました。そうなんだ…。
タイムリープに関してはものすごく雑で、ワームホールがすごく簡単に製造され、
最後の方とかお父さんが片手で作ってた。ちょっとそれはどうなのよと思わなくもないです。

クリーチャーデザインがとてもよくて、
ルネサンスの三大巨匠ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロにちなんであるのですが
ダ・ヴィンチが頭部にヘリコプター、自画像、腹部にモナリザ、ボディは人体図の
モチーフが使われていて、相当動きにくそうでしたが格好良かったです。
ミケランジェロはたぶん最後の審判の地獄の王ミノスがモチーフ、
ラファエロだけ分からなかったんですが、自画像なのかな…?
最後に3人が適当なイタリア語でルネッサンス合体したところは、
ちょっと笑ってしまいました。
というかゴーストのクリーチャーデザインって島本和彦さんなんですね。




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「黄金のアデーレ 名画の帰還」

2015年12月03日 | 実話系

クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」は
オーストリアの富豪一家所蔵の絵画だったが
ナチスに略奪され、その後オーストリアの美術館に展示されていた。
アデーレの姪であるマリア・アルトマンは当時、
夫と共に故国を脱出し、アメリカへ逃れていたが、
その際に父母や友人たちを見捨てなければならなかったという
辛い体験をしていた。
彼女は親類の若い弁護士を雇い、
伯母の絵の所有権をオーストリアに対し主張すると共に
勇気をもって過去と向き合う。実話を基にしたドラマ映画です。

ナチスによるユダヤ人迫害を描いているので、
見ていて苦しい場面もありますが、暴力や流血などはなく、
醜い事実に抗うように、美しいものがたくさん撮られています。
富豪の一族の上品な人々と美しい生活、
美しい伯母、美しい絵画、美しいオーストリアの街並み。

ヘレン・ミレンが亡命したユダヤ人の老女役、
その血縁の弁護士で、最初は絵画の価値を目当てに裁判に協力していたが
やがて自らのユダヤの血と歴史を実感し、自主的に裁判に挑む青年を
ライアン・レイノルズが演じます。

内容ばれ

家の中に勝手に人が入ってきて、
金目のものをどんどん押収していくのがとても怖かった。
逃げるタイミングというのはとても大事だと思う。
幸福の絶頂のマリアの結婚式、
周囲の踊りに翻弄される花嫁の様子と、
ダンスのステップが次第に軍靴の音のように変化することで悲劇を表現してあって
上品な演出だった。

映画でも描かれていたが、ユダヤ人迫害に積極的に参加するオーストリア人もいれば、
そっと助けてくれるオーストリア人もいる。
現代でもそうで、アデーレの絵は観光資源なので、オーストリア政府が
何とか渡すまいとするのは理解できるが、
一般の人でも過去を蒸し返すマリアたちをよく思わない人がいる。
その人たちから非難されたりするが、また同じオーストリア人に助けられたりもする。

虐殺がしたいって人は少ないと思うけども、
普段から妬ましいと思っていたお金持ちを酷い目に合わせると
政府からも周囲からも称賛されるとなると、それに乗らずにいられる人が
一体どれだけいるかって話ですよね。
現代で祖国を糾弾されると反撃してしまう人、責任を感じる人は、
アジア諸外国から戦争責任を追及されたときの日本人の気持ちなのでしょう。
(オーストリアサイドの言い分が面白くて、「こんな前例を作ったら、
アメリカだって今後はどんどん訴えられますよ!日本とかに!」
みたいな主張をするのですが、そういえば戦後のどさくさで
持ち出された日本の美術品を返せとか返さないとかいう裁判、
あまり耳に入ってきません)

あのアデーレ役の女優さんはメイクのせいもあるだろうけど
絵にそっくりの独特の存在感で、あの首飾りと釣り合うのがすごいと思う。
私があの首飾りを付けたらきっと顔が消失したように見えるだろう。
多感な子供時代にあんな女王様みたいな美しい存在の伯母がいて
可愛がられていたら、きっとめっちゃ影響受ける。

判決に関しては色々な意見があるようですが、
戦争で不当に奪われた芸術品を所蔵するのは、
負債を負うのと同じであるという実例になった事で
意義があるのではないかと思います。

数ある場面の中で、ラストシーンが一番美しかったです。



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