行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

無我の境地

2013年11月26日 | 禅の心
策扶老以流憩  策(つえ)つきて老を扶け以って流憩し

時矯首而游観  時に首を矯(あ)げて游観す

雲無心而出岫  雲無心にして岫を出ず

鳥倦飛而知還  鳥飛ぶに倦んで還るを知る



陶淵明の帰去来の一節です。 白隠禅師が著書の『槐安国語』に引用しています。雲が山の谷間からもくもくとわき上がる様子を表しています。雲は無心です。雲のように自我を忘れることを禅者は重んじます。西洋は自我を育てる文化ですが、東洋では自我を忘れた無我の境地を重く見るのです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする