映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「さんかく窓の外側は夜」

2021年01月24日 | ホラー映画

ヤマシタトモコさんの同名コミックを原作としたホラー映画。
子供のころから霊の見える体質だった三角(みかど)は、
ある日突然なぞの男のスカウトを受け、
除霊師のアシスタントのような仕事をすることになる。
警察の依頼で猟奇殺人の被害者遺体を探していた2人は、
危険な呪術師と接触することになり…というあらすじ。

冷川さんを中心に据えて、冷川さん関連のエピソードを柱にしてあります。
三角さん、非浦さん関連はちょっと変えてある。
三角さんはキャラクターが全く違うけどまあ納得できる。
徐霊関連の、やや性的な描写は一切なくなりました。それも妥当。
というか除霊描写もなくなった。
予算の都合か、現実寄りの世界観にしたかったのかどっちだろう。
原作未読でも全くオッケーだと思います。

見終わると焼き肉を食べたくなる。

内容ばれ

網の上のお肉、あまり食べられないので
「焦げる!焦げる!早く食べて!」と思ってました。

ところで「フルモンティ」というバーが映ってたので
ふと検索したら、その数軒先に呪いのビルがありました。
実在するビルやったんかい!
神奈川だったんですが、全部神奈川で撮影したんかしら…。

岡田将生さんと並ぶと志尊淳さんが小さく見える。
スタッフロールに北川景子さん、筒井道隆さんのお名前があって
「どこに!?」と思いました。

省略改変がいい感じの映画化ですけど、
幽霊の表現は原作のほうが好きですね。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ズーム 見えない参加者」

2021年01月18日 | ホラー映画

ロックダウン中のアメリカで、仲間同士でZoomを使った
交霊会をしようということになり、
霊媒師を呼んで酒を飲みながら霊を降ろそうとするが
参加者の悪ふざけが原因で悪いものが来てしまい…
という、初のロックダウン洋画(私は)。

これ、料金が1900円だったら暴れたな…という内容でしたけど、
その辺は配給も分かっているのか1000円でした。

付き合って間もない男女が、ロックダウンをきっかけに同棲するが
明らかにうまくいってないのがzoomで分かるとか(霊よりハラハラする!)
今の世の中では咳はオナラより恥ずかしいとか、
新時代の挨拶、肘タッチとか、
アメリカの変化の片鱗が見られたのはよかった。

内容ばれ

幽霊の法則がよく分からない。
なんで透明なん。
足跡とか布とか、
2020年「透明人間」の時は納得の演出だったけど、
zoom交霊会の幽霊が質量はありつつ透明化する意味が分からない。
ストロボの光で本体が見える理由も分からないし、
わざわざゾンビみたいな姿をする訳も分からない。

エンドロール後に映像があるが、
めちゃくちゃ長いうえに面白くないので見なくていい。
DVDまたは配信の際は削られてほしい。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「キング・オブ・シーヴズ」

2021年01月17日 | 実話系

2015年にロンドンの宝飾店ハットンガーデンの貸金庫が破られ、
25億円相当の現金や貴金属が、老人のグループに強奪された事件を映画化。
この話は過去に「ハットンガーデン・ジョブ」
「ハットンガーデンの金庫破り」「ジーサンズ・ジョブ 最後の強盗」
と繰り返し映画化ドラマ化されていますが、
英国人の心に響くなにかがあるんでしょうかね。

マイケル・ケイン、マイケル・ガンボンをはじめとするキャストは、
間違いなく今回が一番豪華であると思います。
しかもシャワーシーン、バスローブ姿、スーツにお着換えシーン、
初老マニア(私ではありません)には嬉しいサービス盛りだくさん。
余計なお世話ですが、放尿シーンも複数回あります。

ただ、ケイパーものとしては割とグダグダしておる。
実際の犯罪の流れがそうだったんでしょう。
なにしろ3日もかけてエッサホイサ運び出したらしいですから。
名優たちの姿と演技を愛でるなら優勝映画と言えますが。

ラストばれ
油圧ジャッキが折れて買いに行ったり、
マイケル・ケイン氏演じる主人公が途中でへそを曲げて
犯行から抜けたり、
盗品の集計ができなくて、みんなちょろまかしまくったり、
グループ内で地味に仲間割れして各自が悪口を触れまわったり。
あのへんはちょっと眠かった。

なんですぐに逃げないのか分からなかったんですが
当時の記事によると
みんな最新の捜査技術のことがよく分かってなかったんですね。
パブで犯行の自慢話とかしてるのを、捜査班に録画されたりしてた。
おじいちゃん…。

老化あるあるねたで半分コメディみたいでしたが、
ラストはさすがに決めてきました。
さすがの名優たちの演技と、過去作品の加工編集が上手かった。
えっCGによる撮りおろし…?って一瞬思いました。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」

