野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

トヨタの新聞広告

2023-01-04 08:38:55 | その他
1月1日、新聞にトヨタの全面広告があった。それも全面赤色で書いてあったのでよく目立つ。
 
トヨタのHPから内容を見ると、
【1】"トヨタ生産方式" 豊田章男の解釈 
【2】米国記者が直球質問 豊田社長が答えた脱炭素戦略
【3】いつまでハイブリッドをつくり続けるんだ...と言われる今、新型プリウス投入の意味
【4】「日本の底力を世界に示す」重要な局面へ 自工会・豊田会長会見
【5】なぜトヨタは24時間耐久レースに挑み続けるのか?
【6】なぜ、それ、トヨタ?「トヨタの改善は病院でも通用するのか。謎の箱に迫る」
【7】【速報】トヨタ決算を読み解く4つのポイント
【8】16代目の大変革。新型クラウンが受け継いだ「クラウンらしさ」とは
【9】豊田章男がプロデュースした"エンジン音とレース仲間と過ごすホテルの門出"
【10】トヨタイムズ放送部 「トヨタスポーツカレンダー2022」下半期の見どころ総ざらい

正月、暇につきトヨタの全面広告をパソコンから読んでみた。
欧州発信元の「カーボンニュートラル」の命題に翻弄されているトヨタの苦労が読みとれた。

「再生エネ賦課金」に大いに不満を持っている年寄りの年金受給者のひとりとして、カーボンニュートラルの名を聞く度に、基本賛成だが今の日本の最重要事項では決してないと、ぶつぶつ独り言を言いながら、トヨタの正月の新聞全面広告を読んだ。欧州主導の「カーボンニュートラル」思想は、このままでは自動車に代わる大きな産業が発達していない日本の製造業は壊滅的になる可能性が高く、日本の産業は危機的状況の一歩手前にあるとの危機感の表れだと理解した。なんか、日本に明るい未来は来ず、空恐ろしい世界に突入するような気がする広告だった。

欧州は「カーボンニュートラル」を旗印に2030年代にガソリン車やハイブリッド車を含む内燃機関を全面禁止し、電気自動車以外は生産・輸入を認めない方針で、これが実施されると、プリウスのようなハイブリッド車は欧州に輸出できなくなる。その背景は、欧州を中心に自動車の内燃機関を否定することで、ハイブリッド車の技術がなく作れない欧州が世界の自動車産業の盟主を取り返そうとしている国家的政策であり、このままでは、日本の自動車産業、いうなれば日本の基幹産業は壊滅的な被害を被る、と我々年寄りはネット記事からの聞きかじりでそう思っていた。

でも、世界の状況は一変しつつある。つい先日まで、カーボンニュートラルの理想を世界に説教していた欧州が、ロシアのウクライナへの軍事侵攻によって燃料の供給不安が高まり、石油と天然ガスの価格が上昇し、電気代の激増に苦しんでいる。ドイツでは地域暖房に天然ガスを使っている自治体も多く、平均家庭のガス代の負担は、日本円にすると年間で約10万円の増加になる との報道もあった。このため、欧州は化石燃料の調達に走り回っているので、カーボンニュートラルに逆行する石炭も需要の急増しで、価格は現在、前年比でほぼ3倍に達しているらしい。 結局、欧州がカーボンニュートラルと謳い主導権を握ろうとしたが、戦争勃発で、その思惑は破綻しつつある。また、日本はというと、一部報道によると、脱炭素実現の目玉として電気自動車を推進し、2030年代半ばのガソリン車廃止を目指す日本政府方針にも懐疑的な見方を示し、「脱炭素一辺倒ではいずれ中国にのみ込まれる」と警鐘を鳴らした、と書いてあったが、全くの正論ではないかと思う。世界は一瞬に大きく変動している。さぁ~どうする。

トヨタの悲痛な訴えの中でも、愉快な項もあった。
「爆音が好きな皆さまへ」の記事で、トヨタがモータースポーツに積極的な理由が書いてある。トヨタは「 昨年「五輪は許されても、四輪と二輪は許されない」と言いましたが、本来、世の中で“輪”と数えるのはタイヤと花だけなんです。普通の草花は一本、二本と数えますけど、花が咲くと一輪、二輪となります。 モータースポーツは四輪・二輪…。つまり“花”がある世界なんだと思いますから・・・」。花のある世界の象徴であるモータースポーツの世界の、あの爆音こそ楽しみの源泉だという。官能的で刺激的なエンジン排気音 は多くの自動車ファンの心を揺さぶる、という説に全くの賛成である。

世界中の多くのモータースポーツファンは、多分こう思っていると思う。例えば、1月8日に開幕するアメリカのスーパークロスレースについては「もし仮にスーパークロスのレースバイクが電動バイクだったら、非常につまらないレースになる。観客は電動バイクのスーパークロスレースに興奮することはできない。電動バイクに、速さ、音、そして振動を感じる、エキサイティングな要因はない。だから、スーパークロスが電動バイクを採用すれば、観客はワクワクする内燃機関が発するサウンドのMotoGPやF1またはドラッグに走ると思う。電動バイクの沈黙は釣りにこそ最適だ」だと。

トヨタ社長の爆音大好き説を聞いて、トヨタは自動車のもつ本質も語ってると思えるので、全幅の信頼を置ける自動車産業の盟主であることに間違いないと思った。

一方、日本政府に愛想を尽かしたトヨタは「トヨタは日本を諦めつつある 豊田章男社長のメッセージ」と言う分析もある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする