映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「アナベル 死霊博物館」

2019年09月23日 | ホラー映画

アナベルシリーズや「IT」で脚本を務めたゲイリー・ドーベルマン初監督作品。
悪魔の依代となったアナベル人形を持ち帰り、
自宅地下の保管庫に封印する事に成功したウォーレン夫妻だったが、
所用で家に帰れない日に一人娘をベビーシッターに預けるが
トラブルから、アナベルの封印が解かれてしまう…というあらすじ。

今回はウォーレン夫妻はお留守で、その代り一人娘ちゃんと
そのベビーシッターちゃん、ベビーシッターの友達ちゃんの3人美少女組が頑張ります。
このシリーズは何気に美少女率が高いですが、
今回のマッケナ・グレイスさんは究極完成形。顔がかわいすぎて霊に目がいきません。
えっ、あっ、マッケナさんを見ていて霊を見逃した!ってシーンが何度かありました。

博物館のお化けがいっぱい出てくるので、みんなでワーキャー言うのにぴったりです。
このシリーズのウォーレン家の人々が出てくる話は、
そんな悲惨な結末ではない事が多いし、登場人物は良い人が多く、後味も悪くない。

死霊館ユニバースは「死霊館」「死霊館 エンフィールド事件」
「アナベル 死霊館の人形」「アナベル 死霊人形の誕生」「死霊館のシスター」
「ラ・ヨローナ~泣く女~」と今回の作品の合計7本ですが、
予習に必要なのは上記の前3本。あとは見てなくても分かるので
アベンジャーズの予習に比べたらチョロイチョロイ。
アナベルに憑依した悪魔は子供の体と魂を狙っているが、
それとは別に、悪魔がウォーレン夫妻の、ドジっ子の旦那の方を狙っており、
普段はおっとりと上品な奥さんが、
夫を守る時だけはヤクザになるのが見どころです(分からん)。

色々ばれ

一瞬未来が映るブラウン管とか、手が出てくるゲームとか、日本の甲冑とか
色々出てきてサービス満点でした。
日本の甲冑、「コロサナイデー」だけは聞きとれた。
あれ発声してるのはたぶんネイティブのひとですね。英語字幕つけないのはどうして。

演出として面白かったのはウェディングドレスで、
窓の外と鏡の中や絵の中が繋がっている表現はなるほど!って思いました。
こいつはイマイチって思ったのは、悪魔さんご登場シーン。
出ちゃうとニチアサ風になっちゃうよね、どうしても。
それとでかい音でびびらす手法が1回あって残念。やめてほしい。

マッケナさんは勿論、ベビーシッターさんもそのお友達もみんな美少女ですが
フェティズムとは無縁のシリーズなので、その手のお色気はなし!
マッケナさんのロングのネグリジェが見られるくらい。
恋愛未満の男の子が遊びに来ますが、「男の人を家にあげられないわ」
って帰っていただくベビーシッターさん。ホラー映画の法則をよく分かってる。
今回事件を起こす役の美少女さんも、
ホラー映画で最初に死ぬ人とは違って、
観客が「それは仕方ないね…」って思うような事情がちゃんと語られます。
なので当然死にません。

過去作でも出てきましたけど、
テレビに一瞬映る子供が受け取っているのが
本物のアナベル人形(と同デザインの人形)です。

さすがに今回は夫婦の愛情エピソードは無しかぁ、って思っていたら
ラストでしっかりありましたね。
でたー!ウォーレン夫妻十八番、突然のノロケ話だー!

マッケナさんが学校で目撃してた、やたら存在感のある神父の霊は何だったのか。
次回作への前振りかな?