2021年01月10日 | ドキュメンタリー

女性スタント史を黎明期から現在まで、
記録映像と証言によって学べるドキュメンタリー。
といっても堅苦しい内容でなく、
知ってるアクション映画がじゃんじゃんでてくるので
瞬きもできないくらい集中するし、
昔のスタント事情はびっくりするような人権無視現場なので
退屈するどころではありませんでした。
アクション映画の好きな人向け。

映画がまだ興行として成り立つかどうかの瀬戸際のころ、
生命の危険を伴うような仕事を女性や有色人種がやっていた…
っていう映像のところ、「落下の王国」を見ているので恐ろしかった。
亡くなったり、重度の障害を負ったりした人がいると思う。

若いスタント女性が、大先輩のお話を聞く形式なのですが
双方にリスペクトと仕事への愛があって聞いていて楽しい対談でした。

現代映画の映像は、
おなじみマーベル映画、DC映画、マトリックスやチャーリーズエンジェル、
ゴーストバスターズ2016、キル・ビル、スコット・スチュワート監督のプリースト、
ワイルドスピード、なんとテルマ&ルイーズまで(たぶん)。
再び大画面で見られて嬉しいヒロインたちばかりでした。

内容ばれ

格闘技に加えて、車やバイクの運転、時に乗馬も、
落下や火や水に耐える身体能力や技術のために
彼女達は日々ひたすら鍛錬に励みます。
男性は服の面積が多いためプロテクターを仕込めるが
肘や膝の出た衣装の多い女性はそうはいきません。
なおかつ女優さんの体型に合わせるため減量が必要だったり
ヒールを履いてのスタントをしなければならなかったりします。
(短いドレスのスタントでは、めくれ防止でテープを貼ったりするそう)

しかしスタントの世界は白人男性優位社会で
男性なら見過ごされるようなミスも女性であれば囃し立てられ、
組合にも加入させてもらえず、ならばと女性スタント組合を立ち上げると
5年仕事を干されるような環境で、それでも彼女たちは実力を示し
とうとう女性アクション監督を輩出するまでになりました。
ものすごく優秀な人たちが世代ごとに不断の努力を見せたからだと思います。
(業界に薬物が横行してキマった状態で仕事をする人がいて事故が起きたし、
告発するとやはり締め出しをくらった、というのは20世紀の人権意識ィ…)

危険な仕事なので事故の話は多かったですが、
直感を信じろ、一連の流れをイメージできないときは
必ずアクションのどこかに不可能な部分があるので事故が起きる、
という話は面白かった。

監督としてスタントを語る人でヴァーホーヴェン監督が出ておられましたが
「男だとできるのに、女性スタントではできないアクションがあるんだよねー」
ってめちゃくちゃ空気読まない発言なさってて、むしろ笑った。
もちろんあとはずっと女性スタントを称賛しておられましたけど。
ポール・フェイグ監督も語っておられましたが、さすがおしゃれ番長、
すごい色のスーツとネクタイの着こなしぶりに目が吸い寄せられて
発言が半分くらい頭に入らなかった。

私はMCUでブラックウィドウのスタントをされている
ハイディ・マネーメイカーさんが好きですが
(ジョン・ウィックで暗殺者の1人をなさっている)
妹さんもスタントをされていて、姉の過激なスタントを劇場で見て
「おねえちゃん!?(死!?)って言った」って話は可愛かった。
ワイスピスカイミッションのキャットファイトスタントは
姉妹によるものだそうです。へー!



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「燃ゆる女の肖像」

2021年01月09日 | 恋愛映画
18世紀、ブルターニュ地方の小さな島で
貴族の娘の肖像画を描くために
屋敷に招かれた女流画家と、絵に描かれる令嬢が
次第に惹かれあう過程を丁寧に追ったラブロマンス。
本番行為は映らないが、裸はそれなりにある。

光量の少ない屋敷に佇む女たちの姿は、
黒の印象的な油彩画の色彩で美しかった。
登場する女性の眉が皆キリッとしているのがよかった。

描く対象物への理解が進むのと、好意が増していくのが比例していて、
絵画と恋愛、両方への情熱や矜持や躊躇が複雑に絡んでいました。
ドラン監督が絶賛とのことですが、確かにお好きそう。

ラストばれ

当時の中絶方法、ダイナミック…。
あの年の近い女子3人の数日間の生活、
青春ものっぽくて印象的だった。

後日譚、絵画でページを示していたのは実に素敵ですね。
あそこで終わっても良かったのに…。
ラストは完璧な残酷さだったんですが
同性愛の物語って大抵バッドエンドで終わるので
もうちょっとぼやかしてくれてもいいのになーと思いました。
キレキレのハッピーエンドって見てみたいじゃないですか。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする