映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ」

2024年07月15日 | 恋愛映画

ペドロ・アルモドバル監督。
かつて愛し合い、共に暮らした男2人が
別離を経てふたたび会うという西部劇ラブロマンス。
30分ほどの短編映画です。
主演はイーサン・ホークとペドロ・パスカル。

かつては名ガンマンだった2人だが、
現在は保安官と牧場主という地位にいる。
保安官の男は決して自分を曲げない真面目な男で、
牧場主は人当たりが良い。
25年ぶりに会っても、2人は互いを深く理解している。
ド直球恋愛映画で、
男女の恋愛ものでここまでド直球なものはないというくらい。

イーサン・ホークが特に色っぽく撮られているので
色っぽいイーサンが三度の飯より好きな人は劇場に走れ。

内容ばれ

ブロークバック・マウンテンから約20年、
ゲイカップルは必ず世間から迫害を受け、不幸になり、死ぬ…
みたいなのに対して、ウルセー!ラブラブハッピーエンドじゃあ!
という作品がそろそろ増えてきた。
アルモドバル監督というと「私が、生きる肌」だが
包帯と監禁がお好きなんだろうか…そんな気がする。

保安官は誓いを絶対に破らないし、
頼んでも無駄だし、止めるには撃つしかない、みたいなの
牧場主がちゃんと分かってて、
でも最後にこれを言えば落ちるって知ってる、
柔和ながらも策士なところ好きですね。
彼の口説き文句「お互いを大切にして、お互いを守るんだ」
に対して、……なるほど?って顔をしたイーサンの演技も好き。

女も交えてチュッチュしていたらいつの間にか男2人でチュッチュしており、
女は傍観しておるシーン、最近映画で見ましたが、流行なのかな?

冷蔵庫の女の亜種がいた。
不特定多数の相手と性行為していても、死んでいい訳ではないぞよ。



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「チャレンジャーズ」

2024年06月16日 | 恋愛映画

ゼンデイヤさんが魔性の女で、
男子テニスプレイヤー2人を手玉にとって
弄ぶやつかなーと思っていたら、かなり違いましたね…。
新時代の恋愛映画を見ているわ…という気分になりました。

ジョシュとマイクは「ファイア&アイス」と呼ばれる
名コンビのテニスプレイヤーだった。
しかし女子ジュニアの天才プレイヤー、タシと出会い、
彼女を同時に好きになって、彼らの友情は変化していく…
というあらすじ。

少しねたばれになりますが、
夏目漱石「こころ」のお嬢さんが、
Kと先生をビンタして、「まぐわえ」と言う、てきな内容です。

ルカ・グァダニーノ監督。
なんか「サスペリア」におけるサスピリオルムが
今回のタシなのか?という気がする。
あと今回初めて気付いたが
作品の恋愛表現傾向がどことなくポリアモリーっぽいような。

ラストまでばれ

タシの描写がよくて、
彼女はテニスによって対戦相手と一瞬にして相互理解ができる
テニスのミュータントにしてテニスの鬼、テニス教の教祖。
彼女にとってテニスは人生でありすべて。
テニスのために人を殺してもよいとさえ言う。
それとゼンデイヤさんの手足の長さ、
天才テニスプレイヤーという説得力があった。
どこに打っても打ち返されそう。
胸のすぐ下が足。腹の面積が狭い。

タシにとってジョシュは自分のなかの畜生を肯定してくれる相手。
タシにとってマイクは自分の中の善性を引き出してくれる相手。
そしてジョシュとマイクは
「俺たちはヘテロ!友情フォーエバー!」
と思い込んでいる両想いのバイ。
私くらいになると最初でもうピンときましたね。ほほ。
最初って言うか、「マイクに自慰を教えたのは俺!」
って話をジョシュが始めた時にニュータイプのSEが鳴った。

ラストシーン、ポカーンとした人が多かったら
どうしようと心配になりましたが、
友情、決別、からの怒り、憎しみ、そして
自分でも気付かなかった愛への覚醒、愛の成就、
というのをテニスを通じて完成させた世紀のベストバウトを
己の手で創造したタシは、
「わしが育てた…」と思ったはずです。
つらい日々も、あのタシの理想のテニスを完成させるためにあったんだよ…。
タシと同じ顔で拍手したよ心の中で。

不満というほどではないが
視聴者の集中を切らさないために、
大音量音楽をチャカポコ鳴らす頻度が高い気がしたので
もう少し静かに頼む。
ボール視点のカメラワークは酔うのでできればやめてほしい。

三角関係もダブルヒロインも当て馬もハーレムも
全然ドキドキしないし(私は)好きじゃないんですが、
3人全員から自分以外の2人に対して
性愛の対象として矢印が出ていて、
なおかつ3人とも面白い人なら引き込まれる、
ということが分かりました今回。