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「アド・アストラ」

2019年09月22日 | SF映画

軍所属の技術者ブラッド・ピットは、
由来が不明のサージ(大波電流)が
成層圏外建造物に被害を及ぼすのを目の当たりにする。
そして軍上層部の呼び出しを受け、
20年前の地球外生命体探査で行方不明になった彼の父が
海王星付近で今も生きており、このサージを引き起こしているのではないか、
という仮説を聞かされるというあらすじ。
近未来SFです。

コンラッドの「闇の奥」に「シャイニング」を足したような…
と思いましたが、「2001年宇宙の旅」オマージュが多く含まれるそうです。
脚本を書いた人と私の倫理観が合わなくて、残念ながらいまひとつ。
冒頭が一番良くて、そのあと緩やかに下降。
科学考証的にどうなのか分かりませんが、月面カーチェイスとかは面白かったです。
ブラッド・ピットを見たい人にもよいと思う。

ラストばれ

宇宙船の中で死体がぷかぷか浮いてるのとかも私は好きですけどね。
しかし3人殺したけどパパとお喋りして人の心を取り戻したぞ!
そうしたらほぼセリフと自我のない概念嫁が帰ってきてハッピーハッピーエンド!
っていうのは何だそりゃ…と思います。
この脚本を書いた人こそ何らかの心理テストを受けるべきでは。

しかもこの殺し、一見正当防衛だけど、自分の目的を果たすための凶行だからね。
ヴィランと同じ行動原理ですよ。
サージは止まったけど、元々3人も同じ目的で出発してましたからね。

あと命令を守った3人の軍人を殺した、
命令違反不法侵入器物損壊男をぷらぷらさせておく軍の考えもよく分からない。
しかも重大な機密を知っている。こんなの事情聴取したあとで
容体急変により死亡しかないでしょう…。分からない。
2001年のオマージュで、
3人という数字もディスカバリー号の乗組員とかなのか。
あるいはもっとメタファー映画で、父が神でブラピが神の子とかなのか。
妙に宗教的公平を欠く軍隊だなとは思っていたけども。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で
ブラッド・ピットの演じた役クリフ・ブースと
この映画のロイ・マクブライドは対称で
にこやかだが何かが絶対的に欠けているブースと、
抑制された態度だが奥底には人間的な心のあるマクブライド…
になる筈だったが、3人殺して後悔も罪悪感もなく
まったく問題ないって言いきってるマクブライドは、
結局ブースにも父親にも似ているという形になっていて面白い。

この話、偉大な父と、彼に執着する有能な息子という父子ドリで、
これ年配の方は父親に、中年より下の方は息子に自己投影できる
おいしい形式だったんですけど
最近はたぶん父親にコンプレックスを持つ男性も減ってきて
何より女性客へのサービスが手薄になりがちのため、
流行らなくなりつつあるように思う。

海王星からの脱出の大胆すぎる描写を見ていて、
「ゼロ・グラビティ」を見返したくなりました。



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「僕のワンダフル・ジャーニー」

2019年09月19日 | 動物系

「僕のワンダフル・ライフ」続編。
転生を繰り返してやっと愛する飼い主と再会できたベイリーは
飼い主のイーサンとその妻から愛されて幸福な生活を送っていた。
しかしイーサン夫妻と義理の娘は折り合いが悪く、
ある日とうとう義理の娘は孫娘を連れて農場を出て行ってしまう。
その後、老いて病を患ったベイリーはイーサンに看取られて死ぬが、
息を引き取る直前に、孫娘を見守ってほしいと願われ、
愛する飼い主の願いをかなえるために…というあらすじ。
あらすじを読んだだけで泣くひともいると思います。
私は予告を見ただけで泣いてました。

前回と違って部外者の人は少なくて、
孫娘CJの人生の話がメインです。
前回よりもベタというかド直球に泣かせにきます。

映画のシングルマザー、身を持ち崩しすぎ子供を虐待しすぎ問題。

「アントマン」で娘のキャシーを演じていた
アビー・ライダー・フォートソンさんがCJの少女時代を演じます。
めちゃくちゃ美少女。犬もめちゃくちゃかわいい。相乗効果で殺人的。

ラストばれ?

