映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「007 スペクター」

2015年11月29日 | アクション映画
(先行上映)

ボンドシリーズ最高製作費、最長上映時間で堂々公開です。
本年度スパイ映画4本、これにて終了!

単独行動である男を追っていたボンドは、
これまでボンドと敵対してきた組織や人物を
影で操ってきた男の存在に気付く。
同時にダブルオーセクションは解体を迫られ…というあらすじ。

舞台が次から次へとめまぐるしく移ります。
オープニングのメキシコのお祭り「死者の日」が圧巻だった。
移動しつつ、ボンドガールもこましつつ、
なおかつM、タナー、Q、マネーペニーのチーム推しもあります。
特にQ、最近の流行りは押さえてるんですよ!と言わんばかりの
かわいこちゃん演出をされてました。

内容ばれ

惜しかったのが、クリストフ・ヴァルツ演じるラスボス。
役者と舞台美術は申し分なかったのですが、
いいセリフが与えられなかったために、
なんだかいまひとつ凄さが伝わってこなかった。
スパイ映画4本、全部に当然ながらラスボスがいるのですが、
強そうで、かつ魅力的で印象的なラスボスとは…ってぐるぐる考えてしまいました。

悪役と言えばもう1人のひとも、役者さんは申し分ない筈なので
やはり圧倒的ディティール不足のような気がした。
あ、でも割れたガラスにびっくりして墜落死したのはちょっとかわいかった。
(Mさんが模範的管理者に見えて実は暴れ者の行動をとる事が出来、
尚且つやられた事はやり返すタイプの人だったのもかわいかった)

毎回拷問シーンが凄いですが、今回が一番痛そうだったかも。
いや、私は女なので、前々回の拷問の痛さはいまいち分からないので…。


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「劇場霊」

2015年11月26日 | ホラー映画

中田秀夫監督、AKBの島崎遥香さん主演です。
「女優霊」というホラー映画の
あのぽつりぽつりとした独特の間と
最後で説明のつかなくなる感じがとても好きで
今回その進化形だという事で見に行ってきました。
残念ながらいまひとつ…。
進撃の実写がなければ本年度のワーストだよー。

これで「女優霊」の名前を出してほしくないです。
中田監督はもうホラー撮りたくないんだろうな、たぶん。

えっと人形作家さんが亡くなった娘のために作った実物大ドールに
魂が宿っちゃって、女を襲います。
その人形が流れ流れて、
エリザベート・バートリを題材にした舞台の装置として使われ、
出演の女優たちが恐怖の体験をしますよというあらすじ。

内容ばれ
こわそうでこわくない桃屋のラー油のような映画。
お芝居部分はお芝居っぽく演技してるんだなーって思うんですが
現実部分もなんかお芝居っぽい。
人形誕生秘話の回想シーンとか、なんでかすごく嘘っぽい。

おばけが出ると女の子は足が竦んで動けなくなって
キャーキャー言うだけのやつ久しぶりに見たわ!
あ、でも女の子の顔はみなさんかわいいです。
(意地悪女優役のひと、仮面ライダーオーズのひなちゃんでした)

最後、人形が大暴れを始めたのはちょっとだけびっくりした。
あの人形の催眠の能力、複数相手に同時には使えなさそうなんだから
分散せずに1人がチャームかけられている間に、
全員で鈍器持ってぶん殴ればいいのにね。

「女優霊」から約20年経ったという事実の方がこわい。



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「ハンガー・ゲーム FINAL レボリューション」

2015年11月22日 | バトル映画

堂々完結しました。
日本の興行成績はいまひとつだけど、本国では黒字なので問題ない。
中央政府に絶対服従を強いられる地方都市が、
1人の少女を革命の象徴として反逆の狼煙を上げるディストピアものです。
原作が女子向けYA小説なので、ヒロインが男性2人に求愛されて揺れたりしますが
その件も決着がつきます。

ラストばれ

スノ―首相をぶっ殺してハッピーエンドかと思っていたら、
そう単純ではなかった…。
私はリアム・ヘムズワース贔屓なのでゲイルと、
あとフィニックと、ヘイミッチを応援してました。
一瞬ヘイミッチエンドなのかと思ったが違った…。
それとスタイリストの女の人も好きだった。
なのでちょっと一部分「えー……」っていう気持ちですが
まあ大団円だと思います。

コインはいままで巧妙にやっていたのに
なぜ突然ハンガー・ゲームやろうぜ!とか言いだしたのだろう解せぬ。
ちょっと舞い上がっちゃってたのだろうか。

亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンが
冒頭からにこにこ笑って出てこられて、不思議な感じがしました。

あの黒い水が溢れ出てくる円形の建築物、フランスに実在する。
ノワジー=ル=グラン

「未来世紀ブラジル」にも使われてたそうなのですが覚えてない…。


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「ハーモニー」

2015年11月18日 | アニメ映画

伊藤 計劃さん原作小説を連続で映画化していくProject Itoh第2弾。
本来2番目に公開される筈だった「虐殺器官」が
制作アニメ会社「マングローブ」の倒産により
上映が困難になったため急遽繰り上げて封切られる事になりました。
「虐殺器官」は来年内の上映を目指すとのことです。

