行雲流水

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不殺生戒

2010年02月16日 | 禅の心
私としては好きな戦国武将はいないというのが本当のところです。

いくら美化されていても、戦国時代の武将は多かれ少なかれ、殺人集団の一員だからです。

人によっては、戦国時代と現代では価値観が違うと言うかもしれません。

しかし、カントの普遍的妥当性という言葉を借りるなら、人を殺すことは絶対的な悪だと思うのです。

織田信長のような凶悪な殺人鬼は論外としても、人を殺す事を是としてはいけないと思うのです。

かつて自分は織田信長だという総理大臣がいました。

もちろん彼は、殺人鬼としての信長だというのではなく、理想のリーダーとしての信長だというのでしょう。

しかし信長のリーダー性は残忍性に裏付けられたものだと思うのです。

広島、長崎に原子爆弾を落としたアメリカ人はアメリカでは英雄とされているそうですが、罪のない沢山の人を殺しておいて、何が英雄だと思うのです。

日本史上、戦国時代と明治時代は重要な意味のある時代なのですが、私としては嫌いな時代です。

カンボジアのポルポトや中国の毛沢東はたくさんの人を殺していますが、それを批難する声は大きいです。

しかし、同じような織田信長を英雄視するのはいかがなものかといつも疑問に思うのです。

罪のない人を殺すことが、正当化されたり正義であったりしてはならないと思います。