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「恋するプリテンダー」

2024年05月12日 | 恋愛映画

過去に1度こじれたことのあるビーとベンは出席した結婚式で偶然再会する。
お互いをよく思っていなかった2人だが、それぞれの事情から、
カップルを装わなければならなくなり…というあらすじ。
久しぶりのロマンチックコメディでしたが楽しかったです。

主人公カップル以外の扱いが丁寧で、
当て馬のかたも筋の通った好感が持てる描写でよかった。
主人公のお姉さんカップルが、
真面目系スピリチュアル女性&おもろ系自由人女性で、
めちゃ愛に溢れていて、そっちの経緯も気になった。
その父母も、犬も、男性側の友達も皆良い人たち。

つらくないハッピーな映画を見たい人むけ。
あと最近にしては珍しく女優さんのお胸が見えます。
男子の全裸もあるぞ。
ポルノではなくあくまで自然なポロリンヌが見たい!という人は劇場に。
エンディングがとてもホンワカする仕様。

内容ばれ

最初の招待動画とか、もー!って感じで笑ってしまった。
「異人たち」とかを思うと、やはり良い時代になった。

1点、沿岸救助隊をタクシーの代わりにするんじゃねえ、とは思った。
あとタイタニックごっこで死んだ人がいるので気を付けなよね。
どっちも真似するヤンチャカップルがでませんように。

ヒロインを演じたシドニー・スウィーニー、
「リアリティ」の国家反逆女史、「マダムウェブ」の真面目っ子、
どの役も全然違う。カメレオン女優だ。





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「赤と白とロイヤルブルー」

2023年08月29日 | 恋愛映画

アメリカ大統領の息子と、
英国の王子が恋に落ちるロマンチックコメディ。
英国王室の婚礼に参列した大統領の息子は、
彼が苦手とする王子を見かけ会話をするが、
飲みすぎていた大統領の息子は
王子を巻き添えにしてケーキを倒してしまい、
外交をぶち壊すつもりかと叱られる。
騒ぎを収束させるために
大親友である振りをすることになった2人だが…というあらすじ。

よくできたロマコメ映画なので
ロマコメ好きな人はお休みの日の午後とかに
好きなお菓子や飲み物を用意して見るといいと思います。
ただし当然ながら「特権階級どもが乳繰り合って
何が差別だ笑わせるな」という人向きではない。

内容ばれ

原作登場人物をかなりカットし、深刻なエピソードも切って、
選挙戦の詳細やポップカルチャーの話もほぼカットだったけど、
2時間で収まったのはすごいと思う。
二人が恋愛関係になるのが爆速すぎて物足りないという人は原作をどうぞ。

原作の美味しそうな食べ物もほぼ出なかったけど、
別荘でお父さんが作りかけていたのがミガスかな…?

でも実際の人間が演じるパワーで
根はいい子なんだろうな~というのが登場時くらいに分かりました。
とくにアレックスの、愛されて育ちましたという陽オーラがすごかった。
あとまつげ。すごいまつげだな!?

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「リトル・マーメイド」

2023年06月12日 | 恋愛映画

ディズニーの名作アニメ実写化企画。
アンデルセンの童話をもとに、人魚の娘の恋を描いた話。

アリエル役がアフリカ系の女性に配役されたことから
#NotMyArielなどという運動が一部で盛り上がった模様。
しかしリン=マニュエル・ミランダが参加なさり、製作は盤石の体制。
シナリオもすごい洗練されて、アニメに忠実ながら2倍ほどテンポがよくなり、
本気の実写化だというのがよく分かりました。
なによりアリエルの歌唱力が圧倒的で、キャスティングに納得しました。
ここまで歌える人は、さすがのアメリカにも、そうゴロゴロおらんでしょう。

ラストばれ
序盤からアリエルとサメがJOJOばりのトンチバトルを繰り広げて熱かった!

アリエルもエリックも、ここではないどこかに憧れてやまない人で、
未知のものに萌える気質で、お互いのそういう部分に惹かれる描写がよかったです。
どっちも種族の進化のキーになるタイプ。
今回も結局アリエルのおかげで保留になっていた問題が解決したし。
(ヴィランを刺殺したプリンセスってほかにいないよね?)

黒人のアリエルが白人の王家に嫁ぐことについては公開前に問題視されてましたが
非常に開かれた王室で、エリック王子は漂流してきた子供で養子、王と王妃とは肌の色が違う、
アリエルと王子は最後に航海の旅に出るというラストで完璧でした。

どうでもいいことですが、王子のシャツが何かといえばすぐずぶ濡れになって肌がスケスケになり、
なぜか海からあがると乳首がバーンと出ているのがポルノみたいでおかしかったです。
サービスなのかな?

やがて人魚の娘が人間の姫に恋をする「リトルマーメイド」や
蟹のセバスチャンがグリムスビーに恋をする「リトルマーメイドの従者」
はたまた特に誰も恋愛しない「リトルマーメイド」が撮られることでしょう。
新しい名曲、新しい構成が楽しみです。





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