高度な医療技術と健康状態の常時監視により病魔や老いから完全に解放された人類が、
思いやりをもって生きる幸福な社会を営むなか、
それに馴染む事の出来ない主人公は
WHO螺旋監察事務局の監察官という立場を利用して
酒や煙草の不法取引に手を染めていた。
彼女をそうさせるのは、高校生時代の友人で
神秘的な美少女ミァハだった。
彼女は健康社会を憎み、主人公に反抗のための自殺を持ちかけ、
主人公はその自殺を承諾するが失敗し、生き延びてしまったのだ。
そして13年後の現在、社会を揺るがす大事件が起きる。というあらすじ。

めっちゃ百合でした。びっくりしました。
でもどうやら私のびっくりしたシーンは原作を改変したらしい。
「屍者の帝国」はBL改変だったそうなので、
えっと何か原作ファンのかたには申し訳ない気持ちです。
エンタメとしては「屍者の帝国」のほうがドッカンドッカン話が動いて
派手なんですが、そのかわり一部登場人物の行動に疑問が残る感じでした。
「ハーモニー」はあらすじに起伏がなく鬱なんですが、
テーマである意識については一歩先に踏み込んでいるし
登場人物の感情についての描写も丁寧。
(モノローグやセリフが原作から結構そのまま使用されています)
なんとなく京極夏彦先生の「ルー=ガルー 忌避すべき狼」を思い出した。

ラストばれ

あとラストの改編部分は「映画まどマギ」を思い出した。

生まれつき意識のない人間の話は「脳男」にも出てきましたが
どんな状態になるんだろう、意識のあるなしってどこで診断するんだろう、
人工的にそういう状態を作り出すってどうするんだろう、
意識は再生しないのか、意識のなくなった人間の脳にはどんな利点が?
等々知りたかったのですが描写が少なくてすぐさま原作を買いました。
肉体が危機的状況に陥ったとき、本来その機能のない脳の一部分が
欠陥を補って仮の意識を形成する描写とかは良くも悪くもぞっとした。
(いっそ意識のないほうが明らかに肉体のためになる状況なのに?)

グラスの水に血が落ちるシーンが好きです。
あそこは先端恐怖症の人にはつらいかもしれない。
ところですごい科学技術の進化した世界なのに、
お料理はあまり変化が見えないのはなぜだ…。

それと本当にどうでもいい事ですが主人公の上司の人の声が
アニメ「PSYCHO-PASS」のシビュラシステムの声だったので、
すごい黒幕感があった。

「ウェルテル効果」につては最近ゲーテを読んで覚えたばかりなので微笑んだ。
でもあれを読んで死にたくなる気持ちは分からない。
まあたぶん小説も進化を続けているという事だろう。

「虐殺器官」で出てくるはずだった大災禍に関してが
一切説明がなくて、それは仕方ないけど残念だなーという気持ちです。



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「ラスト・ナイツ」

2015年11月17日 | バトル映画


紀里谷監督3作品目にして邦画じゃなくなりました。
モーガン・フリーマンさんなどが出演されています。
西洋風忠臣蔵です。

あの「ゲーム画面だ、ゲーム画面だ」と散々言われた、
色調補正バリバリの感じがなくなり、
彩度が落ちた渋い画面になりました。
監督が脚本に参加されなくなったせいなのか何なのか、
登場人物がテーマについてべらべらと熱弁を振るうのもなくなった。

賄賂が国政を左右する腐敗した帝国にあって
騎士の心を失わない領主に仕える主人公は、
しかし敬愛する主君が大臣への賄賂を拒んだために諍いとなり、
刃傷沙汰を起こした主君の首を斬る役目を仰せつかる。
不名誉のうちに亡くなり領土を奪われた主君の仇を討つため、
主人公は行動を起こす。というあらすじ。
最近あった「47RONIN」に比べると、ものすごい地味です。
どっちがいいかは好みによる。

主人公が仇討ちを諦めたと思わせるため遊び呆けるのは
忠臣蔵そのままなのですが、その時間がとても長い。
その間やたら女が酷い目に遭うので気持ちが下がります。
47人のなかに姫騎士を混ぜろとまでは言わないので、
あの遊び呆けタイムはもうちょっと短くてもよいのではないか。

とんちを駆使した討ち入りシーンはおもしろかったです。

内容ばれ

飲んだくれて仲間にも軽蔑されてる→まだあやしい
女遊びもしまくり→まだあやしい
主君にもらった剣も売った→まだあやしい
内職で支えてた女房も出て行った→まだあやしい
主君の娘が売春宿に捕えられても無視→じゃあいいかな?

もう本当これ長かった…。
あと名前のある女性登場人物が全員酷い目に遭うのはどうかと思う。

領主の奥方→城を追われるときに敵兵にぶん殴られる
領主の娘→城を追われて、後に売春宿に売られる
主人公の妻→夫の放蕩を内職で支えるが、耐えかねて出ていく
悪大臣の妻→DV被害を受けている

フォローのある人とない人があった。
姫はフォローあったけど、売春宿で客はとらされただろうし、
奥方は後半消失した。




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