映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「イノセンツ」

2023年07月30日 | ホラー映画
北欧のサイキックホラー。
父母と自閉症の姉、4人家族で引っ越してきたイーダは、
ベンという少年と仲良くなるのだが、
彼はイーダに面白い能力を見せてくれる。
その不思議な力を通じて交流の輪が広がっていくが
やがてそのちからは無軌道な暴走を始める…というあらすじ。

抑圧された生活を送る高校生が力を得て
充実した時間を送るがやがては破滅する「クロニクル」の子供版。
団地・子供・サイキックという点、
あといくつかのシーンがもろに「童夢」だったが、
監督がインスパイアされた発言をなさっているらしい。

大人も死ぬが子供も容赦ない死に方をする。
あとここ最近で一番残虐な猫の殺害シーンがありました。注意。

サイキック戦、地味で予算はいかにも少なそうだが
子役たちの演技とエピソードの積み重ねですごい緊張感がありよかった。

ラストまでばれ

子供のフラットな感じが巧く描かれていた。
自閉症の姉を虐待するイーダ、猫を殺すベン。
しかしベンは親に虐待を受けており(脇腹の痣とか)
モンスターなのと同時に被害者だった。
最終的に殺し合うことになったが、
イーダとベンは憎み合っていたわけではなかった。

アイシャは天使だった。
彼女にも強い精神支配系パワーがあったら
助かったかもしれなかったのに。

抑圧が能力を生んでいる設定なんだろうけど、
親に問題のありそうな2家庭が有色人種というのはどうかと思った。
それとも有色人種のシングルマザー率の高さはノルウェーあるあるなのか?
あの団地、低収入家庭用とかそういう設定なんだろうか。



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「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」

2023年07月23日 | アクション映画

ロシアで潜水艦を破壊し、各国が血眼になり手に入れようとする「力」。
その正体が何であるかを探るためにIMFメンバーは危険なミッションに挑むが…というあらすじ。
今回はちょっとSF要素が入ってきました。
相変わらずアイディア満載のアクションだった。
予告でこんなに見せちゃっていいの?って思ってたが、
まだまだ、あんなものではなかった。

2部作に分かれる作品で、タイトルに
ちゃんと「1」って入ってるのは好感が持てますね。

ラストまでばれ

今回の敵、人形遣い(攻殻)とサマリタン(PERSON of INTEREST)を
足して割った感じでわくわくする。ややサマリタン寄りかな。

大まかに、潜水艦パート、指令とその説明パート、空港パート、
カーチェイスパート、パーティパート、列車パートに分かれるが、
それぞれ電脳戦や肉体勝負、車、等々趣向が違ってメリハリがきいてた。

バイクで飛び降りるシーン、予告の印象ではいつものキメキメイーサンだったが、
実際は割とベンジーのおちゃめりょくの高さにイーサンが白目になってるやつだったので
どっちもかわいかった。
(ベンジーが自動運転に切り替えたとき、ギャッ!まさかベンジーまでエンティティのえじきに!?
と絶望したが違った)

そう、一点だけ大きな不満は、なんでイルサを殺す必要がある??ということですが…。
なんでわざわざ「僕たちは性愛の関係にありまーす!」ムーブしてから殺す???
イーサンが青ひげみたいじゃん!
冒頭で死んだことにして身を隠して次作で復帰、でええやないか!!!
つよつよスナイパーのイルサが何であんな馬鹿みたいなナイフの決闘をしないといけないの??

完結編で、実はエンティティは最初からイーサンを自分の守護者にしたくて狙っていて、
用済みのガブリエルはゴミのように殺されて、仮想空間に移植されたイルサの人格が出てきて
「私を消せば彼女も消える」とか脅されるけど
エンターキーをツターンするイーサン。微笑むイルサ。
かすかに鳴るトゥーランドット。最後の会話…とかそれくらいやってくれないと怒るからね!

ちなみにチームキャップなのでヘイリー・アトウェル姐のことは応援してます。
脚本的に格を落とせない強い女性よりも、
イーサンの足を引っ張りまくる女性キャラクターが欲しかったんでしょうけど
(スゴイアタマヨイスゴイツヨイひとが2人揃ってピンチになる状況を考えるのは難しい)
もうちょっとなんとかならんかったのかヨ。


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「K.G.F CHAPTER 1」

2023年07月19日 | 暴力orハードボイルド系


10歳で母を亡くし、天涯孤独の身の上となった少年ロッキーが、
犯罪組織で成り上がり、金鉱の利権争いに巻き込まれていくという内容。
インドの仁義なき戦い。
歌わないのかなと思ったら歌うのでご安心ください。

顔面ぢからの強い人がいっぱい出てくるので
途中でだんだん見分けがつかなくなってくる。

内容ばれ

ロッキーがともかく強くてバッタバッタと敵をなぎ倒していく様子が
ハードめに描かれるのですが、恋愛パートはちょっとコミカルで
温度差におっとっと、となりました。
「Congratulations……俺が君を愛した」は、
HiGH&LOWの「いい女はっけーん」に匹敵するセリフ。