非アジア系主人公の運命の相手がアジア系って何気に珍しいですね。

ベイリーがあまりにも健気すぎるので
犬が人間のこと大好きって!!都合のいい幻想なんじゃないの!!
ってなんかキレながら泣いてました。
あのラストだともう転生しなくていいし、しなくていいよベイリー。
続編もなくていいし、作るならベイリー以外の犬にしてほしい。
あとイーサンはちゃんとベイリーに心を尽くしたお礼をすべき。

あっ前作に引き続き、犬に人間用のソーセージやパンケーキを与える描写がありますので
苦手な愛犬家の方々は注意。2017年の映画「ゲット・アウト」では、
犬に人間の食べ物を与えちゃだめって言ってたんだけどなあ。
(犬は皮膚から汗をかかないし、体も小さいので、人間用の味付けでは塩分過多で腎臓を壊す)


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「トリプル・スレット」

2019年09月17日 | アクション映画

ムエタイのトニー・ジャー、
シラットのイコ・ウワイス、
カンフーのタイガー・チェン、3格闘技の集結した映画。
私はトニー・ジャーを目当てに見に行きました。

東南アジアの架空の都市で、
富豪の娘が遺産を投じて犯罪組織撲滅に取り組むという声明を出すが
犯罪組織側は傭兵を雇って彼女を暗殺しようとする。
妻を殺されたイコ・ウワイスは復讐のために傭兵集団と接触し、
そして成り行きで富豪の娘と知り合ったトニー・ジャー、タイガー・チェンは
彼女を守るため、壮絶な戦いを繰り広げる…というあらすじ。

役者さんの身体能力の総合値はどの映画より高いけど
惜しいかなそれを活かすためのアクション部分の脚本、
アクションコーディネートはいまひと…つ…。
そしてアジア映画全般(主語デカイ)に言える事だけど
1シーン1シーンが長い。
まあこの映画に脚本の完成度を求めて来る人は少なかろうけども。
うるせぇ!そんなの知るか!3種格闘技で闘ってりゃ十分なんだよ!
という人は大満足だと思います。
やっぱりトニー・ジャーの膝蹴りはいい…。
あと体幹の安定、ヌルっとしたダッキング、
肘打ち、膝の内側による打撃…。

あと「チョコレート・ファイター」のジージャー・ヤーニンが出てました。
メイクが悪い風だったので気付かなかった。傭兵集団の女子。


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「記憶にございません」

2019年09月16日 | コメディ

支持率が史上最低の総理大臣が、とうとう民衆に石を投げられ、
それが頭部にヒットして、気がついたら記憶がなくなっていたという
政治コメディ。
周囲にも家族にも最悪な態度をとってきた彼だが、
打って変わってまともな振舞いをするようになり、
次第に彼を見る目も変わってきて…というあらすじ。
三谷幸喜さん最新作。

現政権を皮肉り倒すブラックな笑いで新たな境地を開かれるのかな?
と思いましたが別にそういう話ではなく、
政治に関しても、わるい政治家がいなくなれば社会はよくなる的な、
ふんわりした描き方でした。

同じく支持率が低い総理大臣が主人公の三谷さんのドラマ
「総理と呼ばないで」を思い出した。

内容ばれ

ギャグとしては佐藤浩市さんと中井さんが写真の件で交渉するシーンが面白かったです。
斉藤由貴さんは登場時間は短いけど、おいしい役だった。
ROLLYさん、あの囲み目メイクがないと全然分からない。
最近すごい勢いで田中圭さんを見ているけど、全員春田さんに見える(笑)

不倫ねたセクハラねたがどんどん出てくるの、三谷作品ではわりと珍しいような気がする。
しかし日頃尻を撫でるセクハラを受けていた女性が、
相手が記憶喪失で真人間になったからといって突然好意的になって世話を焼くっていうのは、
セクハラへの怒りを甘く見積もりすぎのようにも思う。

まあ人は誤った行いをしても、いつでもやり直せるというのがこの映画のテーマなんでしょうね。



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