行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

情けはひとのためならず

2009年12月25日 | 禅の心
京都市右京区 大覚寺

情けは人のためならず

自分のためになるということです。

この意味を、若い人に聞くと、

「人に情けをかけてあげるのは、その人の成長のためにならない」と言ったようにとる人が多いです。

道元禅師は、言っています。


愚人おもわくは 利他を先とせば 自ら利 はぶかれぬべしと

しかには あらざるなり

利行は一法なり あまねく自他を利するなり


愚かな人は思うであろう。他人の利益を優先すれば、自分の利益がなくなると。

そうではない。利行というのは、一つの真理であって、自分も他人も利するのである。


道元禅師は、仏の道を歩む者が実践すべき4つの徳目、『四摂法』を重く見ています。

四摂法とは

布施 愛語 利行 同時

の4つです。そのうちの一つが利行です。

登山競技では、4人で60kg以上の荷物を持たなければなりません。

一人15kgずつ均等に持てばいいのですが、体の弱い人がいる場合、誰かが20kg持つこともあります。

体力のある人は、弱い人を助けることによって、結局は自分たちみんなが完歩の栄光を手にすることができるのです。

今の世の中、自分さえ良ければという風潮が強くなっています。

助け合いの精神が大切です。

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