ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

第17回木のぬくもりぬくぬくコンサート@大野市文化会館

2010年10月18日 17時28分01秒 | 演奏会
今からおよそ430年前,織田信長の家臣である金森長近公が越前大野の城下町の建設と築城に取りかかったと言う.
今年は大野城築城430年にあたり,記念行事が市内で活発に行われている.

その一環として,10月17日(日)大野市文化会館で「第17回木のぬくもりぬくぬくコンサート」が開催された.
このコンサートは大野市出身で神戸フィルハーモニック楽団員のファゴット奏者・羽生尚代さんが提唱し,発展,継続している.
地道で粘り強い性格の「大野人(おおのびと)」らしい音楽活動.
今回は神戸フィルハーモニック,相愛大学音楽学部関係のメンバーを中心とした弦楽カルテット+ファゴット+ピアノの編成の演奏会.



第一部は「越前大野史:わが町をハーモニーにのせて」というタイトル.
大野の歴史をナレーターがゆったりと語りながら,ファゴットと弦楽カルテットの演奏を聴く.
ファゴットの素朴でおだやかな響きは,大野の街の雰囲気を表現するのにぴったり.


時代は古代にさかのぼる.
大野城ができるはるか前の太古の時代.
古代人たちは農作物の実りによって質素に暮らし,祈りをささげていた.
ここで演奏されたのが,ウェーバー作曲の「アンダンテとハンガリー風ロンド作品35」よりアンダンテ.
緑が豊かな大野の田園風景が目に浮かぶ.

この田園風景を金森長近が目にする.
そして,ここに城下町を建設する決意を固める.
ライヒャ作曲「グランド・クインテット」よりレント・アリオーソ.
にぎやかな城下町の輝かしい情景が,長近の目に映っていた.

大野城を中心として街は順調に発展し,人々は平和で穏やかな生活を送った.
それは,まるで長い眠りから覚めて「静寂・ひとすじの光」を感じるような生活だった.
ジェイコフ作曲「スイート」よりⅠ序曲ラルゴ.

平和な街に災難.
火事が人々を襲う.
火事に逃げ惑う人々「慌て者」.
ジェイコフ作曲「スイート」よりⅡ気まぐれアレグロ ジェスト.

火事で途方にくれる人々「気弱者」.
ジェイコフ作曲「スイート」よりⅢエレジー アダージョ.

火事の後片付けに働く人々「しっかり者」.
ジェイコフ作曲「スイート」よりⅣロンド アレグロ ヴィヴァーチェ.

先人たちの夢を受け継いだ「大野人(おおのびと)」.
そのスピリットは現在も生きている.
ライヒャ作曲「ヴァリエーション」.

ファゴットという楽器の音色や表現力を改めて認識.
語りの情景と音楽の雰囲気がマッチしていて,想像力をかきたてる演奏でした.

第2部はのだめカンタービレで使われていた楽曲をメインに演奏.
峰龍太郎が桃丘音大の試験で弾いたベトベンのヴァイオリンソナタ第5番「春」.
神戸フィルのコンマスによるしなやかな演奏.

チェリストのポッパーが作曲したハンガリア狂詩曲op68.
これは,チェロのレッスンを受けている人だったら,ほとんど知っている曲.
桐朋大出身のチェリスト斉藤建寛さんによる熱演.
ものすごくスケールの大きな演奏で,さすがプロ.
ため息でました.
でも,のだめと関係あったっけ?

弦楽カルテットでモーツアルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」.
これは,のだめや峰龍太郎たちがコタツに入って歌ったスルメの歌で使われていた曲.

そしてベトベンの交響曲第7番.
第一楽章のみを弦4部+ファゴット+ピアノに編曲したバージョン.

最後は,大野シャンソンと大野音頭.
おお~,この街にはこんな曲があるのか,と感心しながら聴く.
会場のお客さんも手拍子.
アンコールは「あの道」.
素朴でしっとり.

実は,この演奏会が始まる前に,大野ストリングス愛好会によるロビーコンサートがあった.



そのロビコンにエキストラで参加.
その後,会場係りとして「木のぬくもりぬくぬくコンサート」を聴いていたのでした.

ロビコンでは,ビバルディーの「4本のバイオリンとチェロの協奏曲」と「春」を15人ほどで演奏.
アマチュアの弦楽アンサンブルだけど,暖かい拍手を頂きました.
これは来月の28日(日)のストリングス愛好会の演奏会の絶好の宣伝.
ロビーコンサートの続きは来月の演奏会で聴いてくださいということデス.


♪大野ストリングス愛好会演奏会♪

日時:11月28日(日)15時開演
場所:平成大野屋「平蔵」(平蔵のHP
演奏曲目:
Mozart ディヴェルティメントK.138
Vivaldi 4本のヴァイオリンとチェロのための協奏曲
Haydn ピアノ協奏曲ニ長調
Haydn 交響曲第100番「軍隊」









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