完全にめぐりあわせの問題なんですが
死んだ母の愛エライスゴイ映画が2連できて、
うへぇ…もうお腹いっぱいだよぉ…って状態になったので
CHAPTER 2に進むパワーが出ず、撤退しました。




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「ヴァチカンのエクソシスト」

2023年07月18日 | ホラー映画


ローマ教皇直属の悪魔祓い、
実在のガブリエーレ・アモルト神父の著作をもとにしたフィクション。
主演ラッセル・クロウ。

スペインの修道院を相続した母、娘、息子の3人家族は
修復して売却するためアメリカから現地に渡る。
しかしそこで不思議な出来事が起こり始め、
少年が原因不明の異常行動をとるようになったので、
悪魔祓いが呼ばれる…というあらすじ。

フリードキン版「エクソシスト」を現代風にド派手にした感じ。
(熟練エクソシスト+新米ちゃんの元祖)
肉塊とか血とか死体とかは普通に出ますが
特殊効果バキバキに効いたやつなので、平気な人は平気だと思う。

エンドロール後に味のある写真がでるよ。

ラストまでばれ

200-1=199!?
ちょっとなんか、長い杭で195体くらいを
一気に串刺しにしてるところを想像して笑ってしまった。
シリーズ化、いいんじゃないかと思います。
「ディヴァイン・フューリー」組と邂逅して、
エクソシストユニバースやってくれー。

でも「スペイン異端審問は、教会を汚したい悪魔が
神父に憑依して行ったのだ!」っていうのは、
ナ、ナンダッテー!って思ったし、罰が当たるとかそういう概念はないんかとも思った。
教会の行った蛮行は全部あくまのしわざかもしれないね…こわいね…。

あと悔いればなんでも許されるシステムもどうかと思う。
「悔い」の持続時間を科学的に計測できるようになったらいいんだけど。

悪魔は冗談が嫌いなんだね。真面目か。



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「君たちはどう生きるか」

2023年07月17日 | アニメ映画
監督脚本:宮崎駿さん。
太平洋戦争中、母を亡くした主人公の少年は
父と共に疎開する。
そこは父が再婚した、少年の叔母の実家で、
広大な敷地の中には不思議な塔があった。
主人公はその塔に興味を持つが…というあらすじ。

今回、前宣伝が一切なく、情報は極秘扱い、
SNSでキービジュアルが少し出る程度だった。
どうやら大手広告代理店を通していない様子。
それでどの程度の利益の増減があるかの実験になりそうだが
広告代理店にしてみたら、おそらく成功されると困るだろうから
必死でネガティブキャンペーンを打ってるのかな?などと想像する。
「客席がガラガラ」「爆死」などというニュースを見かけたが
少なくとも最寄り映画館は最前列まで満席だった。

タイトルは「マヒトと不思議な塔」のほうが験がいいと思う。

ラストまでばれ

評価が真っ二つになっているが、まあそうなるだろう。
もともと宮崎監督は起承転結よりもイメージ、ビジュアル、動き優先のひとだが
だんだんそれが顕著になってきて、今回は監督のイメージのスピードに
物語が追いつけていないような印象を受けた。

好きなシーンは冒頭の火事のシーン。すごい主観映像だった。
アオサギのトランスフォーム(気持ち悪い!)。
ナツコさんが鏑矢を射る場面。
息子を捜索に行くお父さんの爆速の準備の速さ(いかにも立身出世しそう)。
眞人さんがジャムを塗ったパンを食べるところ。

思い出のマーニーとか、トムは真夜中の庭で、とか黒澤監督の夢とか色々言われていますが
私はナルニア…と思いました。

所々「……?」という箇所があって、展開が現実なのか疑わしかったのですが
岩で切った眞人さんの出血量がいくらなんでも多すぎたり、
ナツコさんのご実家、テーマパークほどの広大さもそうだけど、
メインのお屋敷の玄関すぐにドーンと襖絵があり、
擬宝珠のついた朱塗りの欄干が右手に見えたが
(モデルになったお屋敷が実際あるんだろうか?)遊郭か?と最初思った。
大叔父様と眞人さんが会うシーン、なんで2回繰り返したのか?とか、
「帰してあげないといけないね」というセリフがあったのに
再度スカウトするのは何故なのか。
自分の妻が子供のころ1年間神隠しに遭ってたという重大な情報が
夫の耳に入ってないのは変じゃないかとか。

あとナツコさんが帰りたくないのは
子供を産むためなら焼死も恐れぬマッドネス・ヒミと、
実は出産をしたくないナツコで対比するのかなと思っていたがそうでもなく、
終盤放置されたゆえに電波みたいなキャラクターになってしまってた。

わらわらを食うペリカンや、人間を食うインコなど、
多感なお子さんが見ると知恵熱が出そうな気もしますが
弱毒化された理想的なウィルスのようにも思える。

個人的には大ヒットして、大手広告代理店を大泣きさせてほしかったが
手放しで絶賛も、しかねるので複雑な心境。
エンドロール後に1シーンあればかなり違ったのではないか